相続税の連帯納付義務について

あっという間に2023年8月も終わりですね。。

東京もまだまだ暑いですね。

そろそろ夏の疲れが出てくるので、注意して生活したいところです。

 

前回は、相続税申告における書面添付制度(税理士法第33条の2)について書きましたが、今回は、相続税の連帯納付義務について書いてみようと思います。

相続税は、相続財産を取得した人が、その取得した財産の価額に応じて支払うべき税額を計算します。

相続税の申告期限は、通常は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。

この申告期限内に、相続財産を取得した人が、自分が取得した財産の価額に応じて、それぞれ相続税を納付することになります。

それでは、相続人等の中に相続税を納付しない人がいた場合、どうなるでしょうか。

みなさまの中には、自分が相続で取得した分の相続税を支払えば何の問題もないのでは?、とお考えの方も多いのではないでしょうか。

相続税には、連帯納付義務といって、各相続人がお互いに連帯して納付しなければならないというルールがあります。

そのため、自分が取得した財産に課税される相続税ではないにもかかわらず、これを利子税とともに納付しなければならなくなる可能性があります。

このような義務があることにとても驚かれる方も多いのではないでしょうか。

それでは、相続税の連帯納付義務がある人はどのような人でしょうか。

まず、被相続人から相続または遺贈により、みなし相続財産を含めた財産を取得した人が、連帯納付義務を負うことになります。

また、被相続人から生前贈与を受け、相続時精算課税制度を利用していた人も、連帯納付義務の対象に含まれるので注意が必要です。

他方で、家庭裁判所で相続放棄をした場合は、連帯納付義務を免れることになります。

ただし、相続放棄をしても、被相続人の死亡保険金や死亡退職金は指定受取人の固有の財産として受け取ることは可能ですので、受け取った死亡保険金や死亡退職金は、連帯納付義務の対象となります。

相続人の中に相続税を支払わなさそうな人がいる場合は、対策を考えておいた方がよさそうです。