解決手続きあれこれ

交通事故についての解決手段は様々です。

実務上は、話し合いによる解決となっていることが割合としては多数になると思います。

話し合いによっての解決が難しい場合にはどのような手段があるでしょうか?

まずは裁判が浮かぶ方も多いと思います。

法廷で裁判所を間に向かい合って主張を展開する、いわゆる裁判のことですね。たいていの場合、双方ともに弁護士を依頼して行われているかと思いますが、本人訴訟といって、ご本人による裁判もあります。

同様に裁判所を利用した手続きとして「調停」というものもあります。

調停というのは、概要としては、裁判官を間に立って行われる話し合いの手続きです。「話し合いをして解決しなかったのに調停で解決できるのか」、という疑問もおありかと思いますが、必ずしも合意が成立しないわけではありません。

裁判所の方で和解内容の提案等を受けるため、ある程度双方の納得のいく解決が期待できるかなと思います。

もう少し柔軟な方法として、裁判外紛争解決手続きというものがあります。「ADR」等と呼称されることもありますが、この手続きは、主に弁護士等が双方の間に立って示談あっせん等を行う手続きです。

紛争処理センター、紛争解決センター等があります。

裁判手続きより相対的に早期解決が期待できます。

納得できなければ裁判に進むこともありますので、まずはADRで、ということもあります。

飲酒運転

飲酒運転はダメです、ということは皆さま言われなくともわかっていることかと思います。

悲惨な事故等が起きた経緯等から、刑事罰の厳罰化されたこと等についてご存知の方もいるかもしれません。

弁護士としては、刑事だけでなく民事でもかかわる可能性がありますが、民事の場面でも、飲酒の事実は過失割合等を決めるにあたり、当然不利な方向で影響を受けます。

さらに、慰謝料の増額といった不利益が生じることもあります。

そんな高額の支払いできないから自己破産するしかない、という状況になるかもしれませんが、「破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権」は、非免責債権といって、自己破産をしても支払義務がなくならないものとされています(破産法253条1項3号)。

意図的に飲酒運転をして暴走してやろう、ということはないかと思いますので、車両に関する損害等については支払義務が免除される可能性もないわけではありませんが、「人の生命又は身体を害する」ことにより生じた治療費、慰謝料等について、飲酒運転は「重大な過失」があると認定される可能性が高いため、支払義務がなくならない、という可能性が高いです。

時勢柄、大々的な忘年会等はないかもしれませんが、年の瀬はお酒を飲む機会が多くなる方もいるかと思います。

ただ、飲酒運転となると、「羽目を外す」といった言葉では済まされない事態となりますので、十分ご注意いただき、よいお年をお迎えください。

利益相反

四文字熟語になっていると難解な印象が出てきてしまう、というのは専門用語のよくないところなのかもしれません。

ただ、弁護士がご依頼をいただくにあたって、利益相反というのはとても重要な問題となってあらわれてきます。

利益、というのはご相談いただく方の利益であり、相反というのは文字通り「あいはんする」ということです。

どの範囲で相反になるのか、となるとやや踏み込んだ問題となってきますが、わかりやすいのは当事者双方から相談を受けてしまうようなケースです。

具体例として、離婚で揉めているご夫婦のうち、先に奥様から相談を受けてご依頼をいただくことになった後、相手方となる旦那様の方からも相談を受けてしまった、という場合が典型的かと思います。

弁護士というのは、ご依頼いただく方の利益のために行動をしなければならない立場にあるわけですので、まずはご相談いただいた奥様のために行動しなければ、という立場におかれます。

そこで旦那様からご相談を受けた弁護士は、旦那様からのご相談に対して、旦那様の利益のために行動できるでしょうか。

例えば、お子様がいて、双方親権を主張していたとします。

ここで旦那様に有利なアドバイスをすることは、ご依頼をいただく奥様にとっては不利になるということは明らかです。

まさに夫婦の利益が相反しているので、弁護士としては、旦那様からの相談をお受けできなくなってしまう、ということです。

また、ここで旦那様に対し、「奥様からご依頼をいただいていますお答えできません」ということもできません。

これは、対立当事者が弁護士に依頼をしている、という情報を与えること自体に問題が生じるからで、結果、旦那様からのご相談をお断りするうえ、お断りする理由の詳細もお伝えできない(お伝えすべきでない)ということになってしまいます。

