六法全書

「六法全書を全部暗記しているの?」

司法試験を受験していたころからこのような質問を受けることがあります。

司法試験に合格すると,裁判官,検察官,弁護士になることができますが,どの立場の方でも,六法全書をすべて暗記している,という方はほとんどいないのではないかと思います。

 

そもそも,司法試験受験の際には試験時間中,法令集を読んでよい(大学内部の試験での「持ち込み可」みたいなものです)ので,わざわざ暗記する必要がありません。

問われるのは条文をどのように事案の中で活用していくか,といえばよいでしょうか。

 

とはいえ,限られた試験時間の中で第1条から順番に関係する法律を探す時間はありませんので,大まかに何条くらいに問題に関係しそうな条文があるか,くらいは把握していたりします。

 

では実際に弁護士になったら法律を覚え始めるか,といえばそういうわけでもありません。読む必要があればいつでも六法開けますからね。

ではでは覚えることなんて何もないのか,ということになりますが,受験中はかなりの数の過去の裁判例と向き合ってきました(概要だけのものも含むと1000件くらいになってしまうかもしれません)。重要な最高裁判決に関しては判決文を何回も読みましたし,その最高裁判決には各裁判官の補足意見等もつきますのでそこまで読んだり,さらに判決についての解説を教授や実務家等がしているのでそれを読み込んだり。。

過去の判例について,「大切なことは覚えることではなく理解することだ!」などとよく言われますし,それはその通りです。ただ,理解しようとする過程で結局はかなりの部分を記憶することになりましたかね。結果的に。。

 

受験予定の方はそろそろ追い込みの時期に入ります。体に気をつけつつ,頑張ってください。