もう2月も終わりですね。
いよいよ花粉症の時期がやってまいりました。
ニュースを見ていると,東京でのコロナウイルスの問題もかなり身近に迫っているように感じます。
さて,前回は,これだけはしておくべき相続の準備について書いてみました。
今回は,民事信託・家族信託について書いてみたいと思います。
民事信託や家族信託という言葉を聞いたことのある方は多いのではないでしょうか。
最近では,クローズアップ現代などのテレビでも取り上げられたこともあり,興味をお持ちの方も多いのではないかと思います。
実際にも,民事信託・家族信託についてのご相談が増えてきているなと感じています。
弁護士に何かを依頼するとしたらどのような場合だろうかと考えてみてください。
どちらかというと事故や紛争が起きてから,自分ではどうにもできないトラブルが発生したら,という場合に相談するものだというイメージをお持ちの方もいらっしゃると思います。
しかしながら,相続における生前対策の中で特に民事信託や家族信託というのは,何かが起きる前の対策です。
今後高い確率で起きるであろう事象に備えて事前に対策をする,そのために弁護士を利用する。
最近,多くの相続事件に携わるようになって,生前対策の重要性が身に染みて分かるようになってきました。
自分が亡くなった場合に備えて,あらかじめ相続の準備をしておくことは,残された相続人のためにも必要です。
自分のご家族と話し合うタイミングというのは,あるようでなかなかないものです。
民事信託や家族信託をきっかけにして,今後のことについて話し合っておくというのもよいと思います。
民事信託や家族信託は,成年後見と対比して話題に上がることが多いと思います。
成年後見は,判断能力がなくなってしまったことを公に宣言するものであり,裁判所に申立てをし,弁護士や司法書士が後見人になった場合はその費用もかかります。
後見人が財産管理を行うため,後見人との意思疎通が難しくなる場面もでてくるかもしれません。
これに対し,民事信託・家族信託は,そのほとんどが認知症対策として利用されています。
信託契約を結びますので,契約内容に柔軟性を持たせることが可能ですし,遺言や任意後見契約と併用することも可能です。
個人の方で,自ら民事信託・家族信託契約書を組成するのは非常に難しいと思います。
また,遺留分に配慮していない内容にしてしまった場合,自分の意思とは反対に,紛争の原因になってしまうこともあります。
このように,上記で述べたような配慮をした上で相続の準備をするためには,民事信託・家族信託契約書の作成について深い知識が必要になることが多いです。
民事信託・家族信託に興味をお持ちの方は,詳しい弁護士にご相談されてみるとよいと思います。
以上