弁護士に相談に来る交通事故のトラブルで,過失割合を巡る争いがあるというケースは,当然ながら数多く存在します。
その場合に,どのようにして自分の正しさを主張していくのかというのは,非常に難しい問題です。
事故が起きた時のそれぞれの位置,速度などに争いがない場合には,
たいてい大まかな過失割合には争いがなく,細かな事情による過失割合の修正の有無が争いとなります。
他方,事故状況そのものに争いがある場合には,そもそもどちらが被害者でどちらが加害者かというレベルの問題にもなりえます。
いずれにしても,双方がそれぞれの主張を繰り返しているだけでは話が前に進みませんので,
信頼できる第三者の客観的な観察状況がある場合には,まずそれが大事となってきます。
具体的には,警察官による実況見分が行われている場合には,実況見分調書の内容が重要な資料となります。
実況見分は,人身事故への切り替えを行うととり行われるので,
過失に争いがあり,怪我もしているという場合には,まず人身事故への切り替えを行うべきでしょう。
実況見分調書は,弁護士であれば手続をとって開示を求めることができます。
ですので,過失割合に争いがある場合には,弁護士としてはまず実況見分調書の内容を把握することになるでしょう。
また,調査会社に調査を依頼するということが考えられます。
これはある程度の費用がかかってしまうものではありますが,例えば車両の傷の状況や事故現場の状況などを踏まえ,
専門家が過失割合を分析するというものになります。
こちらもやはり専門家の意見ということになるので,ある程度尊重されるものになるでしょう。
人それぞれ解決にかけられる費用等に違いがありますので,一概にどの方法が良いとは言えないですが,
やはり第三者の意見が大事であるということは間違いないところです。