平成29年司法試験の結果

9月12日、今年の司法試験の合格者数は、1,543人(昨年より40人減少)と発表されました。

日本弁護士連合会の会長は、この結果を受けて、次のようにコメントしています。

「年間の司法試験合格者数については、現実の法的需要や新人弁護士に対するOJT等の実務的な訓練に対応する必要があることなどから、まずは1,500人に減じて急激な法曹人口の増員ペースを緩和すべきことを提言し、(中略)当面の司法試験合格者数を、質の確保を前提としつつ1,500人程度は輩出されるよう、必要な取組を進めるものとした。

本年の司法試験の合格者数は、昨年より40人減少し1,543人となり、昨年に引き続き法曹人口の増員ペースが一定程度緩和されたことから、この傾向の継続により1,543人となることが期待される。」

 

合格者以上に気にかかるのは、受験者数です。

司法試験は、司法制度改革の一環として、受験資格を問わない旧司法試験から、法科大学院修了または司法試験予備試験の合格が必須となる現行司法試験へと変わり、これに伴って、平成16年4月、法科大学院が創設されました。

受験者数は、旧司法試験期には、長年2万人程度を維持しており、新旧試験が併存した移行期(平成18年から平成23年)に入る直前には、4万人を超えるまで増加しました。

ところが、新旧移行期に入ると減少の一途をたどり、平成24年に現行司法試験が始まってから9,000人を超えることはなく、直近3年間は、8,016人→6,899人→5,967人と大きく減少しています。

法曹(裁判官、検察官、弁護士)を志す人がこれほどまでに減っていることは、司法制度を揺るがす事態となりかねません。

 

また、合格率の高い法科大学院トップ5は、

京都大法科大学院 50.0%、

一橋大法科大学院 49.6%、

東京大法科大学院 49.4%、

慶應義塾大法科大学院 45.4%、

大阪大法科大学院 40.7%、でした。

他方で、予備試験合格者の合格率は、72.5%と突出しています。

こうした結果も、法科大学院制度の意義を疑わせることにつながります。

 

ところで、今年の合格者の平均年齢が28.8歳であった中、71歳の方が合格されています。

世間の「平均」にとどまることなく、いくつになっても新しい事柄にチャレンジすることができるのだと勇気づけられます。

また、女性の合格者は、全体の20.41%です。

少ない気もしますが、平成12年まで登録弁護士全体の女性比率が10%未満であったことと比べると、増えてきたともいえますね。

 

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