相続税の申告期限について

2023年が始まって、あっという間に1か月が経ってしまいました。

東京も雪がちらつく日があったり、気温差が激しいので体調管理に気をつけたいところです。

前回は、遺言書作成のすすめについて書きましたが、今回は、相続税の期限が迫ってきたらどうするかについて書いてみようと思います。

亡くなった方の相続財産の金額によっては、相続税が発生する場合があります。

相続税には基礎控除が定められているので、相続財産が基礎控除の額の範囲内かどうかで判断します。

基礎控除額を超える相続財産がある場合は、原則として相続税の申告と納税が必要になります。

相続税の申告と納税には、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内という期限があります。

なお、申告期限にあたる日が土日祝日の場合は、これらの日の翌日が申告期限になります。

相続人が複数いる場合で、被相続人が死亡した時期が異なる場合は、申告期限も別々になります。

相続税の申告期限が迫ってくると、非常に焦る方も多いと思います。

相続税の申告期限を過ぎてしまうと、相続税の軽減ができる特例が使えなくなったり、追徴課税がされるリスクが生じるなど、様々なデメリットがあります。

しかし、相続税の申告期限の延長はできないのが原則ですので、とにかく早めに準備することが重要ですが、ご事情によっては難しいこともあるでしょう。

そのような場合は、とにかく1回目の当初申告が期限内に間に合うように、相続税の概算額を申告して多めに相続税を支払っておくのが良いでしょう。

また、さしあたり未分割申告をして、申告書に3年内の分割見込書を添付しておく必要があります。

申告書に3年内の分割見込書を添付しておくことで、申告期限から3年以内に遺産分割協議がまとまった場合、修正申告をする際に、小規模宅地の特例や配偶者控除の特例といった相続税額を軽減できる特例の適用が可能になります。

遺言書のご相談のすすめ

2022年12月ももう終わりですね。

1年はあっという間に過ぎていきます。

東京の気温も一桁になってきて、本当に寒いです。

前回は、相続財産が未分割の場合の相続税申告について書きましたが、今回は、今年のまとめについて書いてみようと思います。

今年もありがたいことに、たくさんの相続案件のご相談、ご依頼をいただくことができました。

やはり、遺産分割協議事件や遺留分侵害額請求事件が多くを占めますが、遺言無効確認請求事件、養子縁組無効確認請求事件なども少なくないところです。

また、遺言作成、相続税対策、相続税申告のご相談も数多くいただきました。

今年特に気になったこととしては、故人が生前に自筆証書遺言を作成しているのですが、その内容が不明確であったり、相続財産の一部だけしか書いていないケースが散見されたことです。

遺言書は故人の意思を尊重して、その記載内容を解釈していくのですが、不動産の登記ができなかったり、銀行に預金の解約を拒否されてしまったりすることが多い印象です。

また、一部遺言の残部の分け方でし烈な争いになるケースもあります。

せっかく自分の配偶者や子どもに財産を残そう、できるだけ紛争にならないようにしてほしいと考えて遺言書を書いたのに、結局故人の意思とかけ離れた状況に陥ってしまう相続人の方々は多いのではないでしょうか。

そのような事態を避けるために、遺言書を作りたいとお考えの方は、専門家にご相談いただければと思います。

今年もお世話になりました。

よいお年をお迎えください。

相続財産が未分割の場合の相続税申告について

2022年11月ももう終わりですね。

東京だいぶん寒くなってきて、コート必須ですね。

今年もあと1か月となりました。

前回は、相続税と贈与税の関係について書きましたが、今回は、相続財産が未分割の場合の相続税申告について書いてみようと思います。

被相続人が遺言を作成していないケースで、相続税申告の必要があるにもかかわらず、相続開始から10か月が経過しようとしているのに遺産分割協議がまとまらずお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

このような場合であっても、申告期限内に、相続税の申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して提出する必要があります。

その後、3年以内に遺産分割協議がまとまった場合、遡って①配偶者の税額軽減特例と②小規模宅地特例について適用することができることになります。

そして、遺産分割がまとまった日の翌日から4か月以内に更正の請求を行い、税金の還付を受けるという流れになります。

それでは、申告期限を経過してしまったけれども、申告していない場合はどうなるでしょうか。

この場合、相続税申告をしていないのですから、当然「申告期限後3年以内の分割見込書」も提出していないと思われます。

この場合、期限後の申告であっても、当初申告として「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して申告書を提出すれば、遺産分割協議がまとまった後の特例の適用は可能ではないかという説があるようです。

ただし、申告期限から3年経過後に当初申告をする場合は、「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出しても、特例適用は認められない可能性が高いと考えられます。

もっとも、上記については、説が分かれており、あくまで可能性の問題ですので、リスクを避けるためには、遺産分割協議未了であっても、必ず申告期限内に相続税申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して提出することが良いでしょう。

相続税と贈与税の関係について

2022年10月ももう終わりですね。

東京は肌寒くなってきましたね。

1日の気温差も大きくなってきてますので、体調管理に気をつけたいところです。

前回は、遺留分の生前放棄の可否について書きましたが、今回は、相続税と贈与税の関係について書いてみようと思います。

相続全般を扱っていると、相続税や生前対策としての贈与に関するご相談も多くいただきます。

相続税とは、相続により財産を取得した場合に、その取得した相続財産に課される税のことをいいます。

贈与税とは、個人から贈与により財産を取得した場合に、その取得した贈与財産に課される税のことをいいます。

相続税は原則として亡くなった時点における被相続人の相続財産に対して課税されますので、生前に自分の財産を贈与することで、相続税の課税逃れを防ぐという意味で、相続税を補完する役割を果たしています。

