保険会社が早期に一括対応を終了してきた場合の対応方法とは? その3

こんにちは。

 

弁護士法人心東京駅法律事務所所属

 

弁護士の大薄(おおすき)です。

 

今回は,相手方保険会社から早期に一括対応が終了された事案の続きとなります。

 

前回は,相手方保険会社から早期に一括対応が終了されたことにより,

 

休業補償を受けることができず,

 

治療費も自己負担となる状況に追い込まれたことまでご説明しました。

 

それでは,このような状況をどのように乗り切っていったのでしょうか。

 

まず,休業損害についてです。

 

こちらは,やむを得ず,貯金や家族からの借り入れによる対応となりました。

 

次に,治療費についてです。

 

被害者の方は,医師の指示のもとに,接骨院をメインに治療を受けていました。

 

こちらの接骨院の先生が非常に男気のある方でした。

 

接骨院の先生に事情を説明したところ,

 

①被害者の方に窓口負担を求めないツケ払いでの対応で構わない

 

②交渉で獲得できなかった施術費は,被害者の方に自己負担を求めずに放棄する

 

との方針で対応することとなりました。

 

未払の施術費が溜まっていくため,接骨院の先生には,非常にリスクのある決断です。

 

しかしながら,接骨院の先生も,今回の相手方保険会社の対応はあまりに酷いとして,強い憤りを感じているようでした。

 

それでは,このような方針のもと,どのように事件が解決したのでしょうか。

 

続きは,次回といたします。

保険会社が早期に一括対応を終了してきた場合の対応方法とは? その2

こんばんは。

 

弁護士法人心東京駅法律事務所所属

 

弁護士の大薄(おおすき)です。

 

今回は,相手方保険会社から早期に一括対応が終了された事案の続きとなります。

 

前回は,肋骨骨折を伴うバイク転倒事故であったにもかかわらず,

 

事故から3か月程度で相手方保険会社からの一括対応を打ち切られたこと

 

一括対応の既払金は,自賠責保険の上限である120万円を超過していたため,

 

被害者請求による対応は困難であったことをお伝えいたしました。

 

私の見立てとしては,

 

①今回の事故態様や受傷状況からすると,

 

6か月から1年程度の治療期間を裁判所が認定してもおかしくないこと

 

②被害者の方の労働内容に鑑みると,

 

休業補償も治療期間に対応したある程度の期間は認められてしかるべきであること

 

③事故状況や被害者の方のご年齢からすると,

 

後遺障害(14級9号)が認定されてもおかしくないこと

 

から,戦う態勢を整えることができれば,十分に勝機があると踏んでいました。

 

しかしながら,問題は,戦う態勢をどのように整えるのか?でした。

 

一括対応の終了により,

 

職場復帰もできない状況で生活の糧もなく,

 

治療費も自己負担となります。

 

果たして絶対絶命とも思われる状況をどのように乗り切っていったのでしょうか。

 

続きは次回といたします。

保険会社が早期に一括対応を終了してきた場合の対応方法とは? その1

こんにちは。

 

弁護士法人心東京駅法律事務所所属

 

弁護士の大薄(おおすき)です。

 

今回は,相手方保険会社から早期に一括対応が終了された事案をご紹介いたします。

 

一括対応とは,平たく言うと,相手方保険会社が治療費や休業損害の対応を行うことです。

 

事案の概要は,以下のとおりです。

 

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トラック(加害者)とバイク(被害者)の事故

 

トラックが交通規制を見誤り,センターラインオーバー

 

バイクは,トラックと衝突しそうになるも間一髪で衝突を回避

 

しかしながら,バイクは転倒し,被害者の方は肋骨を複数骨折するなどの傷害を負った

 

被害者の方は,肉体労働であったため,事故後,お仕事を完全休業していたが,

 

事故から3か月経過後に,相手方保険会社より,突然,一括対応終了の連絡

 

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休業補償および治療費に関して,どのように進めればよいかというご相談でした。

 

さっそく相手方保険会社と交渉したものの,交渉に応じる気配は一切ありませんでした。

 

自賠責保険への被害者請求も検討しましたが,すでに相手方保険会社の一括対応が自賠責保険の上限である120万円を超えていたため,被害者請求もできない状況でした。

 

非常に難しい状況でしたが,どのような方針で進めることとしたのでしょうか。

 

続きは次回といたします。

紛争処理センター

こんにちは。

 

弁護士法人心東京駅法律事務所

 

弁護士の大薄(おおすき)です。

 

先日,紛争処理センターにて,示談が成立いたしましたので,ご報告いたします。

 

紛争処理センターとは,被害者の方が,相手方の保険会社に対し,第三者である弁護士を介在させて,紛争の解決を求める手続きとなります。

 

争点が複雑でない場合には,裁判手続きと比較すると非常に迅速な解決が見込めます。

 

また,紛争処理センターの利用手数料は,無料となります。

 

今回解決したご案件は,被害者の方が亡くなられた死亡事故に関するものでした。

 

当初の相手方保険会社の提示金額は,約2000万円でしたが,

 

紛争処理センターを利用した結果,約2900万円での解決となりました。

 

今回の手続きは,非常にスムーズに進んだため,紛争処理センターに申立てを行ってから合意が成立するまでの期間は,約2か月というスピード解決にもなりました。

 

ある程度賠償金額が大きくなるご案件に関しては,相手方の保険会社も第三者機関を通した判断でなければ,決裁がおりない傾向にあると感じています。

 

当事者間で話し合いをしても芳しい結果が見込めない場合には,早期に紛争処理センターなどの第三者を介在させた手続きに移行することが迅速・適切な解決につながります。

 

各案件に関してどのような手続きを選択して進めるべきかについては,交通事故に関する豊富な経験が要求されます。

 

交通事故の示談交渉にお悩みの方は,弁護士の大薄まで,ご相談ください!

