裁判官は判決よりも和解で終わらせたい?

以前このブログでも書いたかもしれませんが,裁判=判決ではありません。

おそらく,「裁判」という言葉から多くの方が「勝訴」とか『敗訴』という言葉を連想されるのではないかと思いますが,

裁判の終結の仕方は判決だけではなく,和解という終わり方があります。

 

「裁判官は判決を書きたがらない」という話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

弁護士がそのように言っているのを聞いたことがあるという方もいらっしゃると思います。

実際に,裁判官が判決を書きたがらないかどうかはわかりませんが,

判決ではなく和解になるということが,悪いことだというわけでは決してありません。

 

和解は,双方がある程度譲歩することによって成立するもので,判決よりもある程度柔軟な内容にすることが可能です。

判決だと白か黒かはっきりせざるを得ない部分についても,和解だと,場合によっては中間的な内容になることもあり得ます。

すると,判決だと“もしかすると全面的に負けてしまうかもしれない”ものについても,和解だと“多少は認めてもらえた”ということが起こり得ます。

判決は,裁判官が一方的にくだすものであるのに対して,和解は当事者双方が自発的に受け入れる性質のものですので,

紛争の終わり方としても一応双方が「了承している」という点で,和解の方が判決よりも綺麗な終了だという見方もできるかと思います。

 

判決よりも和解の方が,という考えには,このような理由もあるのではないかと思います。