上記の例では旦那様に対してずいぶん酷な対応となってしまうのですが、上記のような問題があるということで、ご理解いただけますと幸いです。

方針選択

借金問題と聞くと、自己破産手続きをイメージされる方もいるかと思います。

それも方針選択の1つではありますが、各社と交渉して分割弁済していく任意整理と呼ばれる方法や、自己破産と同じく裁判所を利用した手続きとして、個人再生というものもあります。

それぞれメリット・デメリットがありますので、ご相談の際にはよく弁護士とご相談されるとよいと思います。

必ずしも経済的に見てベスト、というだけでなく、ご相談者様のお気持ちの面を重視して方針を決める場合もあります。

例えば、自己破産と個人再生とでデメリットに大きな差がないように思われる場合、自己破産の場合には手続きが終わればたいていの債務の支払義務はなくなるわけですので、一定額の返済が残る個人再生より自己破産がよいのではないか、とご提案をすることがあります。

しかし、「自分で作った借金なので、いくらかでも返せるなら返していきたい」というご意向のもと、個人再生を選択される方もいらっしゃいます。

そういった場合には、お気持ちを優先して方針を決めることになります。

どう考えても客観的に見て返済を続けられるような状態ではない方の場合には、自己破産しか選択しようがないとご説明するしかないこともあります。

正解、というのは、必ずしも客観的に決まるものではないと思います。ご相談いただく状況により方針は様々ですので、まずはご相談ください。

相殺

「相殺」と書いて「そうさい」と読みます。

「相」という字は互いにという意味があり、そうなると「互いに殺す」というなかなかにおぞましい感じの言葉になってしまいます。

相殺についてインターネットで調べてみると、民法上の相殺のことを指す用語として説明されているようでしたが、ゲームやファンタジーの世界等でも出てくる用語だったりするので、なじみのある方も多いかもしれません。

お互いの効力を打ち消しあう、といった意味合いで使われていることが多いかなと思います。

弁護士実務では、わりと出番の多い言葉かもしれません。

例えば、過払金を100万円請求をする際、請求する相手の業者に対して別に30万円の債務が残っているとした場合、過払金返還請求権という債権と、貸金業者の有する30万円の貸金返還請求権という債権を相殺し、差引70万円を支払ってもらう、といった具合です。

これは民法上に規定されている相殺の場面ですね。

あとは、交通事故や労働災害等の損害賠償の場面で、過失相殺というものが問題となることもあります。

例えば、青信号を直進したA車と、青信号で右折しようとしたB車がぶつかって生じた交通事故で、2:8でそれぞれ落ち度(過失)があったとします。

A車の修理費が20万円、B車の修理費が10万円だったとすると、A車側は2割の過失があるので修理費の8割である16万円までしか請求が認められない、というのが過失相殺です。

同様に、B車側は8割の過失があるので2割の2万円を請求できます。

この際、実務上は、上で説明した債権同士の相殺により、差引14万円をB車側からA車側へ支払うことになる、という処理をすることが多いです。

裁判外の活動

弁護士といったら裁判所に行って判決が出るまで戦う、というイメージを持たれている方も少なくないのかと思います。

しかし、実際のところ、大多数はそれ以外での解決となっていることが多いといえます。

例えば、交通事故事件などでは、裁判になる事件より裁判前の交渉で解決する事件の方が多い傾向にありますし、さらに裁判になった後であっても、裁判上での和解で解決する方が、判決まで進む場合より多いです。

また、裁判外紛争解決手続(ADR)等と呼ばれている、裁判所ではない第三者機関を利用した話し合いなどもあります。

交通事故紛争処理センター等が一例です。

相続、離婚等の家事事件では、裁判ではなく、調停という手続きでの解決となることが多いです。

離婚事件においては、調停前置主義という、離婚裁判をする前に調停をしなければならないという原則が法律で定められています。

そして、比較的多くの場合には、離婚裁判(訴訟)に至る前に調停で

離婚等が成立していることが多いというわけです。

刑事事件については、裁判となることも少なくありませんが、そもそも「不起訴処分」といって、検察が裁判にしないで終わらせたり、略式起訴といって、罰金刑にする軽微な手続きで終わる場合もあります。

