相続税申告と相続時精算課税の関係

2023年11月も最終日ですね。

今年もあと残すところ1か月です。

東京も急に寒くなってきて、乾燥してきましたね。

内臓を冷やさないように気をつけたいところです。

前回は、相続税の更正の請求について書きましたが、今回は、相続税申告と相続時精算課税の関係について書いてみようと思います。

相続税は、相続財産を取得した方が、その取得した財産の価額に応じて支払うべき税額を算出し、相続が発生したことを知った時から10か月以内に行う必要があります。

相続税申告におけるルールの中に生前贈与に関するものがいくつかあるのですが、そのうちの一つに、相続時精算課税に関するものがあります。

相続時精算課税制度とは、贈与税に関する制度の一つで、60歳以上の父母または祖父母から、20歳以上の子・孫への贈与について、総額2500万円までの贈与にかかる税金を相続時まで先送りにすることができる制度です。

相続時精算課税を使う際、贈与する財産の種類に制限はなく、現金でも不動産でもよいとされていますし、贈与の回数に制限はありません。

相続時精算課税制度を利用すると、生前贈与をしても2500万円までは贈与税は発生しないことから、親の生前対策として利用している方が少なくないという印象です。

ただ、相続税申告のご依頼をいただく中で、自分が親から土地や現金の贈与を受けたという記憶や認識はあるのですが、相続時精算課税制度を利用したかどうかはわからないという方が散見されます。

贈与者である親が子に代わって贈与税の申告と相続時精算課税の届出をして、そのことを受贈者である子に説明していないケースがその典型かと思います。

その後、親の相続が発生して、相続税申告をした後、税務署の指摘を受けて初めて、自分が受贈者として相続時精算課税を利用していたことを知るということになるわけです。

相続時精算課税利用分が申告漏れになるため、過少申告加算税や延滞税が生じる可能性があるため、注意した方がよいポイントと言えるでしょう。