二次相続の対策について

2024年が始まり、もう12分の1が終わってしまいました。

東京はかなり寒くなってきましたね。

お湯を飲んで、胃腸を冷やさないように気をつけたいところです。

前回は、所在等不明共有者持分取得手続について書きましたが、今回は、二次相続の対策について書いてみようと思います。

相続税は、相続財産を取得した方が、その取得した財産の価額に応じて支払うべき税額を算出することになります。

相続税申告が必要かどうかの判断をする際、非常に重要なものに「相続税の基礎控除」という制度があります。

被相続人の相続財産の合計額がこの基礎控除額以下であれば、そこまでは相続税が課税されず申告の必要もありません。

基礎控除の金額は、「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」で計算されます。

ここまでは、みなさんご存知の方も多いのではないでしょうか。

一般的に、ご両親が連続で亡くなった場合で、子の立場から見て、最初に亡くなった親の相続について一次相続といい、次に亡くなった親の相続については二次相続といいます。

例えば、父、母、子2名の家族で、父が最初に亡くなった場合を一次相続といい、その後、母が亡くなった場合を二次相続といいます。

相続財産が多くなればなるほど適用される相続税率が高くなり支払うべき相続税が高くなりますので、一次相続と二次相続の両方に相続税申告が必要そうな場合、原則として、二次相続まで考慮して相続税対策を検討した方がよいでしょう。

一次相続では、相続人である配偶者である母が、配偶者の税額軽減の特例を利用することができます。

この配偶者の税額軽減の特例とは、配偶者の取得する相続財産が1億6000万円以下または法定相続分以下であれば相続税が0円になるというものです。

そのため、一次相続では配偶者が多めに相続財産を取得して相続税額を低くするという考え方もあるかと思います。

この場合は、配偶者が相続税額0円となるのに対し、子は取得した相続財産の額に応じて相続税を支払うことになります。

そうすると、一次相続では相続財産が少なくなるのですが、この後すぐに配偶者が亡くなってしまった場合などは、二次相続で子に多額の相続税がかかる可能性があります。

この点をどう考えるかが重要です。

次回も二次相続について考えてみたいと思います。

所在等不明共有者持分取得手続について

今年もあと残すところ3日です。

東京は気温が安定しませんね。

乾燥がひどく、喉をやられている人が多いようですので気をつけて年末年始を過ごしたいところです。

今年は相続の紛争案件だけでなく、たくさんの相続税申告のご依頼をいただきました。

ありがとうございました。

前回は、相続税申告と相続時精算課税の関係について書きましたが、今回は、所在等不明共有者持分取得手続について書いてみようと思います。

この手続は、令和3年の民法改正でできたもので、共有状態にある土地や建物といった不動産について、共有者が、他の共有者が誰か分からない場合や、どこに住んでいるか所在が分からない場合に、裁判所に対し、この他の共有者(「所在等不明共有者」といいます。)の持分を申立人に取得させる旨の裁判を求める手続です。

所在等不明共有者がいる場合、不動産の管理や変更の意思決定ができなくなってしまいます。

そうすると、所在等不明共有者以外の共有者はこの共有不動産を塩漬けにすることになりかねず、非常に困った事態になってしまいます。

そこで、裁判所の決定によって、共有不動産の管理や変更の意思決定ができるようにする手続が作られました。

また、このような場合に、強制的に所在等不明共有者の共有持分を他の共有者が買い取ることができる手続もできました。

ただし、相続によって、所在等不明共有者の持分が共同相続人の間で遺産分割の対象となる相続財産に属する場合(これを「遺産共有」といいます。)、相続開始から10年経過していることが必要ですので、注意が必要です。

この手続において、裁判所は、所在等不明共有者の持分の時価相当額を考慮して供託金の額を定めて、申立人がこの金額を供託する必要があります。

申立人側に負担もあるのですが、上手に利用すれば、不動産が塩漬けになることを避ける有用な手段となると思います。

まだ新しい制度ですが、徐々に裁判所の運用も固まってくるかと思います。

相続税申告と相続時精算課税の関係

2023年11月も最終日ですね。

今年もあと残すところ1か月です。

東京も急に寒くなってきて、乾燥してきましたね。

内臓を冷やさないように気をつけたいところです。

前回は、相続税の更正の請求について書きましたが、今回は、相続税申告と相続時精算課税の関係について書いてみようと思います。

相続税は、相続財産を取得した方が、その取得した財産の価額に応じて支払うべき税額を算出し、相続が発生したことを知った時から10か月以内に行う必要があります。

相続税申告におけるルールの中に生前贈与に関するものがいくつかあるのですが、そのうちの一つに、相続時精算課税に関するものがあります。

相続時精算課税制度とは、贈与税に関する制度の一つで、60歳以上の父母または祖父母から、20歳以上の子・孫への贈与について、総額2500万円までの贈与にかかる税金を相続時まで先送りにすることができる制度です。