東京ビジネスクリニック

遅くなりましたが,あけましておめでとうございます。

 

本年度も,よろしくお願いいたします。

 

今年は,全国的に,インフルエンザが猛威を振るっております。

 

予防接種を受けていたため,インフルエンザには罹患しなかったのですが,

 

今月は,どうにも調子のすぐれない日が続きました。

 

交通事故も体調管理も初期対応が重要です。

 

東京駅法律事務所付近の「東京ビジネスクリニック」は,私のかかりつけです。

 

東京ビジネスクリニックのキャッチコピーは,

 

「働く人のためのコンビニクリニック」とのことです。

 

年末年始も休むことなく,毎日9時から21時まで営業しています。

 

また,東京ビジネスクリニックは,ウェブ予約によるファストパス制度も導入しています。

 

そのため,空いている時間帯であれば,事務所を出てから30分ほどで,医師による診察を受けて,かつ,薬剤師による薬を受け取って,事務所に戻ることができます。

 

体調の異変を感じたらすぐに対応してもらえるため,非常に重宝しております。

 

スポーツの世界では,「心・技・体」という考え方があります。

 

良きリーガルサービスを提供するためには,心身の健康が不可欠です。

 

今後も心身の健康を維持しながら,よりよいリーガルサービスの提供に努めてまいります。

2018年の振り返り

年の瀬となりました。

 

こんばんは。

 

弁護士の大薄(おおすき)です。

 

年の瀬ということで,本日は,昨年に引き続き,今年度の振り返りを書きたいと思います。

 

今年も数多くの方々からご相談・ご依頼をいただきました。

 

私は,抽象的な話が好きではないので,具体的に数値で表したいと思います。

 

今年度,私がご相談させていただいた件数は,320件でした。

 

(前年度と比較すると104件増加)

 

ご依頼いただいた件数は,219件でした。

 

(前年度と比較すると81件増加)

 

うち,私をご紹介いただいたことによるご依頼は,130件でした。

 

(前年度と比較すると83件増加)

 

以上が今年度の実績になります。

 

昨年度と比較して,ご相談件数,ご依頼件数,ご紹介件数ともに,大幅な増加となりました。

 

増加の要因は,種々考えられますが,以下,私が分析する代表的な要因を1つずつ付記したいと思います。

 

① ご相談件数の増加

 

「時間あたりの提供できる価値が増加したこと」

 

時間は有限です。

 

前年度と比較して,短い時間に,より高い価値を提供できるようになったことがご相談件数の増加につながったものと考えます。

 

② ご依頼件数の増加

 

「質・量ともに,スタッフの能力が向上したこと」

 

弁護士の仕事は,弁護士だけでは対応できません。

 

前年度と比較して,スタッフの人数が増加し,その能力も向上したことで,より多くの方からのご依頼への対応が可能になったものと考えます。

 

③ ご紹介件数の増加

 

「より多くの方にご満足いただける結果を提供できたこと」

 

ご満足・ご納得いただける結果を継続的に提供できるよう,私を含めたスタッフ一同が1つ1つのご案件に尽力できたことが,ご紹介件数の大幅増加へつながったものと考えます。

 

以上が今年度の振り返りとなります。

 

来年度もより良いリーガルサービスを提供できるよう,スタッフとともに精進して参りますので,今後ともよろしくお願いいたします。

迅速対応に向けて日々研鑽

スピードは重要な価値だと思っております。

 

弁護士法人心東京駅法律事務所所属

弁護士の大薄(おおすき)です。

 

先日,後遺障害14級9号の示談交渉がスピード解決いたしました。

 

ご依頼者の方は,相手方保険会社から提示された示談金額が適切か否かを判断して欲しいとのことで,相談に来られました。

 

過失割合は,「20:80」とされており,相手方保険会社の提示金額は,約160万円でした。

 

お聴き取りした事故状況からすると,過失割合を修正することは困難と考えられたため,慰謝料や逸失利益に交渉対象を絞って行う方針で進めることとなりました。

 

交渉の結果,当初の提示金額から約100万円増額の約260万円での示談となりました。

 

ご依頼者の方が私のもとにご相談に来られてから,増額した金額がご依頼者の方のもとに届くまで,約1か月というスピード解決のご案件となりました。

 

弁護士業務に限らず,すべての業務には,相手方がいることが通常です。

 

そのため,必ずしも思うように進まないこともあります。

 

しかしながら,可能な限り,迅速な解決となるように,こちらで出来る事は迅速かつ正確に対応できるよう,日々の研鑽に取り組んでいきたいと思います。

脊柱の変形障害

こんにちは。

 

先日,嬉しい示談が成立しました。

 

弁護士法人心東京駅法律事務所所属

弁護士の大薄(おおすき)です。

 

今回は,脊柱の変形障害に関する示談のご報告です。

 

脊柱とは,平たく言うと,背骨をいいます。

 

脊柱の後遺障害は,頚部および体幹の支持機能・保持機能に着目したものとなります。

 

脊柱の変形障害とは,脊柱が圧迫骨折等により,曲がってしまうことをいいます。

 

脊柱の変形障害は,変形の程度に応じて,6級,8級,11級の後遺障害が認定されます。

 

労働能力喪失率は,6級が67%,8級が45%,11級が20%となります。

 

ただし,これらはあくまでも目安に過ぎず,具体的事情により,増減します。

 

殊に,脊柱の変形障害に関しては,労働能力喪失率が争われることが多く,11級の脊柱変形障害においては,20%を下回る数値を認定する裁判例も少なくありません。

 

今回の依頼者の方は,脊柱の変形障害の11級が認定されていました。

 

ご依頼前に,相手方から提示されていた金額は,約720万円でした。

 

労働能力喪失率は,9%という提示内容でした。

 

その後,丹念に交渉した結果,16%を前提とする条件を引き出すことができました。

 

示談金額も約1400万円での解決となりました。

 