略式の場合は弁護士が立ち会うケースは通常ないため、通常の起訴をされる可能性がある事件につき、軽微な略式で終えることを目指した弁護活動等をすることがありますが、このケースも、裁判以外の弁護士の活動場面といえるかと思います。

会社の元代表者の破産

過去会社の代表者だった方から破産のご依頼をいただくことがあります。

その際、「会社はもう動いていないから放置して、自分だけ破産できないか」といったご相談をいただくこともあります。

実際そのような方法がとれるかといえば、「不可能とはいえないが原則としてはできない」という回答になろうかと思います。

というのも、代表者が破産しようとすると、破産手続開始決定のタイミングで代表取締役としての地位が一時的にせよ失われることになります。

そうなると、では誰が会社を運営していくのか、という問題が出ます。

動いていない会社であっても、それを清算等するのであれば、そのための人員は必要になり、通常はその会社の代表者になります。

また、動いていない法人を放置されてしまうと、法人の債権者も困ってしまいます。

こういった理由から、裁判所によっては、元代表者の自己破産申立ては原則法人と一緒でないと受け付けていないという運用のところもあります。結果として、過去の会社についての倒産と合わせてでないと、現在給与所得者等で会社経営を行っていないとしても、個人だけの自己破産ができない、ということになる場合があります。

なお、法人にかかわる破産手続は、全件破産管財事件となり、破産管財人弁護士が選任されることになりますので、20万円以上の予納金等も用意する必要があります。

弁護士費用特約

トラブルに巻き込まれた!相手方の対応に納得がいかない!でも弁護士に依頼するとお金がかかるし。。でも大丈夫!

…ということで、保険の宣伝みたいになってしまいましたが、要するにそういうときに使える保険の特約が、弁護士費用特約です。

もっとも普及しているのが交通事故に関する損害保険に付帯された特約といえるかなと思いますが、火災保険等についていることもあります。

また、少しずつですが、離婚事件や刑事事件等にも適用対象が広がってきているものでもあります。

実際のところ、メリットはそれなりに大きいと思っています。

慈善事業ではない以上、ご依頼いただくにあたっては弁護士報酬等をいただかなければなりません。

例えば、ご依頼いただくと損害額が増額する可能性があるけれど、弁護士費用まで考えるとメリットはそこまで大きくならないかもしれない、という事案のご相談をいただくことはそれなりに多いといえます。

そんなとき、弁護士費用特約があれば、増えた分はまるまるご依頼者様にプラスになるわけで、弁護士費用分、という負担を考えなくてよくなります。

もちろん、少額とはいえ保険料はかかりますが、まずはご自分の自動車保険の特約の有無を確認されてみてはいかがでしょうか?

裁判傍聴

裁判傍聴をしたことはあるでしょうか?

裁判期日は、公開の法廷で行うとされています。

憲法82条1項に「裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。」と明記されています。

裁判所での手続きが公平・適正に行われていることを国民にも確認できるように、というのがその趣旨だったりします。

とはいえ、例えば民事裁判における裁判期日の大半は、極めて短時間で終わってしまっているのが実情です。

というのも、双方の主張は書面で整理され、期日当日はその確認程度で終わってしまうためです。

もちろん、尋問手続等もありますが、多くの裁判では、尋問までに進む前に和解成立等によって終結しています。

テレビドラマ等でイメージするような尋問の場面は、刑事事件の方が多いかなと思いますので、もし膨張されるのであれば、まずは刑事事件からの方がよいかもしれません。

刑事事件では、たいていの場合被告人質問を行います。

さらに、事件の内容によっては、目撃者や被害者等の尋問が行われることもありますので、ドラマのイメージに近いものを傍聴できるかなと思います。

なお、たまにドラマ内でヒートアップした弁護士等の登場人物が証言台に立っている人の近くまで行って怒鳴りつけるような描写がありますが、威嚇的な尋問は認められていませんから、実務でそういった場面に遭遇する可能性は少ないと思います。

