赤い本

今日は「赤い本」のお話です。

 

「赤い」という枕詞から「彗星」等々思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、赤い本というのは、日弁連交通事故相談センター東京支部で発行されている交通事故実務の書籍です。

交通事故に携わる弁護士で持っていない方はまずいないのではないでしょうか。

その名のとおり、毎年若干の色合いの変化はあるものの、基本的に真っ赤な表紙に覆われた本です。

上巻(基準編)と、下巻(講演録編)の2冊組となっていますが、いずれも真っ赤です。

大きさはB4サイズ、厚さは上下巻合わせて3センチくらいです。2冊合わせてハリーポッター1冊分と同じくらい、といえばイメージがつかめる方もいらっしゃるでしょうか。

 

特に、毎年東京地裁の交通部である27部の裁判官による講演をまとめた下巻の講演録編は、最近の裁判の動向や争いになる点に関する貴重な資料となっています。

各事件の個別事情によって当然幅はありますが、おおむね関東では慰謝料の算定などについても、この赤い本の算定基準が参考にされることが多いといえます。

 

裁判例等も多数掲載されており、判例検索等に利用することができるほか、後遺障害案件の場合に生じる逸失利益の算定等にも利用しています。

 

「赤い本」というだけで業界では話が通じると思うとかなりの知名度だと思います。

1つのブランディングといえるかもしれませんね。