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自己破産で管財事件となるケース

  • 文責:弁護士 宮城昌弘
  • 最終更新日:2025年8月26日

1 原則は管財事件となるのが建前

破産法上、破産手続は管財事件となるのが原則であり、「破産財団をもって破産手続費用を支弁するのに不足する」ときに例外的に同時廃止となるというのが法律の立て付けとなります。

実際には同時廃止手続となるケースの方が多いとされますが、東京地方裁判所では法律の立て付け通り管財事件となるケースの方が多いです。

2 財産の基準

「破産財団をもって破産手続費用を支弁するのに不足する」とは、管財事件となった場合の費用を捻出することができないほど財産がない状態のことを指します。

具体的な基準は裁判所ごとに異なりますが、東京地方裁判所では20万円以上の財産を有しているかどうか(現金については33万円以上かどうか)で判断しています。

20万円以上かどうかは個別に判断することになるため、20万円未満の解約返戻金が出る保険と20万円未満の価値の自動車を持っているという場合、合計が20万円以上になったとしても同時廃止の基準を満たしているということになります。

自己破産する状況にある以上、財産は残っていないとおっしゃる方が多いですが、実は保険の解約返戻金が相当額あったということもありますので確認が必要です。

また、退職金も財産にあたります。

すぐに退職する予定がなければ、今辞めた場合の退職金の8分の1だけが財産として計上されることになるのですが、現時点で退職金見込額が160万円以上ある場合は8分の1の金額が20万円以上ということになるため、管財事件として扱われることになります。

3 免責不許可事由

破産法上、ギャンブルや浪費目的で借入れを行っていた場合は免責不許可事由に該当し、自己破産をしても免責されないことになります。

実際には、免責不許可事由がある場合でも裁量免責により免責を受けられることが多いですが、裁量免責を受けるためには管財人・裁判所の免責調査を経る必要があるため、管財事件となります。

これはその人が20万円以上の財産を有していない場合でも当てはまりますので、免責不許可事由があるのであれば、管財費用を捻出する目途を立てたうえで申立てを行わなければなりません。

4 その他

財産を有しておらず、免責不許可事由もないということで申立てを行っていても、調査が不十分と判断されると管財事件となることもあります。

例えば、浪費はないと申告していても通帳の取引履歴上多額の出金があり、その内容をきちんと説明できない場合や、生活費のために借入れを行った旨申告しているものの特に収入が途絶えたこともなく借入れの必要性が認められない場合など、不審点がある場合は調査が必要ということで管財事件となる可能性があるでしょう。

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