高次脳機能障害

今日は,最近相談の多い,高次脳機能障害について書きたいと思います。

 

高次脳機能障害とは,交通事故で頭部に大きなダメージを受けたことで,脳に損傷が生じ,

記憶障害,注意障害,遂行機能障害,社会的行動障害などが生じる障害です。

頭部へのダメージが強かった場合には,こうした障害が残るかもしれない前提で家族や周りの方も動く必要があります。

具体的な症状としては,事故前にはなかったのに,

意思疎通が難しくなる,激しい物忘れがある,理由もない衝動的な行動をするようになった,

自傷行動や情動運動をしてしまう,情緒不安定になるなど,様々です。

 

しかし,高次脳機能障害は,非常に難しい障害で,後遺障害として認定されるには,

多数のポイントを押さえる必要があります。

 

 

まず,入口の3要件として,

①脳挫傷,びまん性軸索損傷,びまん性脳損傷,急性硬膜外血腫,急性硬膜下血腫,

外傷性くも膜下血腫,外傷性くも膜下出血,脳室出血,骨折後の脂肪塞栓で呼吸障害を発症,低酸素脳症,

のいずれかの傷病名が診断されていること,

②上記傷病名について画像所見が得られていること,

③頭部外傷後の意識障害,もしくは健忘症あるいは軽度意識障害が存在すること,

が必要です。

 

ただ,事故直後は,もっともひどい症状について目がいってしまうこともあり,

見落とされてしまう可能性もあります。

もし,事故状況や症状から高次脳機能障害が疑われるような場合には,

事故直後から,脳の検査を行うなどして,証拠が何もない,というようなことは起きないようにしておく必要があります。

 

 

そして,入院中など,事故直後の段階から,意識障害について確認をし,

診断書やカルテにその内容を記載しておいてもらう必要があります。

 

特に,ご本人がお話するのが難しいような場合には,ご家族ができる限り症状などについて

医師や看護師にお伝えしておかなければ,当時の記録としては残らない,という可能性もあります。

 

また,治療が進んでからも,症状がどの程度日常生活に影響を与えているかが

後遺障害として認定される等級に影響を与えますので,

こうしたことも,日記に控えておいたり,医師や看護師に伝えておく,というのが重要になります。

 

高次脳機能障害が疑われる場合には,初期の資料も重要ですし,

後遺障害の認定可能性を見据えたサポートが早期から必要ですので,

お早目に後遺障害に強い弁護士に相談されることをおすすめします。

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