相続時精算課税を使う際、贈与する財産の種類に制限はなく、現金でも不動産でもよいとされていますし、贈与の回数に制限はありません。

相続時精算課税制度を利用すると、生前贈与をしても2500万円までは贈与税は発生しないことから、親の生前対策として利用している方が少なくないという印象です。

ただ、相続税申告のご依頼をいただく中で、自分が親から土地や現金の贈与を受けたという記憶や認識はあるのですが、相続時精算課税制度を利用したかどうかはわからないという方が散見されます。

贈与者である親が子に代わって贈与税の申告と相続時精算課税の届出をして、そのことを受贈者である子に説明していないケースがその典型かと思います。

その後、親の相続が発生して、相続税申告をした後、税務署の指摘を受けて初めて、自分が受贈者として相続時精算課税を利用していたことを知るということになるわけです。

相続時精算課税利用分が申告漏れになるため、過少申告加算税や延滞税が生じる可能性があるため、注意した方がよいポイントと言えるでしょう。

相続税の更正の請求について

2023年10月も終わってしまいました。。

今年もあと残すところ2か月となってしまいました。

時間が経つのは本当に早いですね。

東京はそろそろ衣替えの時期になりました。

前回は、養子縁組と相続税の関係について書きましたが、今回は、相続税の更正の請求について書いてみようと思います。

相続税は、相続財産を取得した方が、その取得した財産の価額に応じて支払うべき税額を算出し、相続が発生し、そのことを知った時から10か月以内に行う必要があります。

ところが、相続税の当初申告後に、申告内容の誤りや申告後の状況の変化などにより相続税を払い過ぎてしまうこともあるかと思います。

例えば、相続税の当初申告後に相続財産評価が間違っていたことが発覚したり、遺留分侵害額請求を受けて申告期限後に遺留分侵害相当額を支払った場合などが考えられます。

このような場合に対処するための手続として、「更正の請求」というものがあります。

この更正の請求手続を取ることで、払い過ぎた相続税を還付してもらうことができます。

ただし、更正の請求には期限があるので注意が必要です。

原則として、更正の請求ができる期限は、相続税の申告期限から原則5年です。

例外として、未分割申告後に遺産分割協議が成立し小規模宅地の特例や配偶者控除の特例を適用した場合、相続人の廃除などにより相続人の人数が変わった場合、遺留分侵害額請求を受け遺留分侵害相当額を支払った場合、当初申告後に遺言書が発見され自己の取得する相続財産が減った場合などの後発的な理由による場合は、5年を過ぎていても更正の請求をすることができます。

