消滅時効について②

東京は急に寒くなりましたね。風邪には気を付けたいところです。

 

前回は,交通事故における消滅時効の基礎について書いてみましたが,今回は消滅時効についてもう一歩踏み込んで書いてみたいと思います。

前回,不法行為による損害賠償請求権は,被害者またはその法定代理人が損害及び加害者を知ったときから3年間行使しなかったときに時効期間が完成する(民法724条,自賠法4条)と説明をいたしました。

 

今回は,交通事故から3年経過してしまった場合,相手方に一切請求できなくなってしまうのかという点について検討してみます。

交通事故に遭った後で3年以上経ってしまった場合であっても,相手方が任意保険に加入している場合は,保険会社としては事故による被害者の損害を回復し,安全な社会の実現を図るという使命から,消滅時効の援用をしないケースもあるところです。

ただし,相手方保険会社が絶対に消滅時効の援用をしないという保証はないので,できるだけ3年経過する前に,時効中断措置や債務承認などの方策を取った方が良いと思います。

次回は,消滅時効と自賠責保険の請求権との関係について書いてみる予定です。

交通事故に遭われた場合,治療が長期にわたり交通事故から3年経ってしまった方もおられると思います。

そのような場合は,交通事故に精通している弁護士にご相談されることをお勧めいたします。