後遺障害の示談交渉の際には,裁判による損得の判断が極めて重要となります。

 

当該判断を誤ると,示談前の金額を下回ることも当然にありえます。

 

裁判をすることにより得をする可能性が高いか損をする可能性が高いかの判断は,交通事故の事件に対する豊富な経験が不可欠です。

 

特に,等級の高い後遺障害は,そもそも取り扱ったことのない弁護士も多いです。

 

脊柱変形の後遺障害に関するご相談は,弁護士の大薄までお任せください。

 

脊柱の変形障害についてはこちらもご覧ください。

自賠責で因果関係が否定された場合の対処方法とは? その4

こんばんは。

 

弁護士法人心東京駅法律事務所所属

 

弁護士の大薄(おおすき)です。

 

クリープ現象による追突事故の和解に関する最終回です。

 

前回までのお話で,裁判所から以下の内容の和解案が提示されたこと,

 

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被害者の方が事故で受傷した事実は認められる。

 

治療費は,相手方保険会社が対応した期間である6か月分は認める。

 

慰謝料は,通院期間3か月程度の範囲で認める。

 

調整金として,9か月分までの治療費に相当する金額を認める。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

また,当該内容の和解が良案であったことをお伝えしました。

 

最後に,今回の案件に関するより良い解決策についてお話したいと思います。

 

まず,話を整理します。依頼者の方が私のもとへ来たのは,以下の経緯でした。

 

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相手方保険会社は,約6か月間,治療費の支払いを行っていました。

 

その後,被害者の方は,約9か月まで治療を継続して,自賠責保険に被害者請求を行いました。

 

すると,自賠責保険は,因果関係否定の判断をしてきました。

 

その後,被害者の方は,相手方保険会社にすでに支払った治療費の返還を求められるなどの訴えを起こされました。

 

このように訴訟提起された後,被害者の方は,私のもとに来ました。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

仮に,被害者の方が自賠責保険へ被害者請求をする前に,私のもとに来ていれば,私は以下のようなアドバイスをしたと思います。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

今回の事故は,クリープ現象による事故であるため,事故態様としては,軽微なものととられる傾向にある。

 

自賠責保険への被害者請求は因果関係否定のリスクが高い。

 

反面,相手方保険会社による約6か月間の治療費の対応は,今回の事故態様を前提とすると,比較的長い。

 

そうであるとすれば,約6か月間の治療期間を前提に,示談交渉を行い,獲得した慰謝料を通院の治療費にあてるべきである。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

むちうちによる通院期間6か月の慰謝料は,89万円程度とされています。

 

示談交渉は,早期解決のため,双方に譲歩が要求されますので,約80%の解決としても,72万円程度です。

 

今回の和解が約60万円であったことからすると,このような解決の方が経済的にメリットがありました。

 

また,時間的にも,訴訟手続に掛かる時間を省略できるため,メリットがありました。

 

私は,交通事故のご案件を常時150件ほどご対応させていただいております。

 

そのときの状況に応じた最善の解決策に尽力することはできますが,時間を巻き戻すことはできません。

 

弁護士にもそれぞれ得意分野があります。

 

交通事故の問題は,交通事故を得意とする弁護士にお早めにご相談いただければと思います。

自賠責で因果関係が否定された場合の対処方法とは? その3

こんにちは。

 

弁護士法人心東京駅法律事務所所属

 

弁護士の大薄(おおすき)です。

 

前々回,前回に引き続き,クリープ現象による追突事故の和解についてです。

 

前回までのお話で,裁判所から

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

被害者の方が事故で受傷した事実は認められる。

 

治療費は,相手方保険会社が対応した期間である6か月分は認める。

 

慰謝料は,通院期間3か月程度の範囲で認める。

 

調整金として,9か月分までの治療費に相当する金額を認める。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

という内容の和解案が提示されたこと及び当該内容で和解が成立したことをお伝えしました。

 

今回は,裁判所から提示された当該内容の和解案が良い内容であると感じた理由について解説いたします。

 

まず,こちら側の立場から当該和解案を分析します。

 

今回の事故は,クリープ現象による追突事故です。

 

必要な治療期間が個別的に異なるとはいえ,事故態様が極めて軽微であることからすると,相当な治療期間は3か月程度であると認定されてもおかしくない状況です。

 

そのため,慰謝料を3か月とする判断は,ある程度やむを得ないものであり,かえって,治療費が6か月分認められたことは,こちら側にとって非常に有利な内容といえます。

 

次に,相手側の立場から当該和解案を分析します。

 

今回,相手方がこちら側に訴えを先行してきた理由は,自賠責により因果関係否定の判断がなされたことにあります。

 

通常,相手方保険会社は,先行して支払った治療費などを自賠責保険に後から請求することとなります。

 

このように,自賠責保険に最終的な経済的負担をさせることで,任意保険会社は,自社の経済的損失を回避しようとします。

 

今回は,自賠責保険が因果関係否定の判断をしたため,相手方保険会社は,すでに支払った治療費等を自賠責保険に請求できなくなりました。

 

そのため,こちら側にすでに支払った治療費等の返還を求めてきたのです。

 

もっとも,相手方の立場からすると,任意保険会社が自社の経済的損失を回避できれば,訴訟の目的を達成できることとなります。

 

そして,裁判所の判断は,和解によるものであっても,自賠責保険は,その判断を尊重する傾向にあります。

 

それゆえ,裁判所が因果関係肯定の判断をすれば,その判断に従って,任意保険会社は,被害者に支払った金員を自賠責保険に請求できることとなります。

 

自賠責保険の限度額は,傷害部分に限定すると,120万円となります。

 

今回の和解は,すでに支払った治療費や新たに認められた慰謝料等を合計すると概ね120万円の支払いを相手方保険会社に命じるものとなっています。

 