この場合は、上記のような特別な事情が発生した日の翌日から4か月以内に更正の請求をしなければならないので注意が必要です。

養子縁組と相続税

あっという間に2023年9月も終わってしまいました。。

東京はだいぶ涼しくなってきましたね。

前回は、相続税の連帯納付義務について書きましたが、今回は、養子縁組と相続税の関係について書いてみようと思います。

相続税は、相続財産を取得した人が、その取得した財産の価額に応じて支払うべき税額を計算します。

ただし、相続税には基礎控除が定められているので、相続財産が基礎控除の額の範囲内であれば、相続税申告が不要です。

相続財産が基礎控除の額の範囲内の場合は、相続税を支払う必要はありません。

他方、基礎控除額を超える相続財産がある場合は、原則として相続税の申告と納税が必要になります。

相続税の基礎控除額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の人数」で計算します。

つまり、法定相続人が1人増えれば、600万円の基礎控除額が増えるということになります。

養子縁組というのは、血縁関係がない人とも親子関係を発生させる制度をいいます。

養子縁組をすることで、養子は実子と同じように養親の法定相続人となりますので、相続権を有することになります。

養子縁組を行って法定相続人を増やすことによって、相続税の基礎控除額が増えますので、この点が相続税対策としてメリットがあることになります。

また、養子縁組のメリットとして、相続が発生したときの生命保険金の非課税枠が増えるということが挙げられます。

生命保険金や死亡退職金にも非課税枠があり、その非課税枠は、「500万円×法定相続人の人数」で計算します。

養子縁組を行って法定相続人を増やすことによって、相続税の生命保険金や死亡退職金の非課税枠が増えますので、この点が相続税対策としてメリットがあることになります。

もっとも、養子縁組をすることで基礎控除額が増えたり、生命保険金や死亡退職金の非課税枠が増えるのですが、無限に人数を増やせるわけではありません。

相続税法上では法定相続人が増える人数には制限がかけられています。

被相続人に実子がいる場合は、養子が法定相続人としてカウントされるのは1名だけです。

また、被相続人に実子がいない場合には、2名の養子までが法定相続人として認められることになっています。

養子を無限に増やして相続税対策ができるわけではないことに注意が必要です。

相続税の連帯納付義務について

あっという間に2023年8月も終わりですね。。

東京もまだまだ暑いですね。

そろそろ夏の疲れが出てくるので、注意して生活したいところです。

 

前回は、相続税申告における書面添付制度(税理士法第33条の2)について書きましたが、今回は、相続税の連帯納付義務について書いてみようと思います。

相続税は、相続財産を取得した人が、その取得した財産の価額に応じて支払うべき税額を計算します。

相続税の申告期限は、通常は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。

この申告期限内に、相続財産を取得した人が、自分が取得した財産の価額に応じて、それぞれ相続税を納付することになります。

それでは、相続人等の中に相続税を納付しない人がいた場合、どうなるでしょうか。

みなさまの中には、自分が相続で取得した分の相続税を支払えば何の問題もないのでは?、とお考えの方も多いのではないでしょうか。

相続税には、連帯納付義務といって、各相続人がお互いに連帯して納付しなければならないというルールがあります。

そのため、自分が取得した財産に課税される相続税ではないにもかかわらず、これを利子税とともに納付しなければならなくなる可能性があります。

このような義務があることにとても驚かれる方も多いのではないでしょうか。

それでは、相続税の連帯納付義務がある人はどのような人でしょうか。

まず、被相続人から相続または遺贈により、みなし相続財産を含めた財産を取得した人が、連帯納付義務を負うことになります。

また、被相続人から生前贈与を受け、相続時精算課税制度を利用していた人も、連帯納付義務の対象に含まれるので注意が必要です。

他方で、家庭裁判所で相続放棄をした場合は、連帯納付義務を免れることになります。

ただし、相続放棄をしても、被相続人の死亡保険金や死亡退職金は指定受取人の固有の財産として受け取ることは可能ですので、受け取った死亡保険金や死亡退職金は、連帯納付義務の対象となります。

相続人の中に相続税を支払わなさそうな人がいる場合は、対策を考えておいた方がよさそうです。

書面添付制度について

早いもので2023年7月も終わりですね。。

東京も梅雨が明けて、本当に暑くなってきましたね。

熱中症に気をつけて生活したいところです。

 

前回は、マンション節税について書きましたが、今回は、相続税申告における書面添付制度(税理士法第33条の2)について書いてみようと思います。

あまり聞き慣れない言葉かと思いますが、この制度は、税理士にのみ認められているもので、相続税申告書の作成に関して計算、整理、相談に応じた事項を記載した書面を申告書に添付することができるものです。

税理士が付ける相続税申告の保証書のようなもの、と言われることもあります。

この制度の趣旨は、国税庁のホームページにもあるとおり、国税当局が、税理士が作成した書面を尊重することにより、税務執行の円滑化等を図る点にあります。

相続税申告をするにあたり、税務調査に入られると嫌だなと思われる方がほとんどだと思いますが、相続税申告を税理士に依頼し、書面添付制度の利用を依頼することで、税務調査前に意見聴取手続(税理士法第35条)がなされ、この意見聴取手続において税務署から指摘されたり、自主的に修正を申し述べた点については、税務調査前に修正申告・納税をすることが可能になります。

その場合、延滞税はかかりますが、加算税のペナルティはなくなるということになります。

ご自身で相続税申告をする場合、この書面添付制度を利用することはできませんので、税務調査の対応がご心配な方は、税理士に相談の上、この書面添付制度の利用を検討すると良いかと思います。