贈与税は、生前贈与による相続税の課税逃れを防止するため、相続税よりも基礎控除の枠が小さくなっており、税率も高くなっています。

相続税の対象となる生前贈与には、相続人や遺贈を受けた人への相続開始前3年以内の贈与が該当します。

この生前贈与には、本来贈与税がかからない年間110万円以下の贈与も含まるので注意が必要です。

被相続人が病気にかかるなどして、相続の開始が近いことを知った相続人が、被相続人から生前に贈与を受けることで相続税の負担を不当に軽減することを防止するために、相続開始前3年以内に贈与した財産については相続税の対象にすることになっています。

遺留分の放棄について

2022年9月ももう終わりですね。

東京は過ごしやすくなってきましたね。

前回は、遺言書の書き方と相続登記について書きましたが、今回は、遺留分の生前放棄の可否について書いてみようと思います。

相続全般を扱っていると、遺留分に関するご相談も多くいただきます。

遺留分侵害額を請求したい方、遺留分を侵害したとして請求されてしまった方、遺留分の放棄を迫られている方のご相談もございます。

遺留分とは、相続人のうちの一部の方について、相続財産のうち一定の割合を認めるものです。

遺留分は、これまで被相続人の財産を頼りにして生活していた遺族に対する生活保障と、被相続人の財産形成に貢献した遺族には潜在的持分があるという考えから、法律上認められています。

遺留分を有する方は、兄弟姉妹以外の相続人です。

具体的には、子(その代襲相続人を含む)、直系尊属(父母、祖父母等)、配偶者です。

相続人に一定の割合で認められる遺留分を放棄することを遺留分放棄といいます。

遺留分放棄は、相続開始前か相続開始後かで手続が変わってきます。

被相続人の生前に遺留分放棄をする場合には、被相続人となる者の住所地を管轄する家庭裁判所に、遺留分の放棄についての許可審判の申立てをし、家庭裁判所の許可が必要となります。

他方、相続開始後は、自由に遺留分を放棄することができます。

生前の遺留分放棄と異なり、家庭裁判所の許可は不要です。

遺留分放棄の意思表示は、遺留分侵害額請求の相手方に対してするとよいでしょう。

遺言書の書き方と相続登記について

2022年8月ももう終わりですね。

東京もだいぶ涼しくなってきました。

前回は、相続税を申告・納付する義務者について書きましたが、今回は、遺言書の書き方と相続登記について書いてみようと思います。

相続全般を扱っていると、遺言書の作成のご相談も多くございます。

その中でも不動産をお持ちの方の遺言書の書き方については、注意が必要な点もございます。

遺言で不動産を推定相続人に渡したいという場合、「当該不動産を相続させる。」と記載するのが一般的ですが、「当該不動産を遺贈する。」と書いてある場合も散見されます。

「当該不動産を相続させる。」という記載の場合は、登記原因も「相続」となります。

この場合、当該相続人だけが相続登記の申請をすればよいことになります(「単独申請」といいます。)。

この書き方のメリットは、他の相続人の協力なしに不動産の名義変更が可能となる点にあります。

他方、遺言書の文言が「当該不動産を遺贈する。」となっている場合、受遺者が相続人であっても、登記原因は「遺贈」となるのが原則です。

遺贈を原因とする所有権移転登記手続をする場合、申請人は、受遺者本人と相続人全員とで共同で申請しなければならなくなるのが原則です(これを「共同申請」といいます。)。

この場合、非常に負担が大きくなりますので注意が必要です。

ただし、遺言書の中で遺言執行者を指定しておけば、相続人全員の関与は不要となり、受遺者と遺言執行者との共同申請で足りることになります。

遺言書で遺言執行者が指定されていない場合は、家庭裁判所に遺言執行者選任の申立てをすることも可能です。

このように、遺言書を作成する場合に注意すべき点は多いですし、相続発生後に手続を取ることで自分の負担を減らすことができる場合もあります。

ご不安な方は専門家にご相談されるとよいでしょう。

相続税を申告・納付する義務者はだれか

2022年7月ももう終わりですね。

東京もまだまだ暑いですね。

前回は、仮想通貨の相続手続について書きましたが、今回は、相続税を申告・納付する義務者について書いてみようと思います。

被相続人が亡くなった後、相続税の申告が必要だとしても、だれが相続税を支払うことになるのか、自分には相続税を支払う義務があるのかなどについて、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。

相続税は、相続財産を取得した方が、その取得した財産の価額に応じて支払うべき税額を算出することになります。

ですので、相続人であれば必ず全員が相続税の納税義務者になるわけではなく、 被相続人の死亡に伴い相続財産を取得した人は、法定相続人でなくとも相続税の納税義務者になり得ます。

具体的には、①相続により相続財産を取得した相続人、②遺言によって財産を取得した受遺者、③死因贈与によって財産を取得した受贈者及び④相続時精算課税制度の利用者は、相続税の納税義務者となります。

