代車費用の相当性

東京はお花見シーズンが終わって,これから本格的に暖かくなってくる時期になりましたね。

この時期は気温の上がり下がりが激しいので,体調を崩さないように気を付けたいものです(私は今週崩してしまいましたが…)。

 

前回は,物損の損害賠償の中でも,解決困難な問題に発展しがちな代車費用に関する問題点の内,②代車利用期間の相当性について考えてみました。

今回は,③代車費用の相当性について考えてみたいと思います。

代車費用は,事故車両の代わりに利用する車両として相当であると認められる範囲内であれば賠償の対象となります。

この点について,代車の種類(いわゆるグレード)が問題となります。

通常は,事故車両と同程度以下のグレードの車両であれば相当性が肯定されることが多いと思います。

それでは,事故車両がキャデラックリムジン,メルセデス・ベンツ,ポルシェやフェラーリなどといった高級外車であった場合は,同程度のグレードの車両でも相当性が肯定されるでしょうか。

どこまでのグレードの代車が相当かどうかという点について,特に明確な基準があるわけではありませんが,一般的には,事故車両が上記で例示した高級外車の場合には,事故車両と同程度のグレードの高級外車を代車として利用しても必ずしも代車費用全額が賠償されるのではなく,国産高級車の代車費用の限度での賠償が認められるにとどまるといった傾向にあるようです。

自分に過失が全くない追突事故の被害者様の場合には,事故に遭わなければ自分の高級外車に乗り続けることができたにも関わらず,事故に遭ったことによってグレードの低い代車を利用せざるを得なくなってしまうことに憤りを感じられる方も多いと思います。

お気持ちは大変理解できるところなのですが,代車費用の相当性という判断枠組みがあるということも念頭において代車を選択されると,後々代車費用全額が賠償されないという状況を回避できると思います。

交通事故による代車費用についてはこちらもご覧ください。