マンション節税について

気がついたら2023年6月も終わりですね。。

東京もかなり暑くなってきましたね。 

前回は、相続と生命保険について書きましたが、今回は、マンション節税について書いてみようと思います。

不動産を購入することで,相続税を減らすことができると聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

相続税の計算は、相続により取得した財産の価額に基づいて行われます。

また、相続財産が多くなるほど適用される相続税率が高くなります。

そのため、相続税額を減らそうとすると、課税対象になる相続財産の評価総額を減らす必要があります。

相続財産が不動産の場合,相続税評価額で評価を行いますが、その評価額は,売買価格とは異なる基準が使われています。

具体的には、路線価方式または倍率方式のどちらかで算出され,一般的に売買価格の8割程度の評価になると言われています。

現金は価値そのものですので、1億円の評価額は1億円として評価されます。

したがって、1億円分について相続税が課税されます。

他方、1億円で不動産を購入しておけば,基本的には8000万円程度の評価額となります。 そのため、不動産評価額8000万円分について相続税が課税されることになりますので,現金1億円を持っている場合と比較すると2000万円分の節税になります。

東京のような都市部では,相続税対策のためにタワーマンションを購入する方が少なくありません。

相続税評価額と購入価格の差が非常に大きいため、この価格差を利用するということです。

このようないわゆるマンション節税に対し、国税庁がこのような節税対策を防止するために、相続税の算定ルールを見直す方針を固めたようです。

税負担の公平化を図るためというのがその趣旨のようですが、非常に重要な方針変更ですので注目していこうと思います。

相続と生命保険

2023年5月も終わりですね

GWがなつかしいですね。東京もそろそろ梅雨入りでしょうか。 

前回は、相続土地国庫帰属制度について書きましたが、今回は、相続と生命保険について書いてみようと思います。

社会人になってある程度年月が経っておられる方ですと、生命保険に加入されている方も多いのではないでしょうか。

生命保険は自分が亡くなったら受取人に保険金が支払われるというものですが、相続税対策として生命保険を活用できる場合があります。

具体的には、生命保険に加入することにより、相続税の金額を減らすことができるだけでなく、納税資金を確保する手段にもなります。

相続税とは、相続により財産を取得した場合に、その取得した相続財産に課される税のことをいいます。

相続税は、原則として被相続人が亡くなった時点で有していた財産の総額(みなし相続財産も含みます。)を計算し、債務と葬儀費用を差し引いた金額について課税されますので、生命保険に入ることにより、課税の対象となる財産が減ると相続税額が低くなるということになります。

また、生命保険金には相続税の非課税枠があります。

具体的には、

生命保険金の非課税枠は、法定相続人の人数に500万円を乗じて計算します。 その枠内の生命保険金であれば、相続税がかからないことになります。

また、生命保険に入ることにより納税資金を確保することができることができます。

相続財産の中に、価値が高い不動産があるけれども現金や預貯金がほとんどない場合もあると思います。

そのような場合は、相続税の納税資金が足りず、泣く泣く不動産を売却しなければならないケースもあるでしょう。

そのような事態を避けるために、生命保険に入るということも重要です。

また、遺留分対策として生命保険を活用することも有用です。

相続税額を減らしたい方や、納税資金に不安がおありの方は生命保険の加入を検討されると良いと思います。

相続土地国庫帰属制度について

2023年4月もあっという間に終わってしまいました。

東京も花粉のシーズンは終わったのでしょうか。おそるおそる薬を止めてみました。

前回は、車を相続した場合について書きましたが、今回は、相続土地国庫帰属制度について書いてみようと思います。

相続案件を多く扱っていると、不動産の管理や処分に非常に困ることがあります。

不動産の近くに住んでいないので管理が大変、不動産ではなくお金で相続したい、不動産はいらないというご希望をお持ちの相続人様も多くいらっしゃいます。

では不動産を売りましょうとなったときに、そもそも不動産に価値が低い、売ろうと思っても買いたい人が見つからないという状況になってしまうと、この不動産の押し付け合いが始まってしまい遺産分割協議がまとまりにくくなることも少なくありません。

そこで、相続や遺贈によって土地の所有権を取得した相続人が、一定の要件を満たした場合に、土地を手放して国庫に帰属させることを可能とする「相続土地国庫帰属制度」が創設され、今年の4月27日からスタートしました。

これで不動産の処分に困ることもなくなった、良かった良かったとなると思ったのですが、現実はそう甘くはないようです。

国庫に帰属させる手続がそれなりに煩雑であることもありますが、法律で以下の条件が定められており、国庫に帰属させることができる土地の幅が非常に狭くなっているようです。

