弁護士法人心では,各弁護士がそれぞれある分野に詳しくなることで
クオリティーの向上,お客様の満足度の向上を目指しており,
チーム制で事件を扱っています。
たとえば,私の場合は,交通事故をメインで扱い,その他の分野も第2分野として
扱っており,いわゆるなんでも屋さんのようにどの分野も扱っているわけではありません。
先日,相手方から急に訴状が届いたというお客様からの相談がありましたので,
交通事故の事件において,訴状が送られてきた場合の対応について,
書いてみたいと思います。
交通事故の被害者の場合,加害者が任意保険に加入していれば,
通常,その保険会社が示談を代行し,最終的な支払等も保険金で行われることになります。
ただ,事故後から物損や過失割合についてあまりにも交渉が進まない場合や,
怪我の治療が相当長くなってしまい治療期間や治療費に争いがある場合など,
示談前の段階から保険会社との話し合いが始まることがあります。
これが当事者間の話し合いでまとまらないとき,場合によっては相手方から訴訟や調停を
起こされる可能性があります。
訴訟が起こされると,裁判所から訴状が届き,初回期日が指定され答弁書の提出を求められます。
訴訟の場合,この答弁書を提出せずに初回期日を欠席すると,
その期日で相手方勝訴の判決となります。
すなわち,相手方の請求がすべて認められてしまうということです。
他方,調停の場合には,話し合いの手続きですから,調停不成立となる可能性などはありますが,
いきなり相手方の請求が認められるということはありません。
ただ,その後の方針にも関わりますし,話し合う意向があるのであれば欠席するという態度等が
マイナスに働く可能性はありえます。
このように,相手方から急に訴訟や調停を起こされた場合には,自分の反論も踏まえてその後の方針を考え
それに沿った対応をする必要があります。
書面の準備や期日までに反論や方針をある程度まとめる必要もありますので,
訴状が送られてきたらできるだけ早期に弁護士に相談することをお勧めします。