従って,相手方保険会社の立場からしても,最終的に全額を自賠責保険に請求できるため,自社の経済的損失を回避するという目的を達成できたこととなります。

 

以上のように,対立当事者間の利益を調整する和解案を提示するには,裁判官としても,交通事故事件に関する深い理解が要求されます。

 

東京地方裁判所民事第27部の裁判官は,交通事故のみを取り扱う専門部です。

 

専門部ならではの双方の利益に配慮した和解案であったと考えます。

 

次回は,今回の案件に関するより良い解決策についてお話したいと思います。

自賠責で因果関係が否定された場合の対処方法とは? その2

こんばんは。

 

弁護士法人心東京駅法律事務所所属

 

弁護士の大薄(おおすき)です。

 

前回からの続きで,自賠責で因果関係が否定された案件の解決策と実際の解決結果のご報告となります。

 

前回は,自賠責への被害者請求で因果関係が否定された結果,相手方から治療費の返還等を求められた経緯をお伝えいたしました。

 

それでは,まず,どのような解決策があるのでしょうか。

 

ひとつの方法としては,自賠責の判断結果に対して,不服を申し立てることが考えられます。

 

もっとも,一度判断された因果関係否定という結果を同じ組織のもとで覆すことは,相当に困難なものといえます。

 

また,相手方から訴訟を提起されている場合は,自賠責も訴訟での一挙的解決を望むため,調査をしないという判断がされることもあります。

 

もうひとつの方法としては,裁判所に対して,訴訟を提起するということが考えられます。

 

自賠責は,裁判所の判断を尊重するため,通常,裁判所において因果関係肯定の判断がなされた場合は,自賠責の判断が覆ることとなります。

 

今回の案件に関しては,相手方からすでに訴訟を提起されていることもあり,裁判による解決を選択しました。

 

それでは,訴訟では,どのような主張・反論が交わされたのでしょうか。

 

今回の大きな争点(相手方との対立点)は,①今回の事故により被害者の方が怪我をしたか否か,②怪我をしたとしても,因果関係ある治療期間はどの程度かという2点です。

 

まず,①の争点についてです。

 

相手方は,今回のようなクリープ現象による事故では,受傷の事実は生じ得ないとの主張をしてきました。

 

また,その主張を根拠付ける資料として,工学鑑定による意見書を提出してきました。

 

今回提出された工学鑑定による意見書の内容は,今回の事故状況から推察される事実を前提にすると,同意見書が引用する論文によれば医学的・理工学的に受傷の事実は生じないとするものです。

 

(意見書の分量は数百ページにも渡っていました。)

 

このような相手方の主張に対して,こちら側は,aそもそも推察される事実が正確性を欠くこと,b意見書に引用された論文が正確性を欠くとする論文があることを軸に反論を行いました。

 

次に,②の争点についてです。

 

これについても,相手方は,むちうちのように骨折・脱臼等の他覚的所見のない症状では,せいぜい3か月程度が相当な治療期間であると主張してきました。

 

また,その主張を根拠付ける資料として,むちうちの症状の大半が3か月以内に治療終了となっている統計データを提出してきました。

 

これに対しても,a統計データは一般論に過ぎないこと,b本件では6か月程度まで相手方保険会社も治療費の支払いに応じていたことなどを軸に反論を行いました。

 

以上のような主張・反論の結果,裁判所は以下のような和解案を提示しました。

 

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被害者の方が事故で受傷した事実は認められる。

 

治療費は,相手方保険会社が対応した期間である6か月分は認める。

 

慰謝料は,通院期間3か月程度の範囲で認める。

 

調整金として,9か月分までの治療費に相当する金額を認める。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

裁判所の提示した当該和解案にこちら側も相手側も応じることとなり,無事に和解による解決となりました。

 

具体的には,相手方からこちら側に約60万円が支払われるという内容でした。

 

一時は,何らの金員も支払われないおそれがあったばかりか,すでに支払われた金員の返還すら求められる状況にあったため,被害者の方も納得の解決となりました。

 

また,私は,今回裁判所から提示された和解案は,非常に双方にとって理解のある良い内容であると感じました。

 

次回は,私が今回の和解案が良い内容であると感じた理由について解説したいと思います。

自賠責で因果関係が否定された場合の対処方法とは? その1

こんにちは。

 

弁護士法人心東京駅法律事務所所属

弁護士の大薄(おおすき)です。

 

先日,東京地方裁判所民事第27部で和解が成立したので,ご報告いたします。

 

事案の概要は,以下のとおりです。

 

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停車中の追突事故。

 

被害者の方は,9か月程度通院。

 

相手方保険会社は,6か月間,治療費の支払いを対応。

 

その後,被害者の方は,3か月分の治療費等を自賠責保険へ請求するも,因果関係否定との判断がなされる。

 

当該判断を受けて,相手方保険会社は,すでに支払った治療費の返還などを求めて被害者を提訴。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

交通事故の被害にあったにもかかわらず,保険会社から逆に訴えられるという非常に特殊なご案件でした。

 

相談者の方も何が起きているのか理解できていないようでした。

 

まず,被害者の方が訴えられることとなった経緯をご説明します。

 

今回の事故は,停車中の追突事故でした。

 

過失割合としては,相手方が100%悪い事故となります。

 

ただし,今回の事故は,渋滞待ちで停車中の相手方車両が,ブレーキを緩めてしまった際に,被害者の方の車両に衝突してしまったというものでした。

 

いわゆる,クリープ現象による追突事故ということになります。

 

クリープ現象による追突事故は,衝突による衝撃が比較的小さいとされています。

 

そのため,①そもそも受傷するような事故態様ではない,②受傷したとしても必要な通院期間は1か月程度であるなどという主張が相手方からなされることも少なくありません。

 

今回の事案では,クリープ現象による事故であるにもかかわらず,相手方保険会社は,6か月間の治療費を支払っていました。

 

