遺言書作成の重要性

最近暑くなってきましたね。この時期は,急な暑さに対応できず,熱中症になりやすいようなので,皆さまもお気を付けください。

本日は遺言作成の重要性についてお話をします。

遺言書がない場合には,原則として法定相続分に従って分けるということになりますが,不動産を売却するのか,誰かが引き継いで代償金を支払うのか等の分け方で揉めたり,被相続人の財産形成に特別の貢献をした(寄与分)とか,生前に一部の相続人が特別の利益を得ていた(特別受益)等の具体的相続割合で揉めたり,様々な事情でなかなか分割ができなくなることがあります。

自分には遺産が多くないから揉めないとお考えの方もいらっしゃいますが,実際には遺産が5000万円以下のケースが紛争の大半を占めています。

遺産分割で揉めてしまうと,ケースによっては,何年,何十年と分割することができず,紛争が次世代にまで引き継がれてしまうこともめずらしくありません。

特に近年,人々の権利意識が強くなってきており,裁判所に提起される遺産分割事件数は年々増加しています。

遺言を作成し,遺言執行者を指定しておくと,遺言の内容に反対する相続人がいたとしても,遺言執行者は遺言の内容通りの執行を行うことができますので,安心です。遺言を作成することで,分割ができないままに何年も揉めるということを確実に避けることができるのです。

遺言を作成する際に特に注意すべきことは次の2点です。

まず1点目は,無効にならないよう,有効な遺言を作成することです。

遺言の作成方法は法定されており,間違ってしまうと無効になってしまいますし,認知症が進んでいて,遺言を作成する能力がない状態で作成された遺言も無効になってしまいます。弁護士等の専門家に相談したり,医師の判断を仰いでから作成することで,必ず有効な遺言を作成してください。

2点目は,争いを生まない遺言の作成をすることです。

遺言書を作ったことで,紛争を誘発してしまっては,遺言を作成する意味が半減してしまいます。

特に,相続人に保証された最低限度の相続分である遺留分については,遺留分を考慮した上で分割割合を定めるとか,遺留分を考慮せずに作成する場合には,なぜ,遺留分すら与えないような内容の遺言を残すのかにつき,きっちりとあなたの想いを記載しておく等の対策をする必要があります。

分割方法を工夫することにより,一家で支払う相続税の総額を減らす等,遺言の内容により,出来ることは多いです。遺言作成は,相続に強い弁護士,税理士に相談するのがおすすめです。

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