東京で『交通事故』に強い弁護士

症状固定とは

  • 文責:所長 弁護士 石井浩一
  • 最終更新日:2021年3月5日

1 症状固定とは

症状固定は、交通事故の被害者の人身損害賠償額を算定するにあたって用いられる言葉です。

症状固定とは、簡単にいうと、症状が固定化してしまって、治療を継続しても、それ以上の症状の改善が期待できない状態をいいます。

より正確にいうと、労働者災害補償保険の障害等級認定基準に、症状固定とは、「傷病に対して行われる医学上一般的に承認された治療方法をもってしても、その効果が期待し得ない状態で、かつ、残存する症状が、自然的経過によって到達すると認められる最終の状態に達したとき」と定められています。

交通事故による損害賠償請求事件の裁判例を眺めてみても、症状固定の意味について、上記の労災補償の基準と同様に考えているといえます。

交通事故によって負傷した症状が一進一退を繰り返すようになると、症状固定といえるでしょう。

2 症状固定になると

症状固定の時期は、人身損害賠償額を左右する重要な基準となります。

まず、症状の改善が期待できない治療は、必要な治療といえないため、症状固定になると、それ以降の治療費は、原則として加害者に請求することができなくなります。

また、休業損害や傷害慰謝料についても、症状固定時期までの期間を基礎として算定されます。

症状固定後に仕事を休業しても、加害者に休業損害を請求することはできません。

症状固定後、事故による負傷に関する精神的苦痛が続いても、加害者に傷害慰謝料を請求することはできません。

他方で、症状固定になると、加害者の自賠責保険会社に対して、残存した症状について後遺障害の申請をして、後遺障害が認定されると、認定された後遺障害の内容に応じて、逸失利益、後遺障害慰謝料等、後遺障害に関する損害賠償を請求することができます。

3 症状固定の注意点

では、症状固定の時期は、誰が決めるのでしょうか。

上記のように、症状固定の時期は、人身損害賠償額を左右する重要な基準となるため、裁判でもよく争われます。

裁判になると裁判所が判断することになりますが、その際、裁判所は、治療の専門家である医師の見解を重視します。

症状固定、すなわち、これ以上の症状の改善が期待できない状態になったかどうかは、治療の専門家である医師、とりわけ被害者の治療にあたった主治医が最も詳しいはずと考えられるからです。

ところが、加害者の任意保険会社が、主治医の見解を他所にして、症状固定と独断し、治療費の支払いを打ち切ることは少なくありません。

治療費の打ち切り時期=症状固定時期ではありません。

治療によって症状の改善が見込めるのであれば、加害者の任意保険会社に治療費の支払いを打ち切られても、軽々に治療を終了することは、避けたいところです。

医師がまだ治療の必要があると判断した場合、保険会社が打ち切った後の治療費についても、加害者の自賠責保険に対する請求や、加害者に対する裁判によって、認められる可能性があります。

そのため、加害者の任意保険会社に治療費の支払いを打ち切ったり、症状固定を理由として後遺障害申請の話が出た場合には,交通事故に精通した弁護士に相談することをお勧めします。

4 症状固定の話が出て不安になったら

弁護士法人心 東京法律事務所では,交通事故における保険会社対応・後遺障害を得意とする弁護士が多数在籍しております。

治療を継続しているにもかかわらず保険会社から打ち切りの話が出た方,主治医がまだ治療を続けようとしているのに後遺障害の申請を薦められた方などは,一人で悩まず,是非,弁護士法人心 東京法律事務所にご相談ください。

弁護士紹介へ

スタッフ紹介へ

お役立ち情報トップ

弁護士等の専門家

損害賠償金(示談金)

後遺障害

高次脳機能障害

むち打ち

過失

治療

保険

東京の方へ

東京23区外の方へ

東京周辺の方へ

その他

お問合せ・アクセス・地図へ

お問合せ・アクセス・地図へ

交通事故の症状固定

交通事故にあわれ,突然のことで困惑しているような状況で,相手の保険会社の担当者のお話のままに,病院に通院され,治療をされている方もいらっしゃるかと思います。

そうして通院しているうちに,相手の保険会社の担当者より,そろそろ治療を終了し症状固定されてはどうかといったお話をされる方がいらっしゃるかと思います。

まずは病院の医師に相談される方が多いのではないでしょうか。

実際に症状固定かどうかは医師の判断になりますので,現在の体の状態をしっかりと伝えた上で,主治医の先生とよくお話いただくことが重要です。

また,症状固定のお話がされた際には,併せて弁護士にご相談されることをおすすめします。

その後の示談交渉について,弁護士がついているかどうかで,受け取れる損害賠償金額が大きく変わってくることが少なくないからです。

ご相談される際には交通事故を得意としている弁護士を選んでいただければと思います。

お問合せ・アクセス・地図へ