蝶々

法律用語として「相当因果関係」というものがあります。

ニュアンスが異なってはきますが、民事事件でも刑事事件でも出てくる用語で、基本的には、単に因果関係というよりも、「相当」といえる範囲に限定するもの、ということができます。

「ある行為が結果につながっているのは当たり前ではないか」と思うかもしれません。

ただ、なんでもかんでも因果関係があるとするのであれば、「風が吹けば桶屋が儲かる」ではありませんが、際限がなくなってしまいます。

そのため、これを妥当な範囲に絞ろうというのが、相当因果関係の考え方といえます。

今のところ弁護士実務、裁判実務などで基本的に取られている考え方といってよいかと思います。

では、「相当」とされる因果関係はどこまでか。

結局はここが評価、解釈の問題となり、紛争の場面においては争点となっていきます。

責任を問う側(賠償請求等する側)からすれば、その範囲は広い方が望ましく、責任を問われる側(罪等に問われる側)からすれば、その範囲は限定的である、と主張したいわけですね。

「風が吹けば桶屋が儲かる」と似たようなものとして、「バタフライエフェクト」というものがあります。

ブラジルにいる蝶々の羽ばたきが本当に竜巻を起こすのかはわかりませんが、もしテキサス州で起きた竜巻被害の責任を問われるとすれば、さすがに酷だろうな、と思うところです。

不動産担保切替

不動産担保切替という過払いの争点があります。

 過去には貸金業者が借主の不動産を担保にすることで追加の借入れをしていたことがあります。

通常は不動産を担保にしてまとまったお金を借入れる契約をしますが、借入額の一部を従前の契約の債務への返済に充て、実際には差引額の金銭を受け取る、という処理をしていることが多いようですが、これも事案ごとに異なります。

 平成24年の最高裁判決で、不動産を担保に入れた際に一括で借入れをし、その後一度も追加の借入れをすることなく取引を終えた、という事案については、不動産を担保にする前後の取引は別物と判断しています。

 不動産を担保にした後の取引経過がそれ以前と大きく異なり、返済だけしていた、という点も、考慮要素とされていると読める内容です。

 しかし、不動産を担保にする際も、他の借入れと変わらない、何度も借入れが可能でいわゆるリボ払いで返済していく契約となっていることがあり、現時点でこの場合についての最高裁判決は出ていません。

 最高裁以下の下級審レベルでは、結論が分かれている状況にあります。

 難しい争点といえるかと思いますので、過去不動産を担保に借入れをした方で過払金返還請求についてご検討の際には、一度弁護士に相談されることをお勧めします。

和解と過払

過払金請求をする中で、過去の合意が問題となることがあります。

合意にいたる典型的な流れとしては、借入れ返済を繰り返すなかで、途中で返済が滞ってしまったところ、貸金業者からの提案を受け、その時点で残っている債務につき、あらためて毎月いくらずつ返済します、という合意をするケースです。

ところが、この合意をした時点で計算し直すと、そもそも借金はもうなくなっており、むしろ過払金の返還を求められる状態だった、という場合があります。

その場合、過払金の請求にどういった支障が出るのか、という点が問題となってきます。

この争点は、大きく分けると、民法でいうところの「和解」にあたるのか、当たるとしてもその合意の範囲に過払金請求はなお可能なのか、和解が無効(取消)とならないか、という3つに分けられるといえます。

民法上、和解というのは、「当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめること」をいいます(民法上695条)。

要素としては、互いに譲ること、争いをやめることに分けられるかと思います。

ここからは事案によりけりですが、よくある事例では、その当時残っている債務を確認したうえで、その返済を合意します。

さて、この場合、債務者側は譲歩しているといえるでしょうか?

また、債務額について双方認めていた通りだったとするならば、やめるという前提の「争い」自体あったといえるでしょうか?