もっとも、相続税の納税義務者であっても相続税を支払わなくてもよい場合もあります

納税義務者であっても相続税の申告が不要である場合もありますし、納税義務者であり相続税の申告が必要であっても最終的に相続税の納付が不要な場合もあります。

申告義務者であるにもかかわらず、申告も納税も不要となる場合というのは、課税価格の合計額が、基礎控除額の範囲内である場合です。

他方、課税価格の合計額が基礎控除額を超えた場合は、相続税の申告が必要です。

ただし、要件を満たしていれば、小規模宅地の特例、配偶者の税額軽減、未成年者控除、障害者控除といった特例を利用することで税額がゼロになり、納税が不要となることもあります。

自分が相続税の納付義務者かどうか、相続税の納付が必要かどうかは、専門家に確認するとよいでしょう。

仮想通貨の相続手続

2022年6月ももう終わりですね。

1年の半分が終わってしまいました。

東京も異常な暑さが続いていますね。

前回は、相続税を適切に申告・納付しないとどうなるかついて書きましたが、今回は、仮想通貨の相続手続について書いてみようと思います。

ネットやニュースなどでビットコインなどの仮想通貨という言葉をお聞きになった方も多いのではないでしょうか。

現在、有名なビットコインを含めて様々な仮想通貨は発行されており、取引量の増加などに伴い、仮想通貨についての法体制が整いつつあります。

所得税法上の取扱いとしては、仮想通貨自体を使って得た利益について、原則「雑所得」になるという指針が公表されています。

それでは、仮想通貨の相続方法や相続税の取扱いはどうなっているのでしょうか。

そもそも仮想通貨に財産的価値があるのかという点が気になるのではないでしょうか。

この点については、資金決済に関する法律により、仮想通貨に財産的価値があることが規定されていますの。

したがって、仮想通貨に財産的価値があることが法律上認められているといえます。

仮想通貨の入手方法としては、①取引所で購入する、②他の人から送金を受ける、③マイニングをするという3つの入手方法がありますが、一般的には、①取引所で購入することが多いと思われます。

仮想通貨は、通常、「ウォレット」という財布の機能を有するものに保管されています。

「ウォレット」の形態は、パソコン上にあるものやウェブ上にあるものなど様々ですが、どの形態であっても、仮想通貨を相続する場合、相続人は仮想通貨を探すことから始める必要があります。

もし、被相続人が仮想通貨を購入していたということがわかったとしても、それがどこにあるかは問題となります。

仮想通貨は「ウォレット」に保管されていますが、「ウォレット」に入るためには、アドレスやパスワードが必要です。

「ウォレット」のアドレスやパスワードが分からないと、残高があるのに仮想通貨が使えない状況になります。

ご自身が仮想通貨を所有している場合は、相続のことを考え、家族等に「ウォレット」のアドレスやパスワードが分かるようにしておくことも検討しておいた方がよいでしょう。

それでは、仮想通貨を相続した場合に、相続税が課されるのでしょうか。

この点については、参議院の財政金融委員会において、国税庁の見解が示され、仮想通貨にも相続税が課されることが明らかとなりました。  

以上のように、仮想通貨の相続方法や税制については、相続税が課税されることが明らかになったものの、いまだ流動的な部分も多いところですので、今後も仮想通貨に関する政府の動きを注視することが重要です。

相続税を適切に申告・納付しないとどうなるか

2022年5月も終わりが近づいてきました。

東京も蒸し暑くなってきましたね。

前回は、夫婦間の贈与について書きましたが、今回は、相続税を適切に申告・納付しないとどうなるかについて書いてみようと思います。

まずは相続税の申告期限を確認しましょう。

相続税の申告期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。

通常は、被相続人が亡くなった日の翌日から10か月以内ということになるでしょう。

次に、自分が相続税の申告が必要かどうかを確認しましょう。

自分が相続税の申告が必要かどうかを知るためには、相続財産の額が基礎控除額の範囲内か確認する必要があります。

相続税は、相続財産を取得した方が、その取得した財産の価額に応じて支払うべき税額を算出し、納付することになります。

被相続人の相続において、相続税の基礎控除という制度があり、相続財産の合計額がこの基礎控除額以下であれば、そこまでは相続税が課税されず申告の必要もありません。

基礎控除の金額は、「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」で計算されます。

それでは、相続税の申告・納付をしなかった場合はどのようなペナルティがあるのでしょうか。

相続税を適切に申告・納付しなかった場合、①延滞税、②無申告加算税、③過少申告加算税、④重加算税といったペナルティが課される可能性があります。

①延滞税は、相続税を定められた期限までに納付しなかった場合に課されるものです。

②無申告加算税は、相続税の申告を行わなければならないのに、正当な理由がなく、申告期限までに申告を行わなかった場合に課税されるものです。

③過少申告加算税は、相続税の申告はしたものの、税額を少なく申告していた場合に課されるものです。

なお、自主的に申告した場合は、過少申告加算税は課されません。

④重加算税は、相続財産を意図的に隠したり、偽ったりした場合に課税される税です。

それぞれのペナルティによって課税されるパーセンテージも異なりますが、決して少額で収まるとは限りませんので、相続税を適切に申告・納付することが大切です。

夫婦間の贈与

2022年4月も終わりが近づいてきました。

東京の花粉症もやっと終わったでしょうか。

前回は、相続税の計算方法について書きましたが、今回は、夫婦間の贈与について書いてみようと思います。

そもそも贈与税はどのような場合にかかるのでしょうか。

贈与税は、贈与をした人にはかかりません。

贈与税は、贈与を受けた人に課される税金です。

贈与をすると必ず贈与税がかかるのでしょうか。

贈与税には110万円の基礎控除があり、110万円を超えた贈与額に課税されることになります。

それでは、夫婦間でも贈与税がかかるのでしょうか。

夫婦で一緒に生活をしていると、生活費を渡したり、自動車を買ったりする場合など、夫婦間のお金や物のやり取りはよくあることだと思います。

もっとも、夫婦間でも財産を無償で譲渡するという行為は贈与に当たりますので、原則として贈与税がかかるため注意が必要です。

ただし、夫婦間でも例外的に贈与税がかからない場合もあります。

まず、贈与税にも110万円の基礎控除がありますので、その範囲内であれば、夫婦間の贈与であっても贈与税はかかりません。

具体的には、1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産額が、110万円以内の場合には、贈与税はかからず申告も不要です。

