TFCC損傷の画像所見

交通事故で手首をケガした,という方の中には,最初は軽い捻挫だろう程度に思っていたところ,

実はTFCC損傷だということが分かった!という方がいます。

 

事故から比較的すぐにMRI検査や関節造影検査などを行い,

専門の医師がTFCC損傷であるということを発見してくれればよいのですが,

そうでない場合,交通事故とケガの因果関係を否定されてしまうおそれがあります。

特に,最初の段階だと,捻挫であっても痛みはあるため,TFCC損傷であるということ自体に気づきにくく,

痛みがなかなか引かないために初めて検査をしてみる,ということも多くあり,

事故から数ヶ月も経過してから撮った画像などでは,事故との因果関係を立証するのは容易ではありません。

 

しかも,MRI画像ではTFCC損傷の有無は容易ではありませんので,

専門の先生にきちんと診ていただく必要があります。

MRIの場合には,T2強調像で高信号として描出されます。

 

さらに有用なのは,関節造影検査で,橈骨手根関節から遠位橈尺関節への造影剤の漏出,

TFCC構造体内への造影剤の侵入などの所見が得られます。

 

こうした,TFCC損傷であることを示す所見を,いかに事故から早い段階で得られるか,

が重要になりますので,交通事故による手首の痛みに悩まされている方は,

ぜひ一度交通事故に詳しい弁護士への相談,専門医への受診を早めにしていただければと思います。