むちうちの後遺障害 その2

前回,むちうちの後遺障害の有無は,事故に関連する各種事情により判断されることになるとお話しさせていただきました。

今回は,その各種事情とはたとえばどのようなものがあるのか,ということについて書かせていただきます。

 

まず,よく言われるのが通院の期間や回数です。

これは,長期間・多数回通院している以上,当然症状の程度が重いだろうと考えられることから,重要になってくるものです。

 

次に,事故の態様も大切になります。

これは,大きい事故であればあるほど,それによる怪我も大きいだろうと考えられることから,

後遺障害の有無を分ける要素になってくるものです。

例えば,歩行者や自転車対自動車の事故である場合,事故の衝撃が直接身体に加わっていることになりますので,

怪我の程度も大きいものと考えられやすいです。

また,自動車同士の事故である場合も,事故後の車両の損傷具合(一目で損傷していることが明らかな場合などは衝撃が強いと考えられやすいです。)などの事情が

後遺障害の判断に影響を与えます。

 

また,年齢も事実上影響することがあります。

これはどういうことかというと,「後遺障害」というからには,その後も基本的には症状が治らないことが認定の前提となるのですが,

若い方とご高齢の方を比較すると,ご高齢の方の方がその後の改善の見込みが低いと一般的に考えられるため,

若い方よりもご高齢の方の方が,後遺障害が認定される方向に傾きやすいということです。

特にはっきりと明言されているわけではないのですが,実務を取り扱っているとたしかにその傾向はあるように思います。

 

その他にもいろいろな事情が考慮されて,後遺障害の判断はなされることになりますが,

最終的にはそれらの事情を鑑みて,認定する側がどのように感じたかということになってきますので,

弁護士として日々取り扱っていても,やはりむちうちの後遺障害は複雑だなと感じます。