たとえば、引き取ることができない土地の要件として、建物がある土地、担保権や使用収益権が設定されている土地、他人の利用が予定されている土地、土壌汚染されている土地、境界が明らかでない土地・所有権の存否や範囲について争いがある土地が挙げられており、これらはそもそも申請すらできなません。

また、承認を受けることができない土地として、一定の勾配・高さの崖があって、管理に過分な費用・労力がかかる土地、土地の管理・処分を阻害する有体物が地上にある土地、土地の管理・処分のために、除去しなければいけない有体物が地下にある土地、隣接する土地の所有者等との争訟によらなければ管理・処分ができない土地、その他、通常の管理・処分に当たって過分な費用・労力がかかる土地が挙げられております。

これらの条件をクリアする土地は、そもそも買主が付くと思いますので、相続土地国庫帰属制度を使う機会がないようにも思えます。

今後どのように運用されていくのか注視していきたいと思います。

車を相続した場合

2023年3月ももう終わりですね。

東京もスギ花粉に加えてヒノキ花粉も舞い始めているようですね。まだまだ終わりが見えないですね。



前回は、相続税の2割加算について書きましたが、今回は、車を相続した場合について書いてみようと思います。

相続税申告は、相続財産を取得した方がその取得した財産の価額に応じて支払うべき税額を計算しますので、相続税申告が必要かどうかを知るためには、相続財産の評価額がいくらかを確認しなければなりません。

被相続人が車を使っていた場合は、車の中に保管されている車検証や自動車検査証を確認して、そもそも被相続人が車の所有者かどうかを確認することから始めるとよいと思います。

その際、ローンの有無やローンが残っているかも併せて確認できると、よりベターです。

調べた結果、被相続人が車の所有者であれば、その車も相続財産になります。

車の評価額はいろいろな基準がありますが、相続財産の評価という観点から見ると、車の価値は、一般的に、被相続人の相続発生日時点の取引価格で評価します。

この価格は、販売価格ではなく、買取価格の相場になります。

評価の方法は、中古車販売業者に査定してもらうか、買取業者のホームページなどで車種や車の状態が近いものの買取価格を調べます。

他にも、車の評価額を算定する方法はありますが、基本的には上記の方法で算定するのが良いと思います。

相続税の2割加算の対象となる人とは

2023年2月ももう終わりですね。

東京も花粉が舞って、花粉症の身にはつらい時期がやってまいりました。



前回は、相続税の期限が迫ってきたらどうするかについて書きましたが、今回は、相続税の2割加算について書いてみようと思います。



相続税には基礎控除という制度があり、相続財産が基礎控除の範囲内であれば相続税申告の必要はないのですが、亡くなった方の相続財産の金額によっては、相続税が発生する場合があります。