また、国税庁によると、「扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」には贈与税はかからないとされています。

「通常必要と認められるもの」とは何かというのが問題となりますが、日常生活に必要な生活費、学費、教材費や文具費といった教育費がこれにあたると解されています。

ただし、 あまりに高額な物品を譲り渡す場合は、嗜好品として通常必要とは認められず、贈与と評価される可能性があるため注意した方が良いでしょう。

他にも、婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2000万円まで控除できるという特例が設けられています。

夫婦間で居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与を検討されている方は、かなりの節税になる可能性がありますので、専門家にご相談されると良いと思います。

相続税の計算方法について

2022年3月も終わりが近づいてきました。

東京の花粉症のピークもそろそろ終わりでしょうか。花粉症は本当につらいですね。

前回は、被相続人が亡くなった後、相続税申告までの手続に関する期限にはどのようなものがあるかについて書きましたが、今回は、相続税の計算方法について書いてみようと思います。

相続税は、相続財産を取得した方が、その取得した財産の価額に応じて支払うべき税額を算出することになります。

被相続人の相続において、相続税の基礎控除という制度があります。

基礎控除の金額は、「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」で計算されます。

相続財産の合計額がこの基礎控除額以下であれば、そこまでは相続税が課税されず申告の必要もありません。

他方、相続財産が基礎控除額を超えた場合は、相続税申告をする必要があり、課税遺産総額に対して相続税が課税されます。

相続税の計算方法は、以下のとおりです。

①各相続人の相続税の課税価格を算出します。

②相続税の総額及び各相続人の算出相続税額の計算をします。

③各相続人の納付すべき相続税額の計算をします。

細かい計算は、相続税の専門家に確認した方がよいでしょう。

このようにして計算した相続財産総額が基礎控除額の範囲にある場合は、相続税申告は不要です。

しかし、支払うべき相続税が0円の場合であっても、相続税申告が必要な場合もあります。

例えば、もともとの遺産総額は基礎控除額を超えていた場合で、配偶者控除や小規模宅地等の特例といった税の軽減措置を利用することによって相続税が0円となる場合も、相続税申告は必要になります。

また、相続税の申告と納税には、相続開始10か月以内という期限があります。 申告だけではなく、納税も含めて10か月以内に行わないといけない点に注意が必要です。

相続税の計算や申告の要否についての判断は複雑になりがちですので、難しいなという方や忙しくて自分で申告の準備をする時間がないという方は、相続を専門に扱っている弁護士や税理士に相談してみるとよいでしょう。

相続に関する期限の整理

2022年2月も最終日ですね。

1年のうち6分の1が終わりました。早いですね。

東京も暖かくなってきまして、花粉が飛び交ってますね。

前回は、どのような理由でも相続放棄は認められるのかについて書きましたが、今回は、被相続人が亡くなった後、相続税申告までの手続に関する期限にはどのようなものがあるか整理してみました。

相続が発生すると、葬儀を行い、相続財産を把握し、相続税を支払う必要があるかどうか調査するなど様々なことをしなければなりません。

この中には、期限が決められているものが多くあります。

相続が発生してから、慌てて確認すると誤った対応をしてしまう危険性がありますので、お早めに確認しておくことをお勧めします。

まず、死亡届は、死亡後7日以内に提出する必要があります。

死亡届は、医師に作成してもらう死亡診断書と一体になっています。

死亡届と火埋葬許可申請書を市区町村役場に提出し、火葬許可証をもらいます。

この火葬許可証を葬儀社に提出して葬儀の申込みをします。

相続が発生した場合、通常の流れとして、遺言の有無の調査、相続人調査、相続財産調査を行います。

もし遺産の中に借金が含まれている場合、その借金も相続の対象になります。

特にプラスの財産よりもマイナスの財産が多い場合は、相続人が借金を支払わなければならなくなってしまいますので、被相続人の借金を相続したくない場合は、相続放棄を検討することになります。

相続放棄には期限があります。

相続人は、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に相続放棄をするかどうか決めなければなりません。

