相続土地国家帰属制度③

相続土地国家帰属制度の3回目です。

今回は、国庫帰属ができる土地とできない土地の区別について の前半です。相続担当の弁護士としてみると、国庫帰属ができる土地は非常に限定的だなと感じます。

まず、土地は単独所有権か、共有持ち分の場合には共有者全員である必要があります。そして、建物が建っている土地はダメで、建物以外の工作物(カーポート等の建物付属物でしょうか)についても、管理・処分を阻害するような物がある場合には国庫帰属は認められません。廃屋等が存在する地方の土地を国庫帰属させたいというニーズはありそうですが、この制度の対象外であり(解体等を結局相続人がしなければならない)、今後とも残念ながら廃屋は増加するのでしょう。

次に担保権や使用収益件が設定されている土地はダメです。これはそりゃそうですよね。

一定の勾配があったり、崖地など、管理に過分な費用や労力がかかる土地もダメです。勾配は30度以上がダメなようです。概ね登れそうな山であれば30度ということはないでしょうから、山林は勾配要件はなんとかなる土地が多そうです。

また、隣地との境界がはっきりしている必要がありますし、隣接している土地の所有者等と争訟しなければならない土地もダメです。

浄化槽や水道管、ガラや土壌汚染がある土地などもダメです。