相続不動産の豆知識④相続した土地で立て替えたい

今回は,相続した土地に,新たに建物を建てたい と考える時のいくつかの注意点をお伝えします。

簡単にいえば,今建っているのと同じサイズの家は,建たないケースも多くある,という注意点です。

1 セットバック

セットバックという言葉は聞いたことがある人が多いと思います。道路の中心線から両面につき,一定の長さを確保しなければなりません。

建物を立て直す時にセットバックが必要な土地は多くあります。1メートル程度後退が必要になると,面積も大きな影響を受けますので,代償分割の評価の際にも注意が必要です。

2 既存不適格

昔は合法であったが,今では不適法な建物になっているケースです。立て直す場合には当然現在の法律に基づいて建築をしなければなりませんので,極端な例でいえば,昔は家が建てられたのに,今は建てることすら困難 な土地があります。

典型的な例は,接道義務(昔は2.7メートル接道していればよかったが,今は4メートル接している必要がある),用途地域変更(昔は工場が建築できたが,今は住宅専用地域),日影規制,容積率規制等で,立て直すと高さや床面積に制限が加わる,等です。

遺産分割において土地を取得する場合で,立て直しを検討する場合には,これらの規制に注意をする必要があります。