任意整理できるかどうかの見極め

以前も少し書かせていただきましたが,任意整理手続は基本的に債務整理手続の中で最もライトな手続です。

心理的にも,裁判所を使うことになる自己破産・個人再生の手続をとるのは抵抗があるという方が少なくないです。

 

そのため,債務整理を考えたときにまず任意整理が可能かどうかを検討することが多いのですが,

任意整理は基本的に借金を減らすものではなく,返済が可能になる形での分割払いを求めて各社と交渉するというものです。

分割回数もやはり限度があるので,一般的には3年から5年,つまり36回から60回程度に分割して返済が完了するかどうかが

弁護士が任意整理を行えるかどうか判断する一つの目安になります。

 

もちろん,債権会社によってそれぞれ対応は異なります。

経営状況などがかかわっているのかと思いますが,会社として分割回数を決めていてまったく交渉の余地がないという会社もあります。

また,今後数年間かけて返済していくにあたり,その数年返済にかかる分についての利息(将来利息)を支払うことを強く求めてくる会社もあります。

あるいは,債務者の方の収入,月々の支払内訳を細かく確認し,本当にどうにもならないと債権者が認めてくれたときに限り

分割回数を増やすことに同意してくれる会社もあります。

 

こうしたことを踏まえての交渉は,法的な交渉というよりも事実上“お願い”に近い面もあり,

法的知識よりも経験・場数の問題という印象があります。