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交通事故紛争処理センターの特徴

  • 文責:所長 弁護士 石井浩一
  • 最終更新日:2023年1月24日

1 はじめに

交通事故を巡る紛争について、いきなり裁判から始まるのではなく、最初は話し合いから始め、話し合いでの合意が難しいときに、裁判所に訴えることが検討されることになります。

そして、昨今では、裁判以外にも、第三者(紛争の当事者である、被害者と加害者以外の者)により紛争を解決する手段が存在します。

交通事故紛争処理センターは、裁判以外の紛争解決手段の一つとなります。

2 交通事故紛争処理センターが創設された理由

交通事故における車両の保有者は、法律により加入が義務づけられている自動車賠償責任保険のほかに、任意の自動車保険に加入しているのが一般的です。

そして、ほとんどの場合、賠償金はこれら保険から支払われることになるため、賠償金についての交渉は、被害者と加害者本人ではなく、被害者と加害者が加入する任意保険の保険会社担当との間で行われることが一般的となります。

この交渉について、第三者の関与により妥当な解決を図るため設立されたのが、交通事故紛争処理センターとなります。

3 交通事故紛争処理センターの特徴

⑴ 手続の費用負担がないこと

裁判所での手続の場合、申立てに対し所定の印紙を購入し、書類と共に裁判所に提出する必要があります。

賠償請求額が大きくなる場合、その金額も大きくなります。

これに対し、交通事故紛争処理センターでの手続は無料になっています。

⑵ 裁判に比べ手続が柔軟であること

交通事故紛争処理センターでの手続は、裁判での手続に比べ、提出書類が簡略化されています。

また、裁判の場合、弁護士を通じて手続を行うのが通常ですが、交通事故紛争処理センターでの手続は、弁護士が関与しなくても進めることができるとされています。

⑶ 早期の解決が図れるように運用されていること

交通事故紛争処理センターでの手続は、最初は話し合いから行い、話し合いでの合意ができるよう努めますが、合意が難しい場合、審査という別の手続に移ります。

一定の判断を示すという点で、裁判に似ていますが、可能な限り1日で審理と判断を行うなど、裁判に比べ早期に解決が図れるような運用がされています。

⑷ 保険会社側は不服申立てが制限されていること

裁判の場合、裁判の結果である判決に対しては、双方が不服申立て(控訴)をすることができるため、相手方の対応次第では、紛争が継続することになります。

例えば、被害者側に有利な判決が出た場合でも、加害者側が控訴した場合には、裁判所での審理が継続することになります。

これに対し、交通事故紛争処理センターの場合は、審査での判断が示された場合、被害者側は、裁判など別の手段により不服申立てをすることができるのに対し、保険会社側(加害者側)は、センターの判断を尊重し、不服申立てはしないこととされています。

このため、被害者にとって有利な判断がされた場合、被害者はこれを受諾する一方で、相手方から不服申立てがされることがないため、紛争が早期に解決することができるようになっています。

4 終わりに

交通事故紛争処理センターの特徴のうち、保険会社側が不服申立てをできないという点は、被害者にとって有利に働く可能性があります。

このため、センターの利用について、積極的に検討してもよいと考えます。

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