次に、相続人が被相続人の遺産を相続した場合、被相続人の生前の所得税を申告する必要がある場合があります。

これを、所得税の準確定申告といいます。

所得税の準確定申告とは、被相続人が所得税の申告義務を負っていた場合に、相続人が被相続人の代わりに確定申告を行うものです。

通常の確定申告は、対象年度の翌年の2月16日から3月15日までですが、準確定申告は、被相続人の死亡後4か月以内となっています。

もし、遺言があり、自分が全く相続財産をもらえない場合などは、遺留分侵害額請求をするかどうか検討する必要があります。

遺留分とは、相続人のうちの一部の方について、相続財産のうち一定の割合を認めるものです。

遺言や死因贈与などによって最低限の取得分である遺留分を侵害された場合、法定相続人は遺留分の侵害者に対し遺留分侵害額を請求することができます。

兄弟姉妹を除く法定相続人は、遺留分侵害額請求をできる場合がありますが、その期間は法律によって決められています。

遺留分侵害額請求をすることができるのは、被相続人の死亡と遺留分侵害の事実を知ってから1年以内です。

また、被相続人の死亡から10年が経った場合には、たとえ遺言や死因贈与などによる遺留分侵害の事実を知らなくても、遺留分侵害額請求ができなくなるので注意が必要です。 

  

被相続人の遺産の金額によって相続税が発生する場合があります。

相続税には基礎控除が定められているので、基礎控除の額までであれば相続税を支払う必要はありません。

他方、基礎控除額を越える遺産がある場合は、原則として相続税の申告と納税が必要になります。

相続税の申告と納税には、相続開始10か月以内という期限があります。 申告だけではなく、納税も含めて10か月以内に行わないといけない点に注意が必要です。

その他にも期限が定められているものがありますので、難しいな、わからないなという方は、相続を専門に扱っている弁護士や税理士に相談してみるとよいでしょう。

相続税申告の流れ

2022年1月も終わりが近づいてきました。

1年の内、もう残りが93%になってしまいました。

東京もまたコロナが急増してますね。

かからないように注意したいですね。

前回は、どのような理由でも相続放棄は認められるのかについて書きましたが、今回は、相続税申告の流れについて書いてみたいと思います。

相続が発生すると、葬儀を行い、相続財産を把握し、相続税を支払う必要があるかどうか調査するなど様々なことをしなければなりません。

しかも、やらなければならないことの中には、期限が決められているものが多くあります。

そのようなバタバタした状況の中で、被相続人が亡くなった後、そもそも相続税の申告が必要なのか、自分が相続税を支払うことになるのかなどについて、お悩みの方もおられるのではないでしょうか。

相続税は、相続財産を取得した方が、その取得した財産の価額に応じて支払うものです。

被相続人の相続において、相続税申告をする必要があるかどうかの目安として、相続税の基礎控除というものがあります。

相続税の基礎控除とは、相続財産の合計額がこの基礎控除額以下であれば、そこまでは相続税が課税されないという制度をいいます。

基礎控除の金額は、「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」で計算されますので、まずは、被相続人の相続についての基礎控除額を計算してみると良いでしょう。

基礎控除の金額は、「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」で計算されますので、最初に法定相続人の数を確定させる必要があります。

相続人であれば、役所で戸籍謄本を取得することができますが、複雑な事案ですと自分で取得するのが難しい場合もあるため、専門家に依頼して調査してもらうこともできます。

また、被相続人にどのような相続財産があるかを確定する必要がありますので、その調査をしなければなりません。

相続財産を調査した後は、全ての相続財産の評価額と基礎控除額を比較してみましょう。

相続財産が基礎控除額の範囲内であれば相続税を支払う必要はありませんが、相続財産が基礎控除額を超える場合は、原則として相続税の申告と納税が必要になります。

相続税の申告と納税には、相続開始10か月以内という期限があります。

申告だけではなく、納税も含めて10か月以内に行わないといけない点に注意が必要です。

どのような理由でも相続放棄は認められるのか

2021年12月も終わりが近づいてきました。

そろそろ年末感が出てきましたね。

東京も乾燥がひどくなってきました。

風邪を引かないように注意したいですね。

前回は、相続人全員が相続放棄をするとどうなるかについて書きましたが、今回は、どのような理由でも相続放棄は認められるのかについて書いてみたいと思います。

被相続人が亡くなった後、相続人の方で相続放棄をするかどうか検討している方もおられるのではないでしょうか。

相続放棄は、相続人を最初から相続人ではなかったことにする手続です。

相続放棄をするにあたって、なぜ相続放棄をしたいと考えるのかは人それぞれではないかと思います。

相続放棄をするにあたって、自分が相続放棄をしたい理由によっては裁判所に認められないのではないかと心配されておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

相続放棄をする理由のうち典型的なものとしては、被相続人のプラスの財産よりもマイナスの財産の方が多い、被相続人の財産や借金が全くわからない、そもそも相続に関わりたくないというものが挙げられます。

結論からいうと、相続放棄をする理由や動機に限定はありません。

法律上も限定はありませんし、裁判実務上も相続放棄をする理由によって、相続放棄を認めたり、認めなかったりということはありません。

以下の場合は、相続放棄をするメリットが非常に大きいといえます。

・被相続人が生前に多額の借金を抱えており、被相続人のプラスの財産よりも借金の方が多い場合

・被相続人の生前に借金があったとは聞いていたものの、被相続人との関係が希薄だったため、被相続人が誰に対しどのくらいの負債を抱えているかがわからず、いつどのような請求をされるかわからないといった場合

また、他の相続人との関係性が良くなかったり、話し合いが難しい相続人がいるなどして遺産分割協議に関わりたくない場合や、被相続人の生前全く関わりがなかったため相続する意思が全く無い場合も、相続放棄をすることで、相続に関わらないという目的を達成することができます。

