東京で『交通事故』に強い弁護士

交通事故紛争処理センター

  • 文責:所長 弁護士 石井浩一
  • 最終更新日:2021年3月18日

1 交通事故紛争処理センターとは

交通事故紛争処理センターとは、自動車事故に伴う損害賠償に関する争いを解決するための機関で、裁判所以外での紛争解決機関(ADR)の一つです。

センターの嘱託の弁護士が、被害者と加害者の保険会社や共済組合との間に入って、中立・公正な立場で、法律相談、和解あっ旋、審査を行います。

2 交通事故紛争処理センターにおける解決の流れ

まず、被害者(または被害者の弁護士)が、交通事故紛争処理センターに相談・和解あっ旋の申込みをして、利用申込書など必要な資料を提出します。

センターの利用申込先は、申立人の住所地または事故地に対応した全国各地の本部、支部、相談室となります。

指定された相談・和解あっ旋日に、被害者は、事故態様、治療の状況、請求したい損害額等について、嘱託の弁護士に説明します。

加害者の保険会社は、被害者の請求に対して保険会社の回答を示します。

嘱託の弁護士は、被害者の請求と保険会社の回答を踏まえて、和解あっ旋案を提示します。

被害者または加害者が和解あっ旋案に同意せず、上部機関である審査会による審査を希望する場合は、審査手続きへ進んで審査会が裁定します。

被害者が審査会の裁定に同意する場合、示談が成立します。

被害者が審査会の裁定に同意しない場合、交通事故紛争処理センターでの手続きは終了し、訴訟等によって裁判所の判断に委ねることになります。

参考リンク:交通事故紛争処理センター・お申し込みから手続きの終了まで

3 交通事故紛争処理センターのメリットとデメリット

・無料で利用することができる。

・解決までの期間は、裁判よりも短い。

・中立・公正な第三者に、損害額を判断してもらうことができる。

・損害額の算定は、弁護士基準が用いられるため、通常、保険会社基準より高くなる。

・被害者は、交通事故紛争処理センターの和解あっ旋案や裁定を拒否することができる。

・保険会社は、裁定に従わなければならない。

4 交通事故紛争処理センターのデメリット

・遅延損害金が請求できない等、損害賠償額が裁判より少なくなる可能性がある。

・自転車と歩行者の事故、自転車と自転車の事故による損害賠償には対応していない。

・交通事故紛争処理センターに和解あっ旋を申し込んでも、時効中断の効力はない。

5 適切な紛争解決手段の選択

交通事故紛争処理センターによる手続きは、示談交渉や裁判手続きと比較したとき、メリットもデメリットもあります。

そこで、何が争われているのか、被害者の言い分を裏付ける証拠があるのか等、それぞれの事情に応じて、より適切な紛争解決手段を選択する必要があります。

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