耳(聴力)に関する後遺障害

最近ご相談の多い,耳に関する後遺障害について,書きたいと思います。

交通事故での耳の後遺障害には,欠損障害と聴力障害,平衡機能障害があります。

 

欠損障害の場合には,耳殻の大部分(半分)を欠損していると,

後遺障害12級が認定されます。

しかし,外貌醜状(顔や首などの傷跡や見た目の障害)として

後遺障害が認定される場合には,その等級との調整が行われます。

 

また,相談の多い症状としては,耳鳴りなどがあります。

耳鳴りについては,この症状だけで後遺障害が認定されるということはありません。

多くの場合,聴力障碍である難聴を伴うので,その程度と併せて,後遺障害等級の判断がなされます。

 

さらに,聴力障害についても,片耳の場合,両耳の場合などによって,

後遺障害等級は変わってきます。

また,聴力といっても,音を拾う能力である聴力レベルと,

音を判別する明瞭度と,それぞれの数値によって後遺障害等級も変わってきます。

そのため,聴力障害の後遺障害認定については,必要な検査をきちんと受けていることが,

最低限必要になってきます。

検査の受け方についても,一定の期間を空けて複数回検査を行う,

複数回検査を行い問題がなければそのうちのいくつかの平均値をとる,

などいくつかの決まりもあります。

 

耳が聞こえにくくなった,耳鳴りがする,などの症状が長引いている場合には,

後遺障害に該当するかもしれませんので,治療を終える前に,

交通事故・後遺障害に詳しい弁護士にご相談ください。