過払金請求と過去の合意に関する事件では、まずどういう合意だったのか、という法的評価から争われることが多く、貸金業者側にも弁護士がい選任されることが多い印象です。

過去の和解が争点となる過払請求については弁護士に相談することをお勧めします。

年末

年の瀬ですね。

ワクチンの普及はある程度進みましたが、結局コロナ収束とはなりませんでした。

こればかりはどうなっていくのかわかりません。

ウィズコロナ、難しい時代です。

資格試験

行政書士試験が行われます。

所内の方にも受験される方がいるようで。

頑張ってください!

自己破産手続きと感染症対策

自己破産の申立てをすると、免責審尋や債権者集会等、裁判所に出頭する必要のある場面があります。

とはいえ、コロナ禍の状況下でどうするべきか、という問題があります。

流動的ではありますが、現在は免責審尋や債権者集会への出頭を免除されることが少なくありません。

裁判所の方でも、蔓延防止のための種々の配慮をしていただいている状況となっています。

また、横浜地裁の方では、従前行っていた「早期面接制度」という手続きを一時的にストップしており、申立て後の接触を減らすことができるようにしています。

さらに、管財事件の場合に開催されることになる債権者集会について、非招集型という手続きも導入されています。

事案に応じての対応になるため全件で実施されるわけではないようですが、配当財産がなく、債権者の出席も予定されていないと見込まれるような事案において、債権者集会を開催せずに手続きを終結できるような仕組みを導入しています。

少しずつワクチンが普及してきているといったよいニュースがある一方で、変異株に関するニュースが出るなど、まだまだ予断を許さない状況が続いています。

対面でのご相談等にご不安を感じるようなことがあるようでしたら、お気軽におっしゃってください。

強制執行

皆様は「強制執行」という言葉を聞いてどのような印象を持たれるでしょうか。

個人的にはそれなりに物騒な印象を受けます。

実際には適法な法的手続なわけですが。。

「強制」といっても,民事執行法に基づく手続きです。

 

弁護士の仕事というと,法廷で裁判,というイメージが強いかもしれません。

そして,状況により最終的に判決まで進みますが,何となく「判決まで出れば紛争が終結する」とイメージされる方のほうが多いようにも思います。

しかし,実際には,裁判所から判決が出ても,相手方がこの判決に従わない場合もあります。その場合には,強制的に金銭等支払わせること,立ち退きをさせること等が必要となってきます。そのような場合に行われるのが強制執行です。

 

例えば,金銭賠償等の強制執行については,通常「差押え」をすることが多いと思います。

差押えの対象は,不動産であったり,給与口座であったり,給料の差押えといったものもあります。

 

交通事故等であれば,多くの案件は加害者が任意保険に加入しているため,あまり強制執行に至ることは多くありませんが,任意保険の加入をしておらず,かつ加害者側に支払いを拒否される場合もあります。そうなると被害者の方が泣き寝入りせず,被った損害の賠償を受けるため,差押えまで行って賠償を求める場合があります。

 

赤い本

今日は「赤い本」のお話です。

 

「赤い」という枕詞から「彗星」等々思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、赤い本というのは、日弁連交通事故相談センター東京支部で発行されている交通事故実務の書籍です。

交通事故に携わる弁護士で持っていない方はまずいないのではないでしょうか。

その名のとおり、毎年若干の色合いの変化はあるものの、基本的に真っ赤な表紙に覆われた本です。

上巻(基準編)と、下巻(講演録編)の2冊組となっていますが、いずれも真っ赤です。

大きさはB4サイズ、厚さは上下巻合わせて3センチくらいです。2冊合わせてハリーポッター1冊分と同じくらい、といえばイメージがつかめる方もいらっしゃるでしょうか。

 

特に、毎年東京地裁の交通部である27部の裁判官による講演をまとめた下巻の講演録編は、最近の裁判の動向や争いになる点に関する貴重な資料となっています。

各事件の個別事情によって当然幅はありますが、おおむね関東では慰謝料の算定などについても、この赤い本の算定基準が参考にされることが多いといえます。

 

裁判例等も多数掲載されており、判例検索等に利用することができるほか、後遺障害案件の場合に生じる逸失利益の算定等にも利用しています。

 

