保釈金の額
1 保釈金について
保釈金とは、保釈が許可される場合に定められる金銭のことをいいます。
一般的には保釈金と呼ばれていますが、保釈保証金と呼ばれることもあります。
定められた保釈金が納付された後で、保釈が実行に移されることになります。
そのため、たとえ保釈を許す許可がなされている場合でも、保釈金が納付されなければ保釈が実行されず、身体拘束状態から解放されないことに注意が必要です。
2 保釈金の額はどのようにして決まるのか
刑事訴訟法第93条1項は「保釈を許す場合には、保証金額を定めなければならない。」とし、保釈を許可する場合には保釈金の金額を定める必要があることを規定しています。
では、保証金額はどのようにして決定されるのでしょうか。
⑴ 考慮要素
刑事訴訟法第93条2項は、「保証金額は、犯罪の性質及び情状、証拠の証明力並びに被告人の性格及び資産を考慮して、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額でなければならない。」として、保釈金の金額を定めるにあたっての考慮要素を示しています。
もし被告人が裁判所等へ出頭せず保釈金が没収されたときに、被告人にとって痛手となる程度の金額が定められていなければ、保証金を納付させることで出頭を確保しようとする目的が損なわれてしまうため、各要素を考慮して被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額を定めることは重要といえるでしょう。
⑵ 金額は個々によって異なる
保釈金額は、一般的には150万円~300万円ともいわれていますが、被告人の資力や状況によっても当然異なるため一概にいうことはできません。
高額な保証金の例としては、2004年のハンナン牛肉偽装事件で20億円という保釈金額が定められており、これは日本史上最高額となっています。
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