交通事故の加害者が任意保険に入っていなかったら

交通事故に遭った場合,被害を受けた方は,治療を受けるための治療費であったり,

ケガのために会社を休業せざるを得なくなり休業損害が発生したりします。

また,精神的苦痛に対する慰謝料など,多数の損害が発生します。

多くの場合は,加害者が任意保険会社に入っていて,加害者の任意保険会社が治療費や休業損害,

慰謝料などを払ってくれます。

しかし,加害者が任意保険に入っていないこともまれにあります。

そのような場合は,治療費や休業損害などの損害をどのように補填したらよいのでしょうか。

・加害者に請求

もっともわかりやすいのは,加害者本人に請求して損害を賠償してもらうことです。

加害者が仕事中の場合には,加害者を雇っている会社も賠償責任を負う可能性が高いため,

支払能力という意味では,会社にも請求することが考えられます。

ただ,加害者本人の支払意思や支払能力次第では,まったくうまくいかず,相談に来られる方も多いです。

費用面で問題がなければ,加害者を相手に裁判を起こし,差し押さえなどの強制執行をすることもできます。

・自分の保険を使う

また,自分が入っている保険の人身傷害特約などを使えば,治療費や休業損害,慰謝料などの損害を

保険会社の基準で支払ってくれます。

慰謝料などは裁判基準よりは低くなりますが,当座の治療費や休業損害の心配はなく治療ができますし,

後から加害者に不足分を請求することも可能です。

人身傷害保険についてはこちらをご覧ください。

・加害者の自賠責に請求

人身傷害特約などの保険に入っていない場合でも,加害者が自賠責保険にさえ入っていれば,

加害者の自賠責保険に治療費や休業損害などを請求(被害者請求といいます)することもできます。

この場合には,自賠責の基準で計算されるため慰謝料が裁判基準より低くなったり,上限額が決まっていたりします。

また,いったんは治療費などを立て替える必要がある医療機関も多いようです。

・労災を使える場合

この他,自分が通勤途中や業務中であった場合には,労災を使うことも考えられます。

労災指定病院の場合には治療費を立て替える必要もなく,心配なく治療を受けることができますし,

休業損害も支払われます。

ただ,慰謝料の支払いはないですし,休業損害も働いていた場合の100%が支払われるわけではありません。

 

このように,様々な対応が考えられますが,それぞれ一長一短があるのと,

加害者の反応や資力,費用面などから,どの方法が適切なのかは難しい問題です。

弁護士費用特約が使える場合には,費用面の心配も減りますので,どの方法をとるべきか,

弁護士に早期にご相談されることをお勧めします。

令和がはじまりました

新元号が令和に決まり,御代替わりの式典などがあった10連休,皆様はいかがお過ごしでしたでしょうか。

私は,弟の赴任地とその先にも足をのばし,珍しく遠出の旅行をしていました。

東京では一般参賀などにたくさんの方が訪れたようですが,

遠方の地にもたくさんの方がいて,この調子でいろいろなところにこれだけの人がいたら,

家にいる人はどのぐらいなのだろうと考えるほどです。

しかし,アンケートや統計などを見てみると,海外旅行に行く方は意外と少ないですし,

国内旅行にしてみても,半数も行っていないというような内容で,少々驚きます。

東京に戻るときに,せっかく早くから予約した最終の新幹線に乗れなかったことだけが心残りですが,

普段は感じないようなきれいな海や気持ちいい風,地元のいいおばあちゃんなどに触れ,

非常によいリフレッシュになりました。

さすがに10連休もあると何もやることがないのではないかと心配していましたが,

数日は仕事をした日もありつつ,思った以上の速さで過ぎ去ってしまいました。

今月は,月の3分の1がすでに終わっているということで,

様々なところでたまった仕事の悲鳴もあるようですが,

残り20日程度,頑張っていきましょう。

 