「赤い本」というだけで業界では話が通じると思うとかなりの知名度だと思います。

1つのブランディングといえるかもしれませんね。

過払い金が出ないケース⑵

先月に引き続いて過払金が出ない場合についてのお話です。

 

銀行,信用金庫等から借入れをしていた場合です。

過払金は,改正前の「出資法」という法律が,「利息制限法」で定められていた利率を超えた金利を定めており,貸金業者は利息制限法で定められた利率を超えた利息での貸付を行っていました。

しかし,銀行は「銀行法」という法律の下,従前から利息制限法を超えた利率での貸付を行っていませんでした。

そのため,利息の払い過ぎが生じないため,過払は出ないです。

ただ,銀行系のカード利用(「三井住友カード」,「UFJニコス」であったり,銀行っぽい名前の入ったカードです)の場合は別です。

似たような名前なのでわかりにくいですが,銀行とは別の会社です。難しいですよね。。

 

過払が出ない場合とはやや異なりますが,払い終わってから10年以上経過しているケースも過払請求が認められない場合が出てきます。

過払金請求の時効は最終取引日から10年です。

この「最終取引日」というのがいつになるのかについては争いがあり,一部例外はあるものの,最後に返済した日は1つの基準となってきます。

 

前回も書きましたが,法律問題については1つ1つの事件ごとに事実関係が異なることから,弁護士としての立場上何事も断言することは難しいのですが,ご参考になればと思います。

過払い金が出ないケース

クレジットカードの負債がなくなった後,過払い金がないかどうかのお問い合わせをいただくことがあります。

以前に過払い金発生の仕組み等を書いたことがありましたが,今回は「過払い金が出ない場合」を取り上げてみたいと思います。

何事にも例外があるため弁護士としての立場上断言はできませんが,以下ご参考までに。

 

まずショッピング利用についてです。

お店やインターネットで物品購入する際にカードを利用し,それをリボ払いで分割して支払う,ということがあるかと思います。また,ショッピングリボとキャッシングリボを併用していると,毎月何に対していくら払っているのかわかりにくくなってしまうかもしれません。

しかし,過払い金というのは,キャッシング,つまりお金そのものを借りた場合の,利息制限法の利率を超えた分の利息が払い過ぎになることから発生するものです。

「ショッピングでも分割にしたらお金がかかるじゃないか!」という疑問が出るかと思いますが,これは「分割手数料」であるために,過払金が発生しないものとなります。

 

次に住宅ローンです。

上記のとおり,利息制限法の上限を得る利息が過払となりますが,ご存じのとおり住宅ローンの利息は数%,最近だと1%以下だったりします。

金額も高くなりますし,最終的には高額の利息を支払っているから過払金の発生を期待してしまうところですが,基本的に過払金の発生はありません。

ただ,「不動産担保ローン」に切り替えたケースに関しては,過払金が発生する場合があります。

名刺

お仕事で名刺を利用されている方は比較的多いのではないかと思います。

 

弁護士同士,あるいは会社関係,ときにはご依頼者様より名刺をいただくことがありますが,やはりいろいろと個性が出るなと感じます。

 

当法人の弁護士は,二つ折りのほんのり薄い黄色みがかかった名刺を使っています。

当然ながらずいぶんな数のこの名刺をお渡ししてきましたので,自分からすれば見慣れた名刺なんですが,たまに「名刺2枚になってますよ」等と言われることがあります。

また,二つ折りになっていることに驚かれるようなこともあります。

それだけ珍しい名刺なんだろうなと思います。

何かお困りの際に思い出していただける名刺になっているとすれば,印象に残るという意味ではよいのかもしれません。

 

名刺というと,司法試験を受け,合格した後の司法修習生の時代に,自分で発注して名刺を作ったことを思い出します。

修習生バッジ(若葉マーク等と呼んだりもします。)のデザインを入れることだけにはこだわっていましたが,今思い返すとずいぶん安っぽい名刺だったなと思います。

お金をかけられる立場でもなかったのでやむを得ないのかもしれませんが。。。

 

皆さんはどのような名刺をお持ちでしょうか。