脳脊髄液減少症

交通事故によって頭を強く揺さぶられると,脳脊髄液が漏れてしまうことがあります。

そうすると,脳の位置がずれて,脳神経,血管,硬膜などが刺激され,頭痛,耳鳴り,聴力低下といった症状が生じることがあります。

このような症状のことを,脳脊髄液減少症といいます。

 

脳脊髄液減少症は,提唱されてから日が浅いため,確立した診断基準がなく,日本脳神経外傷学会や厚生労働省などの複数の団体から様々な診断基準が提唱されている状態です。

治療方法についても,ブラッドパッチ療法,アートセレブ療法などが有効とはされていますが,確立した治療方法はまだありません。

 

裁判例の中には,そもそも交通事故による脳脊髄液減少症の発生自体を否定して,脳脊髄液減少症の治療費を認めないものも多いです。

脳脊髄液減少症を後遺障害と認定した裁判例も中にはありますが,最も低い等級である14級しか認めていません。

 

このように,裁判所の判断は,被害者側に有利とは決していえない状況ですが,今後,研究が進めば,その成果が交通事故賠償の分野で活用されることにより,今以上に被害者の救済を図れる可能性があります。

 

脳脊髄液減少症でお困りの方は,ぜひ一度,弁護士法人心にご相談ください。