弁護士費用特約について

今日は,最近交通事故事件を扱っていて,よく質問される弁護士費用特約について

よく聞かれる内容を書いてみたいと思います。

交通事故の損害の賠償を加害者に請求する場合の弁護士費用を

保険金で支払ってもらえるという特約が,弁護士費用特約です。

弁護士費用特約は,必ずしも自動付帯されているわけではありませんが,

保険証券に記載があれば使える可能性が高いです。

多くの車両保険についている弁護士費用特約では,

相談料と弁護士費用(報酬や実費など)についてそれぞれ上限があり,

弁護士費用の上限は300万円とされていることが多いです。

交通事故でもっとも多い,いわゆるむちうちのような症状ですと,

通常この上限内に収まるため,持ち出しなく弁護士に気軽に依頼することができます。

また,ご家族での事故などの場合にも,この枠は数人で分け合うものではなく,

1人あたりの枠ですので,上限が減るということもありません。

弁護士費用特約を使うにあたって,よく聞かれることに,

保険料が上がりませんか?といった質問がありますが,

弁護士費用特約は,通常ノーカウント事故として等級が上がらない特約になります。

そのため,保険料が上がったり,その他保険の内容で不利になることは通常ありません。

保険料も上がらず,弁護士費用の負担なく弁護士に依頼することができる

非常に便利な特約ですので,使える可能性があるものがないか,ぜひご依頼の前に一度ご確認ください。

車両保険だけではなく,火災保険や生命保険などについていることもありますし,

同居のご家族や,別居でも未婚のお子様であれば使えることもあります。

 