保険会社の担当者としては,6か月までであれば,自賠責の範囲内で治療費等を回収できるため問題ないと考えていたのだと思います。

 

もっとも,被害者の方の症状は,6か月経過後も続きました。

 

それゆえ,被害者の方は,被害者請求により,治療費の回収を試みました。

 

被害者請求とは,加害者の自賠責保険に対して,被害者の方が治療費や慰謝料等を直接請求する手続となります。

 

自賠責保険の上限額は,120万円です。そして,すでに保険会社が支払った治療費やその期間に対応する慰謝料は120万円から差し引かれます。

 

今回の被害者の方は,保険会社による6か月間の対応を考慮してもなお,自賠責保険の120万円の枠が余っていたため,治療費を回収すべく被害者請求を実施したとのことでした。

 

通常,このような状況で被害者請求を実施すると,保険会社が支払った6か月分の治療費やその期間に対応する自賠責基準の慰謝料を120万円から差し引いた残額が自賠責保険から支払われます。

 

ところが,今回の事案では,自賠責保険は,保険金を一切支払わないとの判断をしました。

 

理由は,今回の事故態様からすると,受傷の事実が生じるとは考えられないというものでした(因果関係否定)。

 

そのため,被害者の方は,3か月分の治療費及び自賠責基準による慰謝料を回収することができなくなってしまいました。

 

また,因果関係否定の判断は,被害者の方のみならず,相手方保険会社を当惑させる事態も招きました。

 

というのも,先ほど述べたように,相手方保険会社の担当者は,すでに支払った6か月分の治療費やそれに対応する慰謝料を,最終的に自賠責保険に請求するつもりであったと考えられます。

 

しかしながら,自賠責保険が因果関係否定の判断を下したため,保険会社としても,6か月分の治療費等を自賠責保険に回収できないこととなってしまいました。

 

それゆえ,このままの状態だと,すでに支払った6か月分の治療費は,保険会社の持ち出しとなります。

 

このような場合,多くの保険会社は,今まで支払った治療費の返還は求めない代わりに,慰謝料等を別途支払うことはしないとする内容での合意を被害者の方に求めることが少なくないです。

 

ところが,今回の保険会社は,①すでに支払った治療費の返還請求と②今回の事故に関して保険金を支払う義務がないことの確認を求める訴訟を被害者の方に提起してきました。

 

①を不当利得返還請求といいます。②を債務不存在確認請求といいます。

 

私が担当したのは,このように相手方から被害者の方が訴えられた後のこととなります。

 

それでは,このような案件に対しては,どのような解決方法があるのでしょうか。

 

また,実際にどのような解決となったのでしょうか。

 

長くなりましたので,続きは次回といたします。

 

交通事故の因果関係に関しては,こちらもご覧ください。

CRPS様(よう)の症状 その2

こんにちは。

 

弁護士法人心東京駅法律事務所所属

 

弁護士の大薄(おおすき)です。

 

前回に引き続き,CRPSに関する和解のお話になります。

 

前回は,CRPSによる後遺障害が認定されると,後遺障害等級としては,7級,9級,12級のいずれかが認定されるが,自賠責保険が依頼者の方に認定した後遺障害は,14級9号であったこと

 

自賠責保険が14級9号の認定にとどめたことは,我々にとって,予想外の出来事ではなかったこと

 

までお話いたしました。

 

それでは,なぜ我々にとって,自賠責保険が14級9号の認定にとどめたことは,予想外の出来事ではなかったのでしょうか。

 

というのも,自賠責保険の後遺障害認定手続におけるCRPSと臨床医学の診断におけるCRPSは,同じCRPSという名称であっても,その認定要件が異なるからです。

 

具体的には,自賠責保険の後遺障害認定手続では,「骨萎縮」がCRPS該当性の要件となるのに対し,臨床医学上は,「骨萎縮」が要件とされません。

 

自賠責保険の後遺障害認定手続は,相手方に対する損害賠償責任の有無およびその程度を判断する手段のひとつです。

 

そのため,臨床医学よりも厳しい認定要件が設定されています。

 

また,交通事故事件は数多く発生しているため,自賠責保険の後遺障害認定機関も,非常に多くの事件を取り扱っています。

 

それゆえ,迅速な判断という観点からも,形式的・客観的な要件として,「骨萎縮」が要求されています。

 

ただし,裁判所は,良くも悪くも自賠責保険の判断に拘束されません。

 

従って,臨床医学上,CRPSと認定されていることを理由として,自賠責保険が認定した後遺障害等級以上の等級を求めて争われることが少なくありません。

 

もっとも,裁判所は自賠責保険の判断に拘束されないというものの,裁判所も医学的素人であるため,自賠責保険の判断は,裁判実務上,極めて尊重される傾向にあります。

 

具体的には,自賠責保険で後遺障害等級が認定された場合には,裁判所もその認定された等級であることを前提に,認定された等級を超える等級を求める側(場合によっては,認定された等級未満の等級を求める側)に立証を強く求めていきます。

 

これを法律用語では,事実上の推定が働くといいます。

 

それでは,今回の事件を見ていきましょう。

 

今回の依頼者の方に認定された自賠責保険における後遺障害等級は,14級9号でした。

 

そのため,裁判上も,14級9号であることに対する事実上の推定が働きます。

 

後遺障害が認定されますと,後遺障害が残存することによる将来の労務に対する不利益を考慮した賠償を受けることができます。

 

これを逸失利益といいます。

 

逸失利益は,原則として,①ご自身の事故前年度の年収に②認定された後遺障害等級に応じた労働能力喪失率を乗じたものへ③症状固定時から67歳までの労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数(将来の収入を先取りすることの利益を控除した係数)を乗じて算定されます。

 

14級9号が認定された場合の労働能力喪失率は,5%ですが,労働能力喪失期間は,通常,5年間に制限されます。

 