相続放棄をご検討されている方は、相続に詳しい専門家を探してみるとよいでしょう。

相続人全員が相続放棄をするとどうなるか

2021年10月も終わりが近づいてきました。

もう年末が見えてきましたね。

東京も急に寒くなってきました。

前回は、個人再生と生命保険の関係について書きましたが、今回は、相続人全員が相続放棄をするとどうなるかについて書いてみたいと思います。

被相続人が亡くなった後、相続放棄をするかどうか検討している方もおられるのではないでしょうか。

相続放棄とは、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も一切放棄することを家庭裁判所に申述する手続です。

相続放棄が家庭裁判所に受理されると、相続放棄の申述をした相続人は、初めから相続人ではなかったことになります。

そうすると、法定されている次の順位の法定相続人が実際に相続人となることになります。

被相続人の配偶者は常に相続人になりますが、第1順位の子が全員相続放棄をした場合は、第2順位である被相続人の両親が相続人となります。

もし、被相続人の両親が既に亡くなっていた場合は、被相続人の祖父母が相続人となります。

そして、被相続人の両親や祖父母全員が相続放棄をした場合は、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。     それでは、これら全ての相続人が相続放棄をした場合は、どうなるのでしょうか。

相続放棄は最初から相続人でなかったことになります。

それでは、被相続人の子が相続放棄をした場合、被相続人の孫(相続放棄をした者の子)は相続人となるのでしょうか。

この場合は、被相続人の孫は、相続放棄をした被相続人の子に代わって相続人となるわけではありません。

あくまで、被相続人の子が相続放棄をした場合は、第2順位の法定相続人が相続人となります。

他方、代襲相続とは、被相続人の死亡時に、本来相続人となるはずであった者が既に死亡している場合に、本来相続人となるはずであった者の子が代襲相続人として被相続人の財産を相続するという制度です。

被相続人の子が既に死亡しており、その後被相続人が死亡した場合、被相続人の孫が代襲相続人となるということです。

相続放棄と代襲相続は似ているため、勘違いをしやすいので注意が必要です。

相続人全員が相続放棄をしたため相続人がいなくなった場合、被相続人の財産は法人とみなされます。

そして、利害関係人が家庭裁判所に相続財産管理人の選任の申立てをすることによって、相続財産管理人が選任されると、当該管理人が法人化された相続財産を管理、清算していくことになります。

個人再生での生命保険の取り扱いについて

2021年9月も終わりが近づいてきました。

今年も残り3か月です。

東京も暑さがだいぶ落ち着いてきましたね。

前回は、自己破産と相続放棄の関係について書きましたが、今回は、個人再生と生命保険の関係について書いてみたいと思います。

個人再生は、債務整理の種類の内、裁判所に再生計画が認可されると借金の一部を免除してもらえる制度です。

個人再生をする場合、原則として生命保険を解約する必要はありません。

個人再生は、全財産を処分して、借金を返済するという制度ではないため、無理にこれらの保険を解約する必要はありません。

ただし、個人再生では、清算価値保障の原則といって、最低でも手持ちの財産額以上の金額を返済に充てなければならないという決まりがあります。

そのため、生命保険に加入していて、解約返戻金がある場合、解約した場合の解約返戻金の見込額は財産とみなされ清算価値に計上する必要があります。

もっとも、解約返戻金が多額の場合は最低返済額が大きくなるため、毎月の返済可能額を超えてしまう可能性があります。

そのような場合は、生命保険を解約して、解約返戻金を返済に充てなければならなくなる可能性があります。

生命保険の種類には、大きく分けて、掛け捨て型と貯蓄型があります。

掛け捨て型は、保険料を支払っている期間は保証を受けることができますが、解約返戻金はないため、保険を解約してもお金は戻ってきません。

これに対し、貯蓄型は、保険料の払込期間終了後に解約返戻金を受け取ることができます。

生命保険の解約返戻金とは、生命保険を解約した場合や保険料の払込期間終了後に保険会社から戻ってくるお金のことをいいます。

掛け捨て型の具体例としては、医療保険、がん保険などがあります。

貯蓄型の具体例としては、終身保険、養老保険、学資保険などがあります。

掛け捨て型の生命保険に加入している場合、個人再生の手続に影響はありません。

解約したとしても、解約返戻金がないわけですので、清算価値に含めるものがないからです。

他方、貯蓄型の場合は、今生命保険を解約したとして戻ってくる解約返戻金を財産として申告して、清算価値に含める必要があります。

低解約返戻金型保険のように、貯蓄型でありながら、通常の貯蓄型保険よりも保険料が安く設定されている代わりに、途中解約した場合の返戻率が低くなっている商品もあります。

このような低解約返戻金型保険に加入している場合は、清算価値に含める金額も小さくなりますので、個人再生後の返済額への影響は小さくなります。

しかし、通常の貯蓄型保険に加入されていて、もし既に10年以上保険料を払い続けている方は、おそらく今解約したとして戻ってくる解約返戻金は、支払った保険料の8割を超える可能性がありますので、このような場合は、注意が必要です。

また、生命保険の解約返戻金を担保として、生命保険会社からお金を借りている方もいるのではないでしょうか。

この制度のことを契約者貸付制度といいます。

解約返戻金の範囲でお金を借りることができ、利息も金融機関や消費者金融と比べるとかなり安く設定されているところが多いようです。

契約者貸付制度により借りている場合、もともと戻ってくる予定の解約返戻金の一部を先に受け取っているということになりますので、借金ということにはならないので、個人再生の対象にはなりません。