高次脳機能障害に関する交通事故研修

先日,事務所内部での交通事故に関する研修として,高次脳機能障害に関する研修を行いました。

高次脳機能障害とは,事故などによる頭部への大きなダメージにより,脳に損傷が生じ,

記憶障害,注意障害,遂行機能障害,社会的行動障害などが生じる障害です。

症状としては,この4つの障害にまとめられるように,

激しい物忘れをするようになったり,意思疎通が難しくなったり,

理由なく衝動的な行動をとるようになったり,と様々で,

複合的な症状が出ることも多いです。

後遺障害等級にすると,軽い場合には14級,重い場合には1級(常時介護を要する)と,

その程度に応じて幅広い後遺障害認定があり得ます。

ですから,高次脳機能障害があるにもかかわらず,その立証ができない場合,

非常に大きな損害を被っているにもかかわらず,その損害が補填されないということが

起こります。

そして,高次脳機能障害の場合,CTなどの検査画像ですぐにわかる場合は別として,

その原因がCTなどではわからない,ということも多くあります。

出血がある場合にはCTですぐにわかるのですが,びまん性軸索損傷のように

出血しない場合もありうる脳損傷だと,必ずしもCTではわからないのです。

そこで,MRIなどで出血の痕跡がないか,さらに画像の感度を変えることで

よりその痕跡を明らかにできないかなど,適時に適切な検査を受けておく必要があります。

高次脳機能障害が残るような事故の場合,大けがをしていることも多く,

当初はその大きな外傷に目が行きがちで,医師すら高次脳機能障害に気づかない,疑わない,

ということも多く,その場合には画像や医療記録という重要な証拠がないままに

治療が進んでしまうのです。

家族が言動や行動など,よく観察し,それを医師や看護師に伝えたうえで,

適切な検査等を受けていない場合には,どれだけ症状が出ていたとしても

その症状が交通事故によるものであると立証できないことも多いのです。

もし,高次脳機能障害が疑われるような場合には,できるだけ早い段階で,

交通事故,特に高次脳機能障害に詳しい弁護士に相談されることをお勧めします。

弁護士法人心の高次脳機能障害に関するサイトはこちら

顧問医による内部研修

今日は,弁護士法人心の顧問医も務めていただいている白井康裕医師に

「実例から学ぶ臨床医の意見書作成の実際 後遺障害の医学的分析」

というタイトルで交通事故の内部研修をしていただきました。

白井先生は特に整形外科領域のMRIなどの画像診断を得意分野とされています。

交通事故事件を多く扱っていると,中には完治せず後遺障害申請を行う方も

多くいらっしゃいます。

その際,MRIなどの画像所見がポイントになるケースというのは多々あります。

たとえば,交通事故の中でも多い,いわゆるむちうちの場合であっても,

痛みの原因となる画像所見を医学的に証明することができれば,

後遺障害12級を獲得できる可能性も見えてきます。

もっとも,事故の大きさそのものや,事故直後からの一貫した症状など,

他の諸条件を満たしたうえでの認定ではありますが,

神経症状での後遺障害14級と12級の大きな境目となるのが,

この画像所見の有無です。

画像所見により医学的証明にまで至っていれば12級がつく可能性がありますし,

他方,証明にまで至らず,医学的に説明可能である程度にとどまっていれば14級が

つく可能性があるにすぎません。

むちうち以外にも,後遺障害の判断にあたり画像がポイントとなることは数多くあり,

訴訟等でシビアに等級を争うこともあります。

そうした場合にそなえ,弁護士法人心では,後遺障害チームをつくったり,

顧問医をおいたりと,よりよいサービスの提供に努めています。

 

あけましておめでとうございます。

2018年も終わり,新しい年を迎えました。

昨年お世話になった方々,誠にありがとうございました。

本年もますます勉強の日々と思い頑張ってまいりますので,

どうぞよろしくお願いいたします。

 

昨年は,通っている心理学の講座で立てた目標が無事に達成されました。

これまでにも,別の経営塾でも目標は具体的に言語化すること,

というのを教えてもらいましたが,

具体的に言語化できるのとできないのとで,目標達成ができるかできないかも

変わるのだと実感した1年でした。

 

思えば,中学高校時代に吹奏楽部でクラリネットを吹いていましたが,

まず譜面をもらってすぐに楽器を吹くのではなく,

譜面読みをしたり,パートでの譜面読みをしたりと,

声に出して練習をしていました。

声に出してできないものは,楽器にしてもできないからです。

声に出してイメージできるから,クラリネットを通してもそれを再現することができるのです。

 

それと同じように,目標も自分の中で具体的にイメージできなければ,

達成できないということが実感を通してわかりました。

 

今年の目標もより具体的に明確に立てることで達成していきたいと思います。

目標は長すぎるのでここでは省略しますが,

今年も,弁護士として,辛い思いをしている方々に少しでも

幸せになっていただけるよう頑張ります。

よろしくお願いいたします。

 

 

 