今回の裁判の主な目的は,依頼者の方の症状に鑑みると,①労働能力喪失率は5%にとどまらない,②労働能力喪失期間も5年間にとどまらないという訴えを裁判所に認めてもらうことでした。

 

自賠責保険で認定された後遺障害等級は,14級9号であるため,労働能力喪失率が5%,労働能力喪失期間が5年間という事実上の推定が働きます。

 

それゆえ,こちら側に強く立証が求められます。

 

また,前回もお話したように,東京地方裁判所の裁判官は,全国の裁判所と比較しても,群を抜いて交通事故の事件を多く取り扱っています。

 

日本の交通事故事件に関する裁判をリードする立場にあることもあってか,保守的な判断がなされることも少なくありません。

 

しかしながら,今回の裁判官からは,労働能力喪失率は5%であるものの,労働能力喪失期間を15年間とする和解案が提示されました。

 

依頼者の方がCRPSであることを正面から認めた内容ではないものの,通常の14級9号にとどまらない症状であることを十分に考慮いただいた結果の和解案であるといえます。

 

CRPSではないものの,CRPSと同様の症状が発症していることを,CRPS「様」(よう)の症状と呼んだりします。

 

先日,当該和解案を基礎とした和解が無事にまとまりました。

 

総損害の額としては,通常の14級9号であれば,350万円程度であるところ,1000万円を超える損害が発生したと認められました。

 

和解ですので,こちら側の主張がすべて認められた訳ではありませんが,和解が成立したことを依頼者の方にお伝えした際の安堵の表情と感謝のお言葉ですべてが報われた気がしました。

 

今後も,困難な事件であっても,結果に強くこだわって,粘り強く解決に向けて尽力していきたいと思います。

 

CRPSの後遺障害については,こちらもご覧ください。

CRPS様(よう)の症状 その1

先日,嬉しい和解がまとまりましたので,ご報告いたします。

 

弁護士法人心東京駅法律事務所所属

 

弁護士の大薄(おおすき)です。

 

CRPSという傷病名をご存知でしょうか。

 

CRPSとは,複合性局所疼痛症候群(Complex regional pain syndrome)の略称をいいます。

 

CRPSの特徴の1つとして,受傷機転と比較したときに,残存する症状が重いという点があげられます。

 

例えば,当初の診断名が打撲・捻挫であるにもかかわらず,通常であれば痛みが引いてくるような時期に至ってもなお,強い痛みが残存ないし痛みが増悪しているような場合をいいます。

 

先日,CRPSに関する和解が東京地方裁判所民事第27部でまとまりました。

 

我々の業界では,東京地方裁判所民事第27部のことを通称,「27部(にじゅうななぶ)」と呼んでいます。

 

東京地方裁判所民事第27部における判断は,交通事故の弁護士業務において,非常に重要な位置付けとなっています。

 

それでは,東京地方裁判所民事第27部における和解であることがなぜ重要なのでしょうか。

 

交通事故は,民事事件の中でも非常に多い部類の事件にあたります。

 

そのため,裁判所によっては,交通事故を専門で取り扱う部署を設けているところもあります。

 

東京地方裁判所は,全国の裁判所の中で,最も多くの事件を取り扱っています。

 

東京以外の関東近郊の裁判所の事件数が3千件であるとすれば,東京地方裁判所の事件数は,3万件にのぼります。

 

当然,他の裁判所と比較すると,交通事故の事件数も群を抜いて多く取り扱っています。

 

東京地方裁判所の交通事故を専門的に取り扱う部署は,東京地方裁判所民事第27部になります。

 

東京地方裁判所民事第27部は,日本の交通事故事件に関する裁判を牽引している存在であると言えます。

 

それゆえ,東京地方裁判所民事第27部における判断は,他の地方裁判所における交通事故事件に関する判断と比較して,重みがあるものといえます。

 

さて,話を今回の事件に戻します。

 

今回の依頼者の方は,右腕に強い痛みを抱えていました。

 

事故発生から約5年が経過しようとする時点においてもなお,その痛みは継続している状態でした。

 

主治医の先生は,依頼者の方の症状をCRPSによるものであると診断していました。

 

我々も,CRPSであることを前提に,後遺障害申請を行いました。

 

CRPSによる後遺障害が認定されると,後遺障害等級としては,7級,9級,12級のいずれかが認定されます。

 

ところが,自賠責保険が依頼者の方に認定した後遺障害は,14級9号でした。

 

14級9号の認定にとどまったということは,むちうちなどの他覚的所見がない場合に認定される後遺障害と同様であることを意味します。

 

従って,自賠責保険は,依頼者の方に残存している症状が,CRPSによる後遺障害とは認められないと判断したことになります。

 

自賠責保険が依頼者の方の症状をCRPSと認定しなかったことは残念でしたが,14級9号の認定にとどめたことは,我々にとって,予想外の出来事ではありませんでした。

 

長くなりましたので,続きは次回といたします。

CRPSについて詳しくはこちら

移動時間をどのように過ごしていますか?

こんにちは。

 

弁護士法人心東京駅法律事務所所属

弁護士の大薄(おおすき)です。

 

弁護士は移動時間が多いです。

 

東京の弁護士であれば、主な移動手段は、電車だと思います。

 

私も、裁判へ行ったり、病院へ行ったり、とにかくよく電車を利用しています。

 

弁護士の取り扱っている情報は、要保護性の高い個人情報が多いです。

 

そのため、電車に乗っている間に、個別事件の記録を読んだりすることはできません。

 

電車内でできることは、一般的な業務に限られます。

 

しかしながら,事務所にいる間は、個別的な業務に忙殺されますので、電車内での時間は一般的な業務をこなすための貴重な時間です。

 

一般的な業務とは、裁判例を検索・検討したり、法律関連書籍を読んだり、ブログを作成したり、ホームページ原稿を執筆したりと多岐に渡ります。

 

私は、学生時代から電車の移動中に勉強することが好きでした。

 