相続税の計算方法は、まず、亡くなった方の財産調査をし、その財産の金銭的評価を行います。

そして、基礎控除等をして、相続税の総額を計算した後、各相続人の相続分に按分し、相続税率を掛けるなどして納付税額を計算します。

相続税の計算方法は、基本的にはこれでよいのですが、被相続人との関係によっては、相続税が2割も加算されてしまう相続人がいます。

2割加算の対象となる人は、原則として、被相続人の配偶者、一親等血族以外の方です。

具体的には、夫または妻、子ども、父母と、代襲相続人となる孫は2割加算の対象とはなりません。

他方で、孫を養子にした場合、いわゆる孫養子は、例外的に2割加算の対象となります。

なぜかというと、孫を養子にすると、その孫は相続を1回回避して、被相続人の遺産を受け取ることができるからです。

ただし、孫養子であっても、代襲相続人でもある場合は、2割加算の対象にはなりません。

少しややこしいですが、相続が発生した際に、自分がどの立場に当たるか確認すると良いと思います。

相続税の申告期限について

2023年が始まって、あっという間に1か月が経ってしまいました。

東京も雪がちらつく日があったり、気温差が激しいので体調管理に気をつけたいところです。

前回は、遺言書作成のすすめについて書きましたが、今回は、相続税の期限が迫ってきたらどうするかについて書いてみようと思います。

亡くなった方の相続財産の金額によっては、相続税が発生する場合があります。

相続税には基礎控除が定められているので、相続財産が基礎控除の額の範囲内かどうかで判断します。

基礎控除額を超える相続財産がある場合は、原則として相続税の申告と納税が必要になります。

相続税の申告と納税には、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内という期限があります。

なお、申告期限にあたる日が土日祝日の場合は、これらの日の翌日が申告期限になります。

相続人が複数いる場合で、被相続人が死亡した時期が異なる場合は、申告期限も別々になります。

相続税の申告期限が迫ってくると、非常に焦る方も多いと思います。

相続税の申告期限を過ぎてしまうと、相続税の軽減ができる特例が使えなくなったり、追徴課税がされるリスクが生じるなど、様々なデメリットがあります。

しかし、相続税の申告期限の延長はできないのが原則ですので、とにかく早めに準備することが重要ですが、ご事情によっては難しいこともあるでしょう。

そのような場合は、とにかく1回目の当初申告が期限内に間に合うように、相続税の概算額を申告して多めに相続税を支払っておくのが良いでしょう。

また、さしあたり未分割申告をして、申告書に3年内の分割見込書を添付しておく必要があります。

申告書に3年内の分割見込書を添付しておくことで、申告期限から3年以内に遺産分割協議がまとまった場合、修正申告をする際に、小規模宅地の特例や配偶者控除の特例といった相続税額を軽減できる特例の適用が可能になります。

遺言書のご相談のすすめ

2022年12月ももう終わりですね。

1年はあっという間に過ぎていきます。

東京の気温も一桁になってきて、本当に寒いです。

前回は、相続財産が未分割の場合の相続税申告について書きましたが、今回は、今年のまとめについて書いてみようと思います。

今年もありがたいことに、たくさんの相続案件のご相談、ご依頼をいただくことができました。

やはり、遺産分割協議事件や遺留分侵害額請求事件が多くを占めますが、遺言無効確認請求事件、養子縁組無効確認請求事件なども少なくないところです。

また、遺言作成、相続税対策、相続税申告のご相談も数多くいただきました。

今年特に気になったこととしては、故人が生前に自筆証書遺言を作成しているのですが、その内容が不明確であったり、相続財産の一部だけしか書いていないケースが散見されたことです。

遺言書は故人の意思を尊重して、その記載内容を解釈していくのですが、不動産の登記ができなかったり、銀行に預金の解約を拒否されてしまったりすることが多い印象です。

また、一部遺言の残部の分け方でし烈な争いになるケースもあります。

せっかく自分の配偶者や子どもに財産を残そう、できるだけ紛争にならないようにしてほしいと考えて遺言書を書いたのに、結局故人の意思とかけ離れた状況に陥ってしまう相続人の方々は多いのではないでしょうか。

そのような事態を避けるために、遺言書を作りたいとお考えの方は、専門家にご相談いただければと思います。

今年もお世話になりました。

よいお年をお迎えください。

相続財産が未分割の場合の相続税申告について

2022年11月ももう終わりですね。

東京だいぶん寒くなってきて、コート必須ですね。

今年もあと1か月となりました。

前回は、相続税と贈与税の関係について書きましたが、今回は、相続財産が未分割の場合の相続税申告について書いてみようと思います。

被相続人が遺言を作成していないケースで、相続税申告の必要があるにもかかわらず、相続開始から10か月が経過しようとしているのに遺産分割協議がまとまらずお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

このような場合であっても、申告期限内に、相続税の申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して提出する必要があります。

その後、3年以内に遺産分割協議がまとまった場合、遡って①配偶者の税額軽減特例と②小規模宅地特例について適用することができることになります。

そして、遺産分割がまとまった日の翌日から4か月以内に更正の請求を行い、税金の還付を受けるという流れになります。

それでは、申告期限を経過してしまったけれども、申告していない場合はどうなるでしょうか。

この場合、相続税申告をしていないのですから、当然「申告期限後3年以内の分割見込書」も提出していないと思われます。

この場合、期限後の申告であっても、当初申告として「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して申告書を提出すれば、遺産分割協議がまとまった後の特例の適用は可能ではないかという説があるようです。

ただし、申告期限から3年経過後に当初申告をする場合は、「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出しても、特例適用は認められない可能性が高いと考えられます。

もっとも、上記については、説が分かれており、あくまで可能性の問題ですので、リスクを避けるためには、遺産分割協議未了であっても、必ず申告期限内に相続税申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して提出することが良いでしょう。