弁護士法人心のテレビCM開始

弁護士法人心初のテレビCMが本日から放映されています。

CMには弁護士法人心が常に求めていることが短い時間ながらも

ぎゅっと凝縮されていると思います。

CMは2種類ありますが,

1つ目は,弁護士それぞれが分野を絞ってそれに専念することで,

医師同様に専門性を向上させるという内容,

2つ目は,同じくそれぞれの担当する分野について専門性を向上させるため,

内部研修や勉強会等の日々の研鑽を行っているという内容,

になります。

いずれも,なんでもできる弁護士ではなく,何か特定の分野について

ものすごく詳しい専門家という弁護士を目指している

当法人の考え方,あり方をわかりやすくお伝えする内容になっています。

昔はなんでもできる,なんでもやる弁護士が当たり前でしたが,

弁護士法人心では,よりニーズも高まり情報化も進む現代社会の中では,

より的確に,より早く,より安価に多くの方にリーガルサービスを提供するには,

よりその分野に専門特化していくことが最善かつ最短と考えています。

このメッセージが少しでも多くの方に伝わること,

ひいてはより多くの方に身近に専門家としての弁護士を感じてもらえれば幸いです。

弁護士法人心では,交通事故,相続,債務整理,離婚等,様々な分野を

扱っております。

お困りの際はお気軽にご相談ください。

街歩きゲーム

先日テクテクテクテクという新しいゲームがリリースされたので,私も始めてみました。

携帯のアプリゲームで,名前のとおりではありますが,街を歩くゲームです。

日本中の街区を塗りつぶしながらモンスターと戦ったり仲間になったり,という内容です。

今まであまりゲームをしてこなかった人間ですが,街歩きという健康やダイエットもしつつ

楽しめるゲームで結構はまっています。

仕事がら,いろいろなところにも移動するので,移動しながら気づいたらゲームが進んでいる

というのも嬉しく,移動や出張を楽しめます。

しかも,予約ぬりという機能があるので,移動中ずっと画面を見ている必要もなく,

後からぬれるので,とても便利です。

特に,実際に歩きながら操作が必要だと,歩きスマホなど,危険にもつながりますが,

最近はゲームもこうした危険がないように,いろいろな機能を用意しているのだなあと,

感心しました。

事務所のある東京は比較的狭い街区が多く,その一帯を塗りつぶすのが割と簡単ですが,

地方だとひとつの街区が大きくて,実際に行った方がよいところも多そうです。

まだ始めたばかりですが,気づいたら仕事や旅行で日本を制覇していた,

という日が来るのが今からとても楽しみです。

足指の後遺障害について

今日は,足指の後遺障害について記載したいと思います。

足指の後遺障害には,欠損障害(足指の中足指節関節から失ったことに関する後遺障害)と

機能障害(足指の関節の動きが悪くなったことに関する後遺障害および欠損障害に該当しない部位を失ったことに関する後遺障害)があります。

 

機能障害は,「足指の用を廃した」という要件が必要になりますが,

①親指の末節骨の長さの2分の1以上を失ったもの,

②親指以外の足指について,中節骨または基節骨で切断したもの,

③親指以外の足指について,遠位指節間関節または近位指節間関節で離断したもの,

④親指の中足指節間関節または指節間関節の可動域が2分の1以下に制限されるもの,

⑤親指以外の足指の中足指節間関節または近位指節間関節の可動域が2分の1以下に制限されるもの,

のいずれかをいいます。

 

欠損障害の等級

5級:両足の足指の全部を失ったもの

8級:1足の足指の全部を失ったもの

9級:1足の親指を含む2本以上の足指の全部を失ったもの

10級:1足の親指を失ったもの

1足の親指以外の4本の足指を失ったもの

12級:1足の第2の足指を失ったもの

1足の第2の足指を含む2本以上の足指を失ったもの

1足の第3の足指以下の3本の足指を失ったもの

13級:1足の第3の足指以下の1本または2本の足指を失ったもの

 

機能障害の等級

7級:両足の足指の全部の用廃

9級:1足の足指の全部の用廃

11級:1足の親指を含む2本以上の足指の用廃

12級:1足の親指の用廃

1足の親指以外の4本の足指の用廃

13級:1足の第2の足指の用廃

1足の第2の足指を含む2本の足指の用廃

1足の第3の足指以下の3本の足指の用廃

14級:1足の第3の足指以下の1本または2本の足指の用廃

 

欠損障害については,後遺障害診断書の該当欄に欠損部位を記載してもらう必要があり,

機能障害については,機能障害の原因と考えられる変形癒合や関節拘縮,神経損傷等を記載してもらい,

測定した関節可動域の数値を記載してもらいます。

可動域の後遺障害認定は,怪我をした側(患側)と怪我をしなかった側(健側)との比較で行われますので,

間違いなく両側測定してもらい,記載してもらってください。

 

 

 

後遺障害は,認定される等級に応じて,慰謝料や逸失利益などの賠償額自体に大きな違いをもたらします。

適切な賠償を受けるためには,適切な等級認定が必須ですし,適切な等級認定のためには,

診察時や後遺障害診断書作成時にもさまざまなことに注意する必要があります。

後遺障害申請に詳しい弁護士にご相談ください。

 

 