以上

自己破産と相続放棄の関係について

2021年8月も終わりが近づいてきました。

東京も暑さが落ち着いてくれるとよいですね。

前回は、リボ払いについて書きましたが、今回は、自己破産と相続放棄の関係について書いてみたいと思います。

相続が生じた場合で、被相続人に多額の借金があった場合、相続人は、通常、相続放棄を選択するのではないでしょうか。

相続放棄とは、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ申述することによって、プラスの財産もマイナスの財産も全て相続しないようにする手続のことをいいます。

相続放棄が認められると、申述人は初めから相続人ではなかったことになります。

他方、自己破産とは、債務者の現在の資産や収入では、すべての借金の返済を続けていくことが不可能な場合に、自ら裁判所に対して返済が不可能であることを申し立てて、最低限の生活に必要とはいえない財産や、不動産などの高価な財産を債権者への返済に充てる代わりに、一部の例外を除いて全ての債務の返済義務を法的になくす手続です。

このように、相続放棄も自己破産も借金がなくなるという点だけを見ると、同じような制度のようにも思えます。

相続放棄と自己破産の違いはどこにあるのでしょうか。

相続放棄と自己破産とでは、税金の滞納があった場合の取り扱いが異なります

相続放棄の場合は、被相続人が有していた一切のプラスの資産や権利関係はもちろん、借金も引き継がないことになります。

被相続人が滞納していた税金の支払義務についても、相続放棄によって相続人が引き継がなくてもよいことになりますので、被相続人の税金を支払う義務はありません。

自己破産は、債務者が支払不能になってしまったため支払うことのできない借金を、裁判所に特別に免責してもらう制度です。

ただし、自己破産の場合は、非免責債権といって、税金の支払い義務はなくなりません。

そのため、自己破産が認められたとしても、税金は支払わなくてはなりません。

他にもいろいろな違いがありますので、相続と債務整理に詳しい弁護士に相談してみると良いでしょう。

以上

リボ払いについて

2021年7月もあと数日ですね。

東京ではオリンピックが開かれましたね。

前回は、個人再生をする場合の自動車保険や火災保険の解約返戻金の取扱いについて書きましたが、今回は、リボ払いについて書いてみたいと思います。

リボ払いの正式名称は、リボルビング払いといいます。

リボ払いの一番の特徴は、毎月の返済額を一定の金額に固定することにあります。

分割払いは支払回数を決めて支払っていく方法ですが、リボ払いは毎月の元金と利息を合わせた固定金額を支払っていく方法です。

リボ払いの種類は、残高スライド方式と定額方式が主なものになります。

残高スライド方式とは、あらかじめ設定されている支払残高によって毎月の支払額が変動する支払方法です。

定額方式は、支払残高が増えたとしても、毎月の支払額は変わらず固定のままとなる支払方法です。

ある月に大きな買い物をした場合、残高スライド方式だと毎月の支払額が変動する可能性があるのに対し、定額方式の場合は毎月の支払額に変更はありません。

もっとも、定額方式の場合、毎月の支払額を低く設定しすぎると元金の減りが遅くなりますので、その分手数料の負担が増えることになります。

キャッシングでもリボ払いができる会社もあります。

キャッシングリボ払いもショッピングリボ払いと同様に毎月設定された固定金額が引き落とされることになります。

リボ払いは、1回払いや分割払いとは異なり、高額商品を購入した場合でも、毎月の返済額は一定になるため、手もとにまとまったお金がないという場合でも支払いができるという特徴があります。

また、お金に余裕があるときは繰上げ返済ができるため、計画的に返済ができる場合は毎月の利息の支払額の割合が大きくなることを避けることができる可能性もあります。

リボ払いの問題点としては、リボ払いには金利が発生しますが、毎月の返済額が安く設定される傾向にあります。

そのため、支払期間が長期化し、結果金利の支払額が多額となってしまう危険性があります。

また、残高スライド方式の場合は、支払残高が一定額を超えると毎月の返済額も大きくなってしまいます。

そのため、ご自身で条件を把握していない場合は、突然毎月の返済額が大きくなってしまうため返済ができなくなってしまう可能性もあります。

リボ払いは、毎月の利用額と返済額との間に関連性がなく、利用額が多くても返済額が多くの場合一定のため、自覚なく利用しすぎてしまうことがあります。

カード会社としては、利息の支払いが一回払いと比べて多くなるリボ払いの方が自社にとっても有利なため、リボ払いの利用に誘導することもあります。

リボ払いにしていると、自覚なく毎月の返済額より多額の利用をしてしまうことがあり、そのようなことが続くと、毎月きちんと返済をしているにも関わらず、いつの間にかリボ払いの残高が多額になっていることがあります。

そして、リボ払いの残高が多額になると、今度は手数料の金額が多額になってしまいます。   

つまり、リボ払いの特徴として、意識しないうちに残高が増えてしまうことと、残高は増えてしまうと、毎月の返済額に内に占める手数料の額が多額になり、返済しても残高がなかなか減らないという点が挙げられます。

以上

個人再生での自動車保険や火災保険の解約返戻金の取扱いについて

2021年6月もあと数日ですね。

東京ではオリンピックが開かれるのでしょうか。

前回は、個人再生後に一括返済や繰り上げ返済ができるかについて書きましたが、今回は、個人再生をする場合の自動車保険や火災保険の解約返戻金の取扱いについて書いてみたいと思います。