相続税と贈与税の関係について

2022年10月ももう終わりですね。

東京は肌寒くなってきましたね。

1日の気温差も大きくなってきてますので、体調管理に気をつけたいところです。

前回は、遺留分の生前放棄の可否について書きましたが、今回は、相続税と贈与税の関係について書いてみようと思います。

相続全般を扱っていると、相続税や生前対策としての贈与に関するご相談も多くいただきます。

相続税とは、相続により財産を取得した場合に、その取得した相続財産に課される税のことをいいます。

贈与税とは、個人から贈与により財産を取得した場合に、その取得した贈与財産に課される税のことをいいます。

相続税は原則として亡くなった時点における被相続人の相続財産に対して課税されますので、生前に自分の財産を贈与することで、相続税の課税逃れを防ぐという意味で、相続税を補完する役割を果たしています。

贈与税は、生前贈与による相続税の課税逃れを防止するため、相続税よりも基礎控除の枠が小さくなっており、税率も高くなっています。

相続税の対象となる生前贈与には、相続人や遺贈を受けた人への相続開始前3年以内の贈与が該当します。

この生前贈与には、本来贈与税がかからない年間110万円以下の贈与も含まるので注意が必要です。

被相続人が病気にかかるなどして、相続の開始が近いことを知った相続人が、被相続人から生前に贈与を受けることで相続税の負担を不当に軽減することを防止するために、相続開始前3年以内に贈与した財産については相続税の対象にすることになっています。

遺留分の放棄について

2022年9月ももう終わりですね。

東京は過ごしやすくなってきましたね。

前回は、遺言書の書き方と相続登記について書きましたが、今回は、遺留分の生前放棄の可否について書いてみようと思います。

相続全般を扱っていると、遺留分に関するご相談も多くいただきます。

遺留分侵害額を請求したい方、遺留分を侵害したとして請求されてしまった方、遺留分の放棄を迫られている方のご相談もございます。

遺留分とは、相続人のうちの一部の方について、相続財産のうち一定の割合を認めるものです。

遺留分は、これまで被相続人の財産を頼りにして生活していた遺族に対する生活保障と、被相続人の財産形成に貢献した遺族には潜在的持分があるという考えから、法律上認められています。

遺留分を有する方は、兄弟姉妹以外の相続人です。

具体的には、子(その代襲相続人を含む)、直系尊属(父母、祖父母等)、配偶者です。

相続人に一定の割合で認められる遺留分を放棄することを遺留分放棄といいます。

遺留分放棄は、相続開始前か相続開始後かで手続が変わってきます。

被相続人の生前に遺留分放棄をする場合には、被相続人となる者の住所地を管轄する家庭裁判所に、遺留分の放棄についての許可審判の申立てをし、家庭裁判所の許可が必要となります。

他方、相続開始後は、自由に遺留分を放棄することができます。

生前の遺留分放棄と異なり、家庭裁判所の許可は不要です。

遺留分放棄の意思表示は、遺留分侵害額請求の相手方に対してするとよいでしょう。

遺言書の書き方と相続登記について

2022年8月ももう終わりですね。

東京もだいぶ涼しくなってきました。

前回は、相続税を申告・納付する義務者について書きましたが、今回は、遺言書の書き方と相続登記について書いてみようと思います。

相続全般を扱っていると、遺言書の作成のご相談も多くございます。

その中でも不動産をお持ちの方の遺言書の書き方については、注意が必要な点もございます。

遺言で不動産を推定相続人に渡したいという場合、「当該不動産を相続させる。」と記載するのが一般的ですが、「当該不動産を遺贈する。」と書いてある場合も散見されます。

「当該不動産を相続させる。」という記載の場合は、登記原因も「相続」となります。

この場合、当該相続人だけが相続登記の申請をすればよいことになります(「単独申請」といいます。)。

この書き方のメリットは、他の相続人の協力なしに不動産の名義変更が可能となる点にあります。

他方、遺言書の文言が「当該不動産を遺贈する。」となっている場合、受遺者が相続人であっても、登記原因は「遺贈」となるのが原則です。

遺贈を原因とする所有権移転登記手続をする場合、申請人は、受遺者本人と相続人全員とで共同で申請しなければならなくなるのが原則です(これを「共同申請」といいます。)。