ハロウィンですね。

今日は10月31日,ハロウィンの日ですね。

すでに,ハロウィンに一番近い週末には,繁華街での騒動等が伝えられています。

今日も町に繰り出して仮装を楽しんでいる方がたくさんいらっしゃると思います。

ただ,毎回のように言われるマナーの問題から,時には犯罪行為も

あるようですので,十分気をつけてほしいと思いますし,

せっかく楽しいはずのイベントなので節度を保って続けていけるようにしてほしいですね。

毎年のようによく聞きますが,露出の多い服を着ている女性に対して,

体を触ったりするような行為や盗撮行為などが横行しています。

迷惑防止条例違反や,程度によっては強制わいせつ罪にあたる可能性もあります。

人混みで誰かもわからないような状況だと,被害届を後から出しても,

加害者が誰かわからないため,結局警察としてもそれ以上の捜査ができないということも

多いです。

このような場だからこそ,その場でその加害者を現行犯としてつかまえ,

一緒にいた友人やその場にいた人などの目撃者がいる状況で警察に対応してもらえば,

きちんと立件できる可能性が高まります。

ちなみに,現行犯逮捕は警察官などでないとできないわけではなく,

一般人でもできるものです。

弁護士法人心では,刑事事件も対応しておりますので,

お困りの際はぜひご相談ください。

 

交通事故の示談金チェックサービス

交通事故で怪我をした場合,①治療にかかる治療費,②通院にかかる交通費,③入院をした場合には入院中の諸雑費,④仕事を休んだり家事ができなかったりした場合の休業損害,⑤怪我や通院加療による精神的苦痛を慰謝する慰謝料,後遺障害が残ってしまった場合には,⑥後遺障害に対する慰謝料,⑦後遺障害によって将来的に労働能力が低下し本来得られるはずであった収入が得られなくなるために発生する逸失利益などの損害が発生します。

もちろん,亡くなられてしまうケースや,保護者の通院付添や将来的に介護が必要になってしまう場合など,これ以外の損害が発生することもあります。

交通事故で怪我をすると,多くの場合,加害者の加入している任意保険会社が治療費を直接医療機関に支払ってくれて,治療が終われば示談金の提示がきて示談,という流れになります。

そして,多くの方が,加害者の任意保険会社が提示してきた示談案について特に疑問を持たずに,そのまま示談されていると思います。

しかし,実は,保険会社から提示されている示談金が,弁護士が交渉することによって増額する可能性があります。

特に,慰謝料については,自賠責基準や保険会社の任意社基準ではなく,弁護士基準で計算することで,増額する可能性が高い項目です。

また,具体的にどのような不都合を強いられたのか,加害者側の特に悪質な事情はないか,といった増額事由の主張を強くすることで増額される可能性もあります。

 

弁護士法人心では,保険会社から提示される損害賠償額が適正か,無料で診断するサービスを行っております。

弁護士法人心は,交通事故案件を多数取り扱っており,交通事故に強い弁護士が多く在籍しており,解決実績も非常に豊富です。

交通事故に詳しい弁護士が直接お話しをお伺いし,増額される項目はないか,丁寧に診断いたしますので,ぜひお気軽にご連絡ください。

 