(勉強しながら、電車内で寝入ってしまう瞬間はもっと好きでした笑)

 

電車の中でやれることは限られています。

 

しかしながら、やれることが限られている環境であるゆえに、限られたことに集中できる環境ともいえます。

 

限られた時間であっても、有効に活用することで,より多くの方々により良いリーガルサービスを提供できればと思います。

 

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最終準備書面

弁護士法人心東京駅法律事務所所属

 

弁護士の大薄(おおすき)です。

 

今月は、2件の事件で最終準備書面を提出してきました。

 

最終準備書面とは、裁判所に提出する最後の準備書面のことをいいます。

 

準備書面とは、こちら側の主張を裁判所へ伝える書面のことをいいます。

 

そのため,最終準備書面は、これまでの主張の総まとめの書面ということになります。

 

最終準備書面を提出するということは、通常、裁判が判決となるということを意味します。

 

判決とは、当該事件に対する裁判所の終局的な判断をいいます。

 

ひとくちに裁判といっても、判決に至る事件は極めてまれです。

 

裁判の過程では、互いに主張・立証をある程度尽くした後、裁判所から和解案が提出されます。

 

和解案とは、話し合いによる解決の余地を探る裁判所の提案です。

 

争いとなっているだけあり、裁判の原告・被告間は、相互に弱い部分があることは否定できません。

 

裁判所は、これまでの主張・立証を踏まえて、双方が折り合えるのではないかと考える案を提示してきます。

 

しかしながら、提示された和解案は、必ずしも、双方が折り合えるものとは限りません。

 

裁判所の提案する和解案を受け入れることができないとなれば、尋問、判決という過程をたどることになります。

 

尋問後に、再び和解案が提示されることもありますので、判決まで至るケースは極めて稀です。

 

最終準備書面は、裁判所へ提出する最後の書面です。

 

すなわち、依頼者の方の主張を当該裁判所へ伝える最後の機会となります。

 

弁護士の中には、尋問までで主張・立証は尽くされている以上、最終準備書面を提出することに特段の意義はないとして、最終準備書面を提出しない方もいます。

 

そのような考え方もあるかもしれませんが、私は、依頼者の方の気持ちが少しでも裁判所へ届くように、最終準備書面は必ず提出するようにしています。

 

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謹賀新年

本年度もよろしくお願いいたします。

 

弁護士法人心東京駅法律事務所所属

弁護士の大薄(おおすき)です。

 

先日,異議申し立てにより,後遺障害14級9号を獲得することができました。

 

ご相談の概要は,以下のとおりです。

 

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事前認定で申請したが,非該当だった。

 

症状は残っている。今も病院に通っている。

 

保険会社からは,症状固定にして後遺障害の問題で解決しましょうと言われた。

 

事故から6か月ほどのことだった。

 

症状固定になった後,病院に行ったら,今日から自己負担と言われた。

 

保険会社に確認したら,後遺障害の問題として解決するからと言われた。

 

それなのに後遺障害の結果は,非該当だった。

 

とにかく,保険会社の対応に納得していない。

 

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今回の問題点は,事前に保険会社が十分な説明を行わなかったところにあります。

 

症状固定とは,治療を継続しても大きな改善が見込めない状態をいいます。

 

症状固定後の治療費は,原則として,自己負担となります。

 

今回の保険会社は,後遺障害が認定されなかった場合の話をしていませんでした。

 

後遺障害が認定されると,傷害慰謝料に加えて,後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益が支払われます。

 

傷害慰謝料とは,事故により,通院を余儀なくされたことによる肉体的・精神的苦痛に対する賠償金をいいます。

 

これは,後遺障害が認定されなくとも,相手方に賠償請求できる金員となります。

 

後遺障害慰謝料とは,後遺障害が残存したことに対する肉体的・精神的苦痛に対する賠償金をいいます。

 

後遺障害逸失利益とは,後遺障害が残存したことで将来における労働能力の低下という不利益を被ったことに対する賠償金をいいます。

 

これらは,後遺障害等級認定がなされなければ,相手方に賠償請求できません。

 

後遺障害14級9号が認定された場合,①弁護士が交渉するときは,概ね,300万円前後の賠償金を相手方から獲得できることとなります。

 

②弁護士が交渉しないときは,概ね,130万円前後の賠償金を相手方から獲得できることとなります。

 

反面,後遺障害が認定されなかった場合,③弁護士が交渉するときは,概ね,80万円前後の賠償金を相手方から獲得できることとなります。

 

④弁護士が交渉しないときは,概ね,40万円前後の賠償金を相手方から獲得できることとなります。

 

今回のケースは,相談時,④にあたる状態でした。

 

ご相談者の方の症状からすると,40万円前後の賠償金は,今後の治療という観点からも到底納得できる金額ではありません。

 

そこで,非該当の結果に対する異議申し立てを行うという方針で進めることとしました。

 

私が作成した弁護士の意見書とその意見書の説得性を基礎付ける資料をもとに異議申立てを行った結果,無事に後遺障害14級9号を獲得することができました。

 

では,私は,どのような意見書を作成したのでしょうか。その意見書のポイントはどのようなところにあるのでしょうか。

 

また,私は,どのような資料を追加で提出したのでしょうか。なぜそのような資料を追加で提出したのでしょうか。

 

 

……

 

………

 

このあたりは,ノウハウに関連してくるため,秘密とさせていただきます。

 

結果として,異議申し立てにより,14級9号を獲得することができました。

 

また,最終的に獲得した賠償金額は,450万円程度となりました(既払い治療費を除く)。

 

先に述べたように,後遺障害14級9号が認定されますと,概ね,300万円前後の賠償金額を獲得することができます。

 

しかしながら,今回の方は,基礎収入が平均よりも高かったこと,休業損害の支払いを受けられるはずであったにもかかわらず,私が依頼を受ける前は,休業損害に関する話が一切なかったことから,相場よりも大幅に増額した賠償金額を獲得することができました。

