過払い金が発生しているかどうかの確認の仕方について

もう11月も終わりが近づき、今年もあと1か月ほどになりました。

東京も寒くなってきてますので、インフルエンザや体調管理には気を付けたいところです。

前回は、年金担保貸付制度について書きましたが、今回は,過払い金について書いてみたいと思います。

 

過払い金とは、簡単にいうと、借主が貸金業者等の貸主に返済しすぎたお金です。

利息制限法1条は、元本10万円未満の場合は年20%、元本10万円以上100万円未満の場合は年18%、100万円以上の場合は年15%を上限利率とし、この制限を超えた利息の支払いは無効と規定しています。

しかし、平成22年以前には、利息制限法と出資法で異なる上限利率が認められており、出資法には反しないが利息制限法に定める上限利率を超える高い利率でお金を借りていた場合に、利息が払いすぎになっていることがあります。

この払いすぎた分が過払い金です。

過払い金があるかは、正確には取引履歴を貸金業者に出してもらわなければ分かりませんが、ここでは簡単に過払い金があるかを大体で見分ける簡単な方法があります。

まず、過払い金があるためには、利息制限法の上限利率を超える高い利率で借入をしている必要があります。

平成18年の貸金業法の改正により、利息制限法所定の利息制限額を超えた契約が禁止され、この改正法が平成22年6月18日に完全に施行されました。

このように、法律で利息制限法と出資法の上限が統一されたのは平成22年ですが、それ以前でも、消費者金融やカード会社等の貸金業者で自主的に利息制限法の上限利率を超えない範囲内の利息で貸し出すようになったところもあります。

そして、貸金業者が自主的に金利を引き下げ始めた時期は、おおむね平成18年~20年頃です。

貸金業者による金利引き下げの対応は、ほとんどが平成19年中に終了していますので、平成19年以前から借入れをしている場合でなければ、利息制限法の範囲内の利率であるため過払い金は発生していないと思われます。

利息制限法の上限利率を超える高い利息で貸していたのは、基本的に消費者金融とカード会社です。

銀行のカードローンや住宅ローン、車のローン等は、昔からこのような高い利息の商品はなかったことから、過払い金が発生していないと思われます。

過払い金があるためには、消費者金融又はカード会社のキャッシングでなければならないということになります。

また、過払い金は、最終取引から10年たつと、消滅時効の成立により返してもらえなくなるという最高裁判所の判例があります。

今もキャッシングでの借り入れがあり、返済し続けている方は、基本的に最後の取引は先月や先々月でしょうから、時効の問題はありません。  しかし、完済している方は、基本的に、完済日が最終取引日ですから、完済から10年たつと時効により過払い金を返してもらうことはできなくなります。

コロナ禍で収入が減ってお困りの方も多くいらっしゃると思います。

もし過払い金が発生していそうであれば、気になるとこだと思いますので時効にかかる前にお早めに弁護士等にご相談されるとよいのではないかと思います。