訴状が送られてきたら

弁護士法人心では,各弁護士がそれぞれある分野に詳しくなることで

クオリティーの向上,お客様の満足度の向上を目指しており,

チーム制で事件を扱っています。

たとえば,私の場合は,交通事故をメインで扱い,その他の分野も第2分野として

扱っており,いわゆるなんでも屋さんのようにどの分野も扱っているわけではありません。

先日,相手方から急に訴状が届いたというお客様からの相談がありましたので,

交通事故の事件において,訴状が送られてきた場合の対応について,

書いてみたいと思います。

交通事故の被害者の場合,加害者が任意保険に加入していれば,

通常,その保険会社が示談を代行し,最終的な支払等も保険金で行われることになります。

ただ,事故後から物損や過失割合についてあまりにも交渉が進まない場合や,

怪我の治療が相当長くなってしまい治療期間や治療費に争いがある場合など,

示談前の段階から保険会社との話し合いが始まることがあります。

これが当事者間の話し合いでまとまらないとき,場合によっては相手方から訴訟や調停を

起こされる可能性があります。

訴訟が起こされると,裁判所から訴状が届き,初回期日が指定され答弁書の提出を求められます。

訴訟の場合,この答弁書を提出せずに初回期日を欠席すると,

その期日で相手方勝訴の判決となります。

すなわち,相手方の請求がすべて認められてしまうということです。

他方,調停の場合には,話し合いの手続きですから,調停不成立となる可能性などはありますが,

いきなり相手方の請求が認められるということはありません。

ただ,その後の方針にも関わりますし,話し合う意向があるのであれば欠席するという態度等が

マイナスに働く可能性はありえます。

このように,相手方から急に訴訟や調停を起こされた場合には,自分の反論も踏まえてその後の方針を考え

それに沿った対応をする必要があります。

書面の準備や期日までに反論や方針をある程度まとめる必要もありますので,

訴状が送られてきたらできるだけ早期に弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士への法律相談をお考えの方はこちら

牧草さんによる講演

今日は,「クライアントが紹介したくなるコミュニケーションの本質」と題して

牧草さんによる弁護士法人心での内部研修が行われました。

演者は,大企業の営業等を経て,

現在,経営コンサルタント会社である株式会社CVC代表取締役,

保険代理店である株式会社ルシオン執行役員を務めている

牧草大輔さんでした。

牧草さん自らの営業でのご経験,時にはうまくいかなかったとき,

そこからどのようにしてその状況から抜け出したか,といったこともお話いただきました。

今回,タイトルにもあるように,クライアントが紹介したくなるコミュニケーションについて

お話いただきましたが,牧草さんご自身も大切にされている,

今目の前にいる人を大切にする,ということが,まさしくご紹介につながる本質だと

改めて実感しました。

また,コミュニケーションの本質としては,やはり信頼のひとことに尽きるのだと

感じる講演でした。

実際にはそれを積み上げる小さな方法論がたくさんあると思いますが,

そうした具体例も盛り込みながら,おおもとにある考え方を思い出させてくださる,

貴重な機会となりました。

実際の仕事の中でも,いま目の前にいるお客様ご自身から紹介をいただく機会もあり,

そうすると,まさに今信頼されている,満足されている,ということを感じ,

日々の活力になるなあと思います。

牧草さん,本日はご講演いただきありがとうございました。

 

内定者研修

お盆最終日に内定者研修がありました。

来年の4月から勤務予定の新卒のスタッフ向けの研修でした。

一般的な内定式の時期には少し早いですが,弁護士法人心では,

内定が出た段階から,弁護士法人心の理念を伝えるとともに

内定者同士,先輩スタッフや弁護士との親睦を深めるため,

およそ月に1回の内定者研修を行っています。

今回は,弁護士という特殊な仕事への理解の一部として,

マーケットイン型の仕事における大切なことや,

考え方の基本となる部分の話がメインでした。

毎回,先輩スタッフや弁護士も参加するのですが,

今季新卒の内定者研修は初めてで,大変新鮮でした。

とてもフレッシュで仕事への期待などに満ちている姿は

見ている我々も元気になるものだと改めて思います。

毎回,研修のはじめに,それぞれの簡単な自己紹介を行いますが,

研修での気づきや変化によってその内容も変わっていくのではないかと思い

これからの成長が楽しみです。

研修後は,研修に参加した全メンバーで懇親会を行います。

懇親会でも,それぞれが当日に研修で得た気づきについて

シェアする時間がとられます。

その日のうちに研修で得た気づきや自分の変化などを

他の参加者とシェアすることで,より深く考え,より記憶に残る

研修になっているのではないかと思います。

 

 

