尋問

「異議あり!」。

ドラマ等法廷でのワンシーンで見たことがある方もいるかもしれません。

人差し指を勢いよく突き出しているゲームのパッケージも目に浮かびます。

証人尋問は、裁判のイメージとしてかなり象徴的なものかもしれませんね。

ただ、実際のところ、特に民事裁判ではあまり見かけないことの方が多いかと思います。

紛争が生じたとしても、そこから話し合いでの解決ができずに訴訟(裁判)に発展する事案自体割合としてかなり少ないといえますが、さらに裁判手続が進む中で、比較的多くの案件が裁判上の和解等で終結するため、尋問手続きを行う事案の割合もかなり少ないといえます。

そのため、尋問を期待して民事の裁判傍聴に行く場合には期待を裏切られてしまうかもしれません。

また、実際に民事の証人尋問を傍聴する機会があったとしても、異議を出す場面は比較的限られていると思われます。

明らかに尋問のやり方に問題があるケースもあり、その場合には積極的に異議を出して正していく必要もあります。

他方で、裁判官に対してこちらに有利な印象が残るよう、不適切な尋問をあえて続けさせることもあります。

逆に、戦略的に積極的に異議を出して尋問をリズムを崩すようなこともないわけではありません。

数としては多くありませんが、実際に尋問が飛び交う場面に出くわすことがあったら、そのあたりの弁護士の駆け引きを傍聴することができるかもしれませんね。

なお、異議は、担当裁判官に対して意見をし、相手方に是正を求めるものですので、大声で相手を指さして「異議アリッ!!」とやるのはかえって裁判官からの印象が悪くなるかなと考えており、私個人としてはやることには躊躇を覚えます。