11月といえば2回試験です!
...あまりなじみがないかもしれませんね。
裁判官,検察官,弁護士になるための試験として,司法試験はご存知の方も多いと思いますが,2回試験は,司法試験後に行われている試験です。
というわけで,司法試験合格後,実務家になるまでのお話をしたいと思います。
現行制度の下では,司法試験に合格すれば即裁判官などになれる,というわけではありません。
その前に,「司法修習」という研修のようなものを約1年間受けることになります。
司法試験合格者は「司法修習生」となり,この約1年の間に,全国の裁判所や弁護士事務所などで実務を学ぶというわけです。
修習内容は,大きく分けると,民事裁判,刑事裁判,検察,民事弁護,刑事弁護に分けられます。修習生は,修習期間中にこれらを学んでいきます。
例えば,裁判修習中は,裁判官の執務室の中で,過去の記録や現在進行中の記録を読んだり,判決を作成してみたりして研鑽をつみます。裁判官の後ろで裁判を傍聴することもあります。合間には,裁判所事務官さんや書記官さんの仕事も学ばせてもらいます。
検察修習では,検察庁の中で,検察官の指導を受けながら実際の事件を担当したりします。
取り調べの場面に立ち会ったり,場合によっては死体解剖の現場に立ち会うこともあります。
弁護修習では,各所の弁護士事務所に配属させてもらい,そこで先輩弁護士について実務を学びます。書面を作成したり,被疑者との接見に立ち会ったり,弁護士会内での委員会活動に同席させていただいたりと,いろいろなことを学びます。
このような経験のほか,座学もあります。
集合修習といって,和光市にある司法研修所に集まり,裁判官や検察官,弁護士から講義を受けたり,問題を解いたりといった勉強をします。
これらの研修の総まとめが,11月中旬から下旬に行われる「考試」(通称「2回試験」)です。1科目5時間以上の試験を5科目(民事刑事の裁判,検察,民事刑事の弁護の5科目です)受験し,無事突破できれば晴れて実務家になれる,というわけです。
と,あらためて文字に起こしてみると,実務家になるまで,けっこう大変かもしれませんね。