最高裁判決の各種意見

最高裁判決って読んだことあるでしょうか。

最高裁の判断ともなるとニュースやSNSで話題になることも多いため、興味のあるものであれば読んだことがある、という方もいるかもしれないですね。

法律学の教授や弁護士の評釈は別ですが、判決文そのものは公開されるものですので、読もうと思えば裁判所のサイト等で読むことができる場合が多いです。

判決は日々出されているわけで、簡裁、地裁、高裁のすべての判決を追いかけることは当然不可能ですが、注目を浴びるような最高裁判決については、今後の法解釈、実務等に影響を及ぼす場合がありますので、比較的目を通す機会が多いです。

ところで最高裁判決には各判事が意見を表示できることをご存知でしょうか。むしろ「表示をしなければならない」と定められているようです(裁判所法11条)。これは最高裁のみの特殊な取り扱いです。

種類は3つあって、判決の結論に従ったうえでさらに補足説明を加える「補足意見」、判決と結論は同じだけれど理由付けは違う場合のその理由を示す「意見」、判決と異なる結論とその理由を述べる「反対意見」となります。

結論を出さなければならない裁判所の性質上、最終的には多数決で判決が出るわけですが、個々の最高裁判事が「私はこういう理由で判決には反対していました」との意見を残しておくことができるわけです。

学者等の評釈のなかには、最終結論である判決の方ではなく反対意見等を支持する説明を読む機会もあります。これらの意見は、議論が深まる入り口にもなっているように思います。

もし最高裁判決のニュース等を目にした際、「この結論おかしいんじゃないの?」と思った場合、実際にも裁判官同士でも意見が割れていることも多い印象です。切り抜かれた結論やまとめ解説では伝わり切らない面白い発見があるかもしれません。