個人再生は、債務整理の種類の内、裁判所に再生計画が認可されると借金の一部を免除してもらえる制度です。

個人再生をする場合、原則として自動車保険や火災保険を解約する必要はありません。個人再生は、全財産を処分して、借金を返済するという制度ではないため、無理にこれらの保険を解約する必要はありません。

ただし、個人再生では、清算価値保障の原則といって、最低でも手持ちの財産額以上の金額を返済に充てなければならないという決まりがあります。

そのため、自動車保険や火災保険に加入していて、解約返戻金がある場合、解約した場合の解約返戻金の見込額は財産とみなされ清算価値に計上する必要があります。

自動車保険の解約返戻金とは、自動車保険を解約した場合に保険会社から戻ってくるお金のことをいいます。

もっとも、全ての自動車保険で解約返戻金が出るのでしょうか。

自動車保険には自賠責保険と任意保険がありますので、分けて考える必要があります。

自賠責保険は、全ての自動車について、法律で加入が義務付けられています。

自賠責保険は自動車を所有している限り加入しなければならないものですので、廃車にした場合やナンバープレートを返納した場合を除いて、通常途中で解約することはできませんし、還付金もありません。

したがって、個人再生をするにあたって、自賠責保険の解約返戻金を清算価値に含める必要はありません。

他方、任意保険は強制加入ではなく中途解約も可能ですので、解約返戻金がある場合には、財産として清算価値に含める必要があります。

任意保険には、各損害保険会社が定めている返戻率がありますので、それに従って解約返戻金が決まることになります。

ただし、月額払いにしている場合は、解約返戻金が発生しないことが一般的ですので注意が必要です。

火災保険についても、解約返戻金がある場合は清算価値に含めることになります。

もっとも、住宅ローンが残っている場合、通常は住宅に抵当権が設定されています。

そのため、銀行としては、住宅ローンが残っている状態で、火事で住宅が全焼した場合、保険金を銀行の住宅ローンの返済に優先的に充ててもらう必要があります。

そこで、銀行は火災保険に質権を設定することがあります。

この場合、住宅ローンを完済するまでは銀行の承諾なくして火災保険を途中で解約することはできません。

したがって、火災保険の解約返戻金の見込額は0円と考えられますので、清算価値に含める必要はありません。

以上

個人再生後に一括返済や繰上げ返済はできるか

2021年5月もあと数日ですね。

東京では夏日の日もちらほら出てきてますね。

前回は、自己破産と相続との関係について書きましたが、今回は、個人再生後に一括返済や繰り上げ返済ができるかについて書いてみたいと思います。

個人再生は、債務整理の種類の内、裁判所に再生計画が認可されると借金の一部を免除してもらえる制度です。

個人再生には、小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類があります。

小規模個人再生では、①100万円、②借金総額の5分の1、③清算価値のうち最も高い金額まで借金を減額し、原則として3年、特別な事情がある場合には5年で返済をすることになります。

返済は、あくまで裁判所に認可された返済計画に従って行うのが原則です。

個人再生をした後に、給与が上がるなどして収入が大幅に増えた場合や、相続によって遺産分割を受けてまとまった財産を取得した場合に、裁判所の認可を受けた返済計画どおりに継続的に支払いをするのではなく、債務を繰り上げて返済したり、一括で返済したいと考える方もいるのではないでしょうか。

個人再生の場合は債務に利息が付きませんので、返済期間を短縮しても利息が少なくなるメリットはありませんが、早く債務の支払義務から解放されたいと考える方も多いと思います。

一括返済とは、文字どおり、債務全額を1回で支払うことをいいます。

繰り上げ返済とは、毎月の返済に加えて債務額の一部または全部を返済することをいいます。

個人再生の繰り上げ返済では、返済期間を短くする方法が用いられます。

個人再生後の繰り上げ返済は、法律上禁止されていませんので、結論としては一括返済や繰り上げ返済は可能です。

ただし、債務整理をする場合、原則として債権者を平等に扱うべきという「債権者平等の原則」という考え方があります。

特に個人再生は裁判所を介する法的債務整理手続のため、「債権者平等の原則」が厳格に適用されます。

個人再生後に一括返済や繰り上げ返済を行うのであれば、一部の債権者に対してのみ一括返済や繰り上げ返済をすると他の債権者に不公平になりますので、全ての債権者に平等に返済しなければなりません。

このように、全ての債権者に平等に一括返済する場合は、基本的には問題ないとされています。

ただし、あくまで債権者が同意することが前提となります。

また、個人再生後に、圧縮された債務には利息が付きません。

そのため、一括返済や繰り上げ返済で債務の返済が早まることで債権者側に生じるデメリットはありません。

したがって、一括返済や繰り上げ返済を拒否する債権者はほとんどないと考えられます。

ただし、個人再生の手続開始からあまり日が経っていない場合には注意した方が良いと思われます。

債務者が返済不可能な状態にあったからこそ、裁判所に個人再生の申立てをし、債権者が債務を圧縮することに同意したにもかかわらず、裁判所の認可が出てすぐに一括返済や繰り上げ返済をするとなると、最初から借金の減額を目的にして不正な方法により不当に債務を免れることが目的だったのではないかと疑われる可能性が高くなります。

特に再生計画認可から半年も経過していない場合は、債権者が不満に思ったり、財産隠しを疑われる可能性もあります。

そのため、一括返済や繰り上げ返済をするのであれば、そのタイミングや債権者との交渉については、弁護士などの専門家に事前によく相談することが大切です。