相続人全員が相続放棄をするとどうなるか

2021年10月も終わりが近づいてきました。

もう年末が見えてきましたね。

東京も急に寒くなってきました。

前回は、個人再生と生命保険の関係について書きましたが、今回は、相続人全員が相続放棄をするとどうなるかについて書いてみたいと思います。

被相続人が亡くなった後、相続放棄をするかどうか検討している方もおられるのではないでしょうか。

相続放棄とは、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も一切放棄することを家庭裁判所に申述する手続です。

相続放棄が家庭裁判所に受理されると、相続放棄の申述をした相続人は、初めから相続人ではなかったことになります。

そうすると、法定されている次の順位の法定相続人が実際に相続人となることになります。

被相続人の配偶者は常に相続人になりますが、第1順位の子が全員相続放棄をした場合は、第2順位である被相続人の両親が相続人となります。

もし、被相続人の両親が既に亡くなっていた場合は、被相続人の祖父母が相続人となります。

そして、被相続人の両親や祖父母全員が相続放棄をした場合は、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。     それでは、これら全ての相続人が相続放棄をした場合は、どうなるのでしょうか。

相続放棄は最初から相続人でなかったことになります。

それでは、被相続人の子が相続放棄をした場合、被相続人の孫(相続放棄をした者の子)は相続人となるのでしょうか。

この場合は、被相続人の孫は、相続放棄をした被相続人の子に代わって相続人となるわけではありません。

あくまで、被相続人の子が相続放棄をした場合は、第2順位の法定相続人が相続人となります。

他方、代襲相続とは、被相続人の死亡時に、本来相続人となるはずであった者が既に死亡している場合に、本来相続人となるはずであった者の子が代襲相続人として被相続人の財産を相続するという制度です。

被相続人の子が既に死亡しており、その後被相続人が死亡した場合、被相続人の孫が代襲相続人となるということです。

相続放棄と代襲相続は似ているため、勘違いをしやすいので注意が必要です。

相続人全員が相続放棄をしたため相続人がいなくなった場合、被相続人の財産は法人とみなされます。

そして、利害関係人が家庭裁判所に相続財産管理人の選任の申立てをすることによって、相続財産管理人が選任されると、当該管理人が法人化された相続財産を管理、清算していくことになります。