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不倫相手の配偶者から慰謝料の請求をされているのですが、どのくらいが相場なのですか?

  • 文責:所長 弁護士 石井浩一
  • 最終更新日:2023年8月23日

1 不倫相手の配偶者から慰謝料を請求されたら

突然、不倫相手の配偶者から慰謝料を請求されたり、内容証明郵便が送りつけられたりすると、慌てて咄嗟に不適切な行動をとってしまいがちです。

しかし、そもそも不貞行為開始時に夫婦の婚姻関係が破綻していた場合、性的関係には至ってない場合、不倫相手が既婚者だとは知らなかった場合等、慰謝料の支払い義務を負わないケース、慰謝料の支払額が減額されるケースもあります

そこで、適正な慰謝料がどのくらいなのかを判断するため、不貞行為を原因とする慰謝料の算定基準について説明します。

2 慰謝料の計算方法は法律上決まっていない

具体的にどれくらいが慰謝料の相場なのか知りたい方もいらっしゃるかと思います。

しかし慰謝料については、具体的な金額や計算方法が、法律上、一律に定まっていません。

そこで、裁判実務では、事件ごとに個別・具体的な事情を総合考慮して、慰謝料を算定することになります。

3 性交渉があったか

不倫相手と性交渉をしていない場合、離婚原因となる「不貞行為」とはいえず、不法行為が成立しない可能性もあります。

しかし、性交渉には至っていなくても、不適切な交際と評価され、不法行為が成立することもあります。

この場合、性交渉がないことは、慰謝料の減額事由となります。

4 不貞行為開始時に夫婦の婚姻関係が破綻していたか

不貞行為の慰謝料に関しては、不貞行為の時点において、夫婦関係が破綻していたかどうかがとても重要です。

不貞行為時において、すでに夫婦の婚姻関係が破たんしていた場合、婚姻共同生活の平和の維持というその配偶者の権利または法的保護に値する利益がないため、配偶者の一方と性的関係をもっても、不法行為は成立せず、慰謝料の支払い義務を負いません

また、破綻していたとまではいえなくても、例えば、夫婦の他方も不倫していた、夫婦が別居していた等、夫婦仲が悪化していた場合には、慰謝料を減額する事由として考慮されます。

他方、夫婦関係が円満であった、不貞行為によって夫婦が離婚することになった等の事情は、慰謝料を増額する事由となります。

裁判実務では、不貞行為が原因で離婚する場合は100万円~300万円、離婚しない場合は数十万円から100万円という金額が一応の目安となります。

5 慰謝料を増減する事由

上記の他、裁判所が、慰謝料を算定するにあたって考慮する主な事情を、以下に記載します。

⑴ 不貞関係の経緯、内容等

ア あなたと不倫相手の責任の程度等

例えば、既婚者である職場の上司が部下であるあなたを執拗に誘ったことがきっかけで不貞行為が始まった場合等、不貞関係が始まる経緯、その後の双方の関係において不貞した配偶者が積極的・主導的であったとの事情が慰謝料の額に影響するかについて、影響しないとする考え方と、減額事由として考慮する考え方に分かれます。

そのため、交渉・裁判の場では、あなたにとってより有利な考え方に則って主張・立証する必要があります。

イ 不貞行為の期間

不貞行為の期間が2、3か月等短い場合は減額事由、不貞行為の期間が5年、10年等長い場合は増額事由とする裁判例が多くみられます。

ウ 不貞行為の回数

例えば、1か月に3、4回の性交渉が継続的に数か月にわたって20回程度行われた等、不貞行為の回数が多い場合は増額事由となり、1回限り、3回だけ等少ない場合は減額事由となります。

エ 妊娠・出産

不貞行為によって妊娠・出産した場合、他方配偶者の精神的苦痛が大きいことが通常なので、増額事由となります。

オ 不貞行為発覚後の事情

不貞行為が裁判になった後も続いている、不貞関係を解消すると約束したにもかかわらず、翻意して不貞関係を再開した等の事情は、増額事由となります。

⑵ 不貞行為が始まった時点での夫婦の関係

ア 婚姻期間

夫婦の婚姻期間が20年以上等長い場合は増額事由、婚姻期間が3年以下等短い場合は減額事由となります。

イ 子どもの有無

夫婦間に未成熟子がいる場合、他方配偶者の精神的苦痛が大きいことが通常なので、増額事由となります。

ウ 内縁関係の場合

内縁関係の場合、法律婚における貞操請求権と比べて権利性が低い等の理由から、減額事由とされる傾向にあります。

6 離婚問題を得意とする弁護士にご相談ください

以上のとおり、慰謝料を増減する事情は、多岐にわたります。

弁護士は、これまでの裁判例を踏まえて、ご相談者にとって有利な事情、不利な事情等をお聞きして、証拠の有無・内容等を精査し、より良い時期、方法等を検討した上で、相手方との交渉、裁判等の手続きを進めます。

不倫相手の配偶者から慰謝料の請求をされた場合、まずは、弁護士にご相談ください。

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