養子縁組と相続税

あっという間に2023年9月も終わってしまいました。。

東京はだいぶ涼しくなってきましたね。

前回は、相続税の連帯納付義務について書きましたが、今回は、養子縁組と相続税の関係について書いてみようと思います。

相続税は、相続財産を取得した人が、その取得した財産の価額に応じて支払うべき税額を計算します。

ただし、相続税には基礎控除が定められているので、相続財産が基礎控除の額の範囲内であれば、相続税申告が不要です。

相続財産が基礎控除の額の範囲内の場合は、相続税を支払う必要はありません。

他方、基礎控除額を超える相続財産がある場合は、原則として相続税の申告と納税が必要になります。

相続税の基礎控除額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の人数」で計算します。

つまり、法定相続人が1人増えれば、600万円の基礎控除額が増えるということになります。

養子縁組というのは、血縁関係がない人とも親子関係を発生させる制度をいいます。

養子縁組をすることで、養子は実子と同じように養親の法定相続人となりますので、相続権を有することになります。

養子縁組を行って法定相続人を増やすことによって、相続税の基礎控除額が増えますので、この点が相続税対策としてメリットがあることになります。

また、養子縁組のメリットとして、相続が発生したときの生命保険金の非課税枠が増えるということが挙げられます。

生命保険金や死亡退職金にも非課税枠があり、その非課税枠は、「500万円×法定相続人の人数」で計算します。

養子縁組を行って法定相続人を増やすことによって、相続税の生命保険金や死亡退職金の非課税枠が増えますので、この点が相続税対策としてメリットがあることになります。

もっとも、養子縁組をすることで基礎控除額が増えたり、生命保険金や死亡退職金の非課税枠が増えるのですが、無限に人数を増やせるわけではありません。

相続税法上では法定相続人が増える人数には制限がかけられています。

被相続人に実子がいる場合は、養子が法定相続人としてカウントされるのは1名だけです。

また、被相続人に実子がいない場合には、2名の養子までが法定相続人として認められることになっています。

養子を無限に増やして相続税対策ができるわけではないことに注意が必要です。