後遺障害認定手続と弁護士法人心

交通事故で負傷後、治療を続けたものの後遺症が残存した場合、後遺障害認定の手続きを行う流れになるのが一般的です。

交通事故における後遺障害の等級認定は、損害保険料率算出機構、下部組織の自賠責調査事務所という組織が担っており、認定された結果を踏まえてその後の交渉等が進みます。

後遺障害認定の調査にあたっては、治療中に撮影した画像資料等を病院から取り寄せる必要等もあるため、ある程度期間を要します。

後遺障害の内容、程度などにもよりますが、おおむね2~3か月程度で結果が出る場合が多いかなと思います。高次脳機能障害の場合には、複数等級の可能性があることや、審査それ自体の難易度が高いこと等から、結果が出るまで半年かかるようなこともありました。

後遺障害の認定結果に対しては、不服を申し立て、再度の審査を求めることが可能です。

一度出た決定をひっくり返すことになるため、やや難易度はあがりますが、不服申し立ての結果、一度は後遺障害ではないと判断されたものに対して後遺障害の等級認定を獲得できる場合や、既に認められた等級より上位の等級が認められる場合等もあります。

そもそもの等級認定の妥当性の判断や、異議申立て等になってくると、かなり専門性を要求されてくるかなと思います。このあたりについて、損害保険料率算出機構の元職員等の後遺障害認定の専門スタッフがいることは弁護士法人心としての強みかなあと実感しています。

可動域制限

さて,今回は後遺障害の話です。

取り扱っている後遺障害案件の中で,頚椎捻挫(むちうち),腰椎捻挫に次いで多い印象があるのが,腕や肘などの骨折の後遺障害です。

腕や肘が以前よりも曲がらなくなってしまった,という場合に,曲がらなくなった角度に応じて等級が認定されます。

可動域制限の後遺障害というものです。

ヒトの身体には個体差があるので,けがをしていない方の腕や脚がどのくらい曲げ伸ばしできるかを測り,それと比較してけがをした方の腕や脚がどれくらい曲がらなくなったのかを計測します。

腕であれば,手首,肘,肩が三大関節となりますが,このうち1つについて,3/4以下となれば12級,1/2以下となれば10級とされています。

角度は後遺障害診断書を作成する際にお医者様が測定します。

角度の測定について,もしかしたら「ごまかしがきくのではないか」と考えられる方がいるかもしれませんが,そう簡単にはいきません。

というのも,測定する際には,「自動」ではなく「他動」での可動域が基本的な判断材料とされます。言い換えると,「自分でどこまで曲げられるか」ではなく,「医師が手を添えてどこまで曲げられるか」で後遺障害が決まってくるということですね。

 

そのほか,変形障害などが絡むと併合等級といって,等級が上がるようなこともあります。

詳しいことは個別の案件について弁護士にご相談いただいた際にということになってしまいますが。。