今回は履行テストについてのお話です。
「テスト」という単語にアレルギーがある方もいらっしゃるかもしれませんが,個人再生手続において重要な位置付けのものとなりますので悪しからずご容赦ください。
個人再生手続というのは,一定の条件にしたがって債務を減額し,減額された分の債務を数年間計画通り返済すれば,残っていた債務の支払義務を免れることができる手続きです。
自己破産の場合と違って,手続終了後も債権者への返済があるということになります。
そのため,一度裁判手続を離れた後も,しっかりと返済の継続が期待できなければなりません。
この返済継続ができるかどうか(「履行可能性」といいます。)を確認するのが,履行テストです。
「テスト」といっても,要するに毎月きちんと返済継続ができることを示すために,毎月返済予定額の積立ができれば問題ありません。
期間はおおむね半年程度です。
東京地裁の運用では,全件個人再生委員が選任されますので,個人再生の申立て後,個人再生が開設した口座に積み立てるかたちでテストします。
個人再生委員が選任されない場合(他の地方裁判所の多くの案件では個人再生委員が選任されない場合の方が多いようです。),申立代理人の弁護士事務所の口座への積み立てによってテストするのが基本かと思います。
うまくいけばマイホームを残すことができる場合があることや,ご依頼前の毎月の返済額より積立額の方が少なくなることが多いためか,履行テストで躓いてしまう方はあまりいないのではないかと思います。
私個人の経験では,ご依頼いただいた方が履行テストに失敗したことはありませんので,合格率100%,といえなくもありません。一応。。