この場合、非常に負担が大きくなりますので注意が必要です。

ただし、遺言書の中で遺言執行者を指定しておけば、相続人全員の関与は不要となり、受遺者と遺言執行者との共同申請で足りることになります。

遺言書で遺言執行者が指定されていない場合は、家庭裁判所に遺言執行者選任の申立てをすることも可能です。

このように、遺言書を作成する場合に注意すべき点は多いですし、相続発生後に手続を取ることで自分の負担を減らすことができる場合もあります。

ご不安な方は専門家にご相談されるとよいでしょう。

相続税を申告・納付する義務者はだれか

2022年7月ももう終わりですね。

東京もまだまだ暑いですね。

前回は、仮想通貨の相続手続について書きましたが、今回は、相続税を申告・納付する義務者について書いてみようと思います。

被相続人が亡くなった後、相続税の申告が必要だとしても、だれが相続税を支払うことになるのか、自分には相続税を支払う義務があるのかなどについて、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。

相続税は、相続財産を取得した方が、その取得した財産の価額に応じて支払うべき税額を算出することになります。

ですので、相続人であれば必ず全員が相続税の納税義務者になるわけではなく、 被相続人の死亡に伴い相続財産を取得した人は、法定相続人でなくとも相続税の納税義務者になり得ます。

具体的には、①相続により相続財産を取得した相続人、②遺言によって財産を取得した受遺者、③死因贈与によって財産を取得した受贈者及び④相続時精算課税制度の利用者は、相続税の納税義務者となります。

もっとも、相続税の納税義務者であっても相続税を支払わなくてもよい場合もあります

納税義務者であっても相続税の申告が不要である場合もありますし、納税義務者であり相続税の申告が必要であっても最終的に相続税の納付が不要な場合もあります。

申告義務者であるにもかかわらず、申告も納税も不要となる場合というのは、課税価格の合計額が、基礎控除額の範囲内である場合です。

他方、課税価格の合計額が基礎控除額を超えた場合は、相続税の申告が必要です。

ただし、要件を満たしていれば、小規模宅地の特例、配偶者の税額軽減、未成年者控除、障害者控除といった特例を利用することで税額がゼロになり、納税が不要となることもあります。

自分が相続税の納付義務者かどうか、相続税の納付が必要かどうかは、専門家に確認するとよいでしょう。

仮想通貨の相続手続

2022年6月ももう終わりですね。

1年の半分が終わってしまいました。

東京も異常な暑さが続いていますね。

前回は、相続税を適切に申告・納付しないとどうなるかついて書きましたが、今回は、仮想通貨の相続手続について書いてみようと思います。

ネットやニュースなどでビットコインなどの仮想通貨という言葉をお聞きになった方も多いのではないでしょうか。

現在、有名なビットコインを含めて様々な仮想通貨は発行されており、取引量の増加などに伴い、仮想通貨についての法体制が整いつつあります。

所得税法上の取扱いとしては、仮想通貨自体を使って得た利益について、原則「雑所得」になるという指針が公表されています。

それでは、仮想通貨の相続方法や相続税の取扱いはどうなっているのでしょうか。

そもそも仮想通貨に財産的価値があるのかという点が気になるのではないでしょうか。

この点については、資金決済に関する法律により、仮想通貨に財産的価値があることが規定されていますの。

したがって、仮想通貨に財産的価値があることが法律上認められているといえます。

仮想通貨の入手方法としては、①取引所で購入する、②他の人から送金を受ける、③マイニングをするという3つの入手方法がありますが、一般的には、①取引所で購入することが多いと思われます。

仮想通貨は、通常、「ウォレット」という財布の機能を有するものに保管されています。

「ウォレット」の形態は、パソコン上にあるものやウェブ上にあるものなど様々ですが、どの形態であっても、仮想通貨を相続する場合、相続人は仮想通貨を探すことから始める必要があります。

もし、被相続人が仮想通貨を購入していたということがわかったとしても、それがどこにあるかは問題となります。

仮想通貨は「ウォレット」に保管されていますが、「ウォレット」に入るためには、アドレスやパスワードが必要です。

「ウォレット」のアドレスやパスワードが分からないと、残高があるのに仮想通貨が使えない状況になります。

ご自身が仮想通貨を所有している場合は、相続のことを考え、家族等に「ウォレット」のアドレスやパスワードが分かるようにしておくことも検討しておいた方がよいでしょう。

それでは、仮想通貨を相続した場合に、相続税が課されるのでしょうか。

この点については、参議院の財政金融委員会において、国税庁の見解が示され、仮想通貨にも相続税が課されることが明らかとなりました。  

以上のように、仮想通貨の相続方法や税制については、相続税が課税されることが明らかになったものの、いまだ流動的な部分も多いところですので、今後も仮想通貨に関する政府の動きを注視することが重要です。