休業が連続していない給与所得者の休業損害の計算の仕方について

交通事故によって受傷し、給与所得者の方が休業する場合、重傷の場合には長期にわたる連続休業を取ることもありますが、軽傷あるいは中等傷の場合には通院等のために連続せずに休業することが多くなります。
後者のように、休業が連続していない給与所得者の休業損害の計算の仕方について、通常、保険会社は被害者に不利な計算方法で提示してきます。
具体的には、事故前3か月分の給与額合計を3か月の歴日数である90日で割って日額給与を計算する方法です。
この計算方法では、本来休日に稼働することが想定されておらず、実際稼働していないにもかかわらず、休日が含まれて算定されてしまうことになり、日額が低くなるため、被害者にとって不利になります。
他方で、裁判所は、給与所得者が連続しない休業をした場合の休業損害の計算の仕方について、事故前3か月分の給与額合計を3か月の実稼働日数で割って日額給与を計算する方法が妥当であるとしています。
この計算方法では、休日が算定の基礎に含まれないので、日額給与が不当に低く算定することがなく、被害者にとってより適切な損害の填補が期待できます。

この計算方法は、いまだ保険会社には浸透していないため、被害者の方が自分で交渉しても、通常は90日割です、といった回答をされるケースが多くありますし、弁護士に依頼しないうちに休業損害のみ先払いを受けるケースでも90日割となっていることが多いです。

弁護士に依頼した場合には、裁判所の考え方を理論的に説明し、かつ、裁判例等も踏まえて、裁判所の考え方に従って計算し請求することができますので、お気軽にご相談ください。