蝶々

法律用語として「相当因果関係」というものがあります。

ニュアンスが異なってはきますが、民事事件でも刑事事件でも出てくる用語で、基本的には、単に因果関係というよりも、「相当」といえる範囲に限定するもの、ということができます。

「ある行為が結果につながっているのは当たり前ではないか」と思うかもしれません。

ただ、なんでもかんでも因果関係があるとするのであれば、「風が吹けば桶屋が儲かる」ではありませんが、際限がなくなってしまいます。

そのため、これを妥当な範囲に絞ろうというのが、相当因果関係の考え方といえます。

今のところ弁護士実務、裁判実務などで基本的に取られている考え方といってよいかと思います。

では、「相当」とされる因果関係はどこまでか。

結局はここが評価、解釈の問題となり、紛争の場面においては争点となっていきます。

責任を問う側(賠償請求等する側)からすれば、その範囲は広い方が望ましく、責任を問われる側(罪等に問われる側)からすれば、その範囲は限定的である、と主張したいわけですね。

「風が吹けば桶屋が儲かる」と似たようなものとして、「バタフライエフェクト」というものがあります。

ブラジルにいる蝶々の羽ばたきが本当に竜巻を起こすのかはわかりませんが、もしテキサス州で起きた竜巻被害の責任を問われるとすれば、さすがに酷だろうな、と思うところです。