 

さらに,弁護士費用特約にもご加入であったため,結果的に450万円程度の金額がそのままお手元に残ることとなりました。

 

ひとくちに交通事故の賠償交渉といっても,弁護士の能力によって,結果が大きく左右されることも少なくありません。

 

交通事故の被害事故にお悩みの方は,交通事故を得意とする弁護士へ相談されることを強くお勧めいたします。

年の瀬

年の瀬となりました。

 

こんばんは。

 

弁護士法人心東京駅法律事務所所属

弁護士の大薄(おおすき)です。

 

年の瀬ということで,本日は,今年度の振り返りを書きたいと思います。

 

今年は数多くの方々からご相談・ご依頼をいただきました。

 

私は,抽象的な話が好きではないので,具体的に数値で表したいと思います。

 

今年度,私がご相談させていただいた件数は,216件でした。

 

ご依頼いただいた件数は,138件でした。

 

うち,私をご紹介いただいたことによるご依頼は,47件でした。

 

以上が今年度の実績になります。

 

このような実績をもとに,今年度を振り返りますと,最近,私は,縁あって私にご相談・ご依頼いただいた方々は,ひとつのチームであると感じるようになりました。

 

例えば,ある方の事案の解決のために検討した内容が別の方の事案の解決のために役に立つということは少なくありません。

 

表現が適切かは分かりませんが,私はチームの司令塔であると思っています。

 

司令塔の私の能力の向上は,提供できるリーガルサービスの質に直結します。

 

チームの司令塔であるとの自負を忘れず,来年度もより良いリーガルサービスを提供できるよう,スタッフとともに精進して参りますので,今後ともよろしくお願いいたします。

死亡事故

こんにちは。

 

弁護士法人心東京駅法律事務所所属

弁護士の大薄(おおすき)です。

 

先日,運転免許の更新に行ってきました。

 

講習の際に用いられた統計資料によると,平成28年度に全国で起きた交通事故による死者数は,3904人であったとのことでした。

 

前年と比較すると213人の減少(5.2%減)であり,4000人を下回ったのは,1949年以来,67年ぶりとのことでした。

 

私は,現在,死亡事故のご案件を6件ほど担当させていただいています。

 

他の弁護士がどの程度の案件を担当しているかは定かではありませんが,おそらく,死亡事故のご案件を私ほど担当している弁護士は,日本中を探してもそうはいないと思います。

 

ひとくちに,死亡事故といってもその内容はさまざまです。

 

事故と死亡との因果関係が問題となる場合,被害者側の過失割合が高い場合,慰謝料の金額が問題となる場合,葬儀費用が問題となる場合,加害車両が自転車である場合,相続人間の紛争も含む場合など問題は複雑多岐にわたります。

 

死亡事故で適切な賠償を獲得するためには,裁判例の傾向のみならず,自賠責保険の知識(運用レベルまで),任意保険の知識など真に交通事故事件の解決に長けている必要があります。

 

死亡事故は,通常,長い弁護士人生においても,1回担当する機会があるか否かです。

 

最初に相談した弁護士が必ずしも,死亡事故の経験が豊富であるとは限りません。

 

死亡事故でお悩みの方は,是非とも1度,弁護士の大薄(おおすき)までご相談ください。

 

弁護士法人心東京駅法律事務所の交通事故サイトはこちら

打ち切り対応

こんにちは。

 

弁護士法人心東京駅法律事務所所属

弁護士の大薄(おおすき)です。

 

嬉しい出来事がありましたので,ご報告させていただきます。

 

先日,約5万円の示談案を約80万円に引き上げることができました。

 

相談の経緯は以下のとおりです。

 

依頼者の方は,痛みが残っているにもかかわらず,相手方の保険会社から事故後約3か月で対応の打ち切りを迫られており,保険会社の対応に納得できないとご不満でした。

 

相手方保険会社による治療費の打ち切り後の対応は,交通事故の案件をご対応させていただく中でも,困難な場面の1つです。

 

依頼者の方と慎重に検討を重ねた結果,①対応延長の交渉を行い,②①が奏功しなければ,被害者請求に切り替えて治療を継続するという方針で対応することとしました。

 

相手方保険会社の態度は強硬であったため,残念ながら,対応延長の交渉は,奏功しなかったので,自賠責保険の被害者請求に切り替えて治療を継続することとしました。

 

被害者請求に切り替えて治療を継続した結果,約6か月の通院の後,お身体の状態も回復したということで,示談交渉開始となりました。

 

相手方保険会社の初回提示金額は,冒頭に記載したように,約5万円でした。

 

相手方保険会社の理屈としては,①治療期間は約3か月が妥当である,②①の期間を超えた部分の支払いは本来支払われるべきでない支払いであるため,約3か月通院期間を基礎とした慰謝料額等から控除されるべきであるというものでした。

 

これに対するこちら側の理屈としては,①治療期間は約6か月が妥当である,②①の期間を基礎に慰謝料額等を算定すべきであるというものでした。

 

交渉は非常に難航しましたが,粘り強く交渉を重ねた結果,客観的にみても裁判を行うよりも良い結果で示談することができました。

 

依頼者の方も本当に粘り強く戦ってくださったと思います。

 

先にも述べましたが,相手方保険会社による治療費の打ち切りに対する方針決定は,交通事故案件を取り扱う中でももっとも難しい決断を迫られる場面のひとつです。

 

相手方保険会社から打ち切りの話が出てきた場合には,個々の状況に応じて,その方が今後取るべき方針は異なってきます。

 

交通事故のご案件を数多く取り扱っている弁護士であればあるほど,引き出しの数は多くなると思いますので,保険会社から打ち切りを迫られた際には,是非とも交通事故を数多く取り扱っている弁護士事務所へ一度ご相談いただければと思います。

 

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