逸失利益の請求について

東京も暑い日々が続いて大変ですね。

本当に暑いので,裁判所に行くときなどは汗びっしょりになってしまいつらいです。

 

今日は,後遺症逸失利益について少し考えてみたいと思います(以下後遺症逸失利益を単に「逸失利益」といいます。)。

交通事故によって負ったお怪我が完治せずに後遺症が残ってしまった場合,被害者様は後遺症慰謝料や後遺症逸失利益を加害者に対して請求することになります。

後遺症逸失利益の一般的な算定式は以下のとおりです。

・後遺症逸失利益=①基礎収入×②労働能力喪失率×③労働能力期間に対するライプニッツ係数

逸失利益は,労働能力の低下の程度,収入の変化,将来の昇進・転職・失業等の不利益の可能性,日常生活上の不便等を考慮して算定されます。

 

 

①基礎収入は,原則として事故前の被害者様の現実の収入を基礎としますが,将来,現実収入額以上の収入を得られる可能性が高く,その立証ができれば,その金額が基礎収入となる場合があります。

②労働能力喪失率とは,交通事故によって負ったお怪我が完治せずに残ってしまった後遺症によって失われた労働能力の程度をいいます。

③労働能力喪失期間とは,交通事故によって負ったお怪我が完治せずに残ってしまった後遺症により労働能力の一部または全部が失われる期間をいい,その始期は症状固定時,終期は原則67歳とされています。

もしかすると,被害者様の中には,労働能力喪失期間は症状固定日から67歳まで当然に認められると思っている方もおられるかもしれません。

ただし,67歳を労働能力喪失期間の終期とするのは,あくまで原則であって,被害者様の職業,地位,健康状態,能力等によって例外的な扱いをされることが多いです。

また,後遺症の中にはそもそも逸失利益自体が認められにくいものや,労働能力喪失期間が67歳まで認められにくいものもあります。

 

以上のとおり,交通事故でお怪我をされた場合,逸失利益の請求にあたって様々な考慮要素があり,また,立証が難しい場合もあることから,逸失利益の請求をどのようにすればよいかお悩みになられる方も多いと思います。

このような場合は,交通事故に精通している弁護士にご相談されることをお勧めいたします。