妊婦さんが交通事故に遭った場合②

前回の続きで、妊婦さんが交通事故に遭ったケースについて、問題となりやすい点がいくつかあるので記載したいと思います。

・通院の間隔があきすぎてしまうことも、逆に、通院しすぎてしまうことも、問題です。

これは妊婦さんに限った話ではありませんが、特に妊婦さんの場合、体調がすぐれないためにこういったことが発生することが多いと思います。

時期によってはつわりなどで体調がすぐれないことや後期に入ると体も重く出かけるのも大変ということがあり、

通院の間隔があきすぎてしまうことがあるかもしれません。

しかし、通院の間隔があきすぎてしまうと、交通事故と治療との因果関係が証明できなくなってしまうため、

月1,2回の診察は最低でも受けていただきたいところです。

逆に、産休などで時間があるからと毎日のようにお散歩を兼ねて通院するというのも考えものです。

もちろん、痛みがあれば症状を改善するため通院をすべきですが、あまりに頻回な通院については、

治療の必要性などを争われる可能性もありますので、注意が必要です。

・症状について妊娠のせいでは?と言われてしまうこともあります

本当に悲しい話ですが、妊婦さんの中には妊娠によって体調がすぐれない方もいますし、

お腹が大きくなってくるとそれを支えようと腰痛が出る方もいます。

そのため、交通事故で首や腰をけがしているにもかかわらず、交通事故ではなく妊娠のせいではないか、

と言ってくる保険会社の担当者も中にはいます。

これについては、事実と異なる場合には毅然と事故前はなかった症状である旨を伝えていただき、

どうしても改善されない場合には、担当者の変更や保険会社全体の対応として指摘すべきケースもあると思われます。

また、事前の策として、診察時にもしっかりと事故前は何ともなかったが、交通事故で痛みが出たということを、

しっかりと医師に伝え、カルテや診断書に残してもらいましょう。

妊婦さんの場合、レントゲン撮影も難しいですし、MRI撮影についても勧められないことが多いため、

客観的な根拠を残すことが難しいですから、しっかりと医師とコミュニケーションをとり、証拠を残しておくことが重要です。