司法試験の受験中には、憲法、刑事訴訟法等、各分野の専門書籍を多数読んで勉強していたわけですが、書籍内では様々な仮定事案を設定して説明がされており、理解を深められたように思います。

簡単な事例や極端な事例等、わかりやすい複数の事例の比較をすることで法解釈を進めていくにあたっての問題点が浮かび上がってくることがあります。

例えば、当事者Xが人を殺すつもりでターゲットAが寝ているはずのベッドに向けて銃弾を何発も打ち込んだが、実はターゲットAはたまたまその日そのベッドで寝ておらず、布団を被ったぬいぐるみBだけが破損した、というような事例です。

主観的にはAに対する殺人罪のつもりで行動していたが、客観的にはBという物品に対する器物損壊罪でした、という問題で、刑法の書籍だとわりとメジャーな論点だったりしますので、法学部の授業でも取り扱われていることも多いかなと思われます。

設定された事例だけを見れば、問題点はなるほどそういうものか、と思ってしまうんですが、弁護士になって実務に出た後だと無駄に、余計に考えすぎてしまうところもあります。

もともと殺すつもりだったということは証明できるのか、とか、「人だろうとぬいぐるみだろうと破壊するつもりでした」なんて供述調書をとられて器物損壊罪もしっかり罪に問われることもあるかな、とかあれこれ考えると収集がつかなくなってきます。

そのため、メインの問題だけが問題となるように整理された過程事案の設定は結構重要なんだな、と今更ながら思います。

想定外の事情が発生する場合として、雷に打たれて人が亡くなったり家が焼け落ちたりしたりというかたちで雷様が大活躍していましたが、一歩引いてみるとしょっちゅう雷落ちるなあと思います。。

ただ、たしかに予期せぬ自体、というものは起こることがあるわけで、あり得ないかもしれない事例まで想定しておく、ということが重要なのかもしれません。