刑事弁護における早期示談の重要性

先日が国選弁護の待機日でしたので,それにちなみ,

刑事弁護における早期示談の重要性について記載したいと思います。

刑事事件を起こした場合,その場で現行犯逮捕されたり,

ある程度容疑に対する捜査が行われてから通常逮捕されたり,

逮捕という身柄拘束が伴う場合があります。

もちろん,事件の内容によっては,逮捕などの身柄拘束を伴わずに捜査が

進んでいく場合もあります。

どのような場合でも,被害者がいる犯罪の場合には,被害者との示談という問題が

出てきます。

もし,逮捕されている場合には,逮捕されてから48時間以内に警察から検察に送致され,

そこから24時間以内に検察官が勾留請求するかしないかを決めます。

もし勾留請求がなされ決定した場合,10日間,延長された場合にはさらに10日間,

身柄拘束が続くことになります。

このように,最長23日間の身柄拘束が予想される場合,弁護人としては早期の身柄解放のために

活動を行います。

被害者のいる犯罪では,被害者との示談,つまり,

被害者に対する何らかの被害回復が行われているのか,被害者が処罰を望んでいるのか,

身柄解放に対する活動においても重要になります。

もちろん,前科前歴があるとか,余罪があるとか,逃亡のおそれがあるとか,その他さまざまな事情も

考慮されるため,示談をしたからといって必ずしも身柄が解放されるわけではありませんが,

できるかぎり早期に示談することで早期の身柄解放につながる可能性があるのです。

また,身柄拘束のない刑事事件であっても,検察官が起訴とするか不起訴とするかの判断の際,

起訴された後の場合でも,刑の重さを判断する際に,

示談の有無,内容というのは当然考慮される事情です。

ですから,刑事事件における早期の示談解決は非常に重要なのです。

できる限り早く詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

圧迫骨折

先日,ご相談の中で受けた質問があったので,

今日はその内容にあった圧迫骨折の後遺障害について書きたいと思います。

圧迫骨折の場合,ありうる後遺障害としては,

変形障害として,

6級(脊柱に著しい変形を残すもの),

8級(脊柱に中程度の変形を残すもの)

11級(脊柱に変形を残すもの)

運動障害として,

6級(脊柱に著しい運動障害を残すもの)

8級(脊柱に運動障害を残すもの)

があります。

 

今回のご質問の内容は,この脊椎固定術について,カルシウムを入れる椎体形成術が行われた場合でも

後遺障害に該当するか,というものでした。

通常,脊椎固定術が行われていれば,それだけで11級の認定がされます。

11級の脊柱に変形を残すものとは,

・脊椎圧迫骨折等を残しており,そのことがレントゲン等により確認できるもの

・脊椎固定術がおこなわれたもの(移植した骨がいずれかの脊椎に吸収されたものを除く)

・3個以上の脊椎について,椎弓切除術等の椎弓形成術を受けたもの

のいずれかで,脊椎固定術が行われていれば,骨移植で骨が脊椎に吸収されていない限り,

11級の変形障害に該当するからです。

椎体形成術が行われる場合,椎体の中に挿入するものとしては,セメントのほか,

リン酸カルシウム骨セメント,ハイドロキシアパタイトなどがあります。

圧迫骨折は,たとえ後遺障害が認定されたとしても,外からは見えにくく,神経症状や運動障害とは異なり,

労働能力には影響を与えないとして,逸失利益を否定されやすい後遺障害です。

そのため,交通事故や後遺障害に詳しい弁護士に依頼されることをお勧めします。

 

改正債権法

今日は,弁護士全体での内部研修がありました。

平成32年4月1日施行で債権法が改正されます。

それに伴う改正時期と保証についての研修を行いました。

 

今回の改正で,定型約款に関する規律が設けられ,

施行日前の定型取引についても適用されることになっています。

ただし,施行日前に反対の意思表示が書面でされた場合には,

適用されないこととされており,

実際の運用面では,改正前の手当がかなり必要になるものと思われます。

 

保証については,基本的な内容は旧法を維持したまま明文化されたものが多く,

新たに設けられたものとして保証人を保護する観点からの情報提供義務,

個人保証人保護の拡充のための規律があります。

情報提供義務については,

458条の2:委託を受けた保証人の請求があったときは,債権者は,主債務の元本や利息等の

従たる債務についての不履行の有無・各債務額・そのうちの弁済期到来分の額に関する情報を

提供しなければならない

458条の3:保証人が個人である場合には,主債務者が期限の利益を喪失した場合には,

債権者は,保証人に対し,そのことを知った時から2か月以内に,その旨を通知しなければならず,

その通知をしなかったときは,保証人に対し,期限の利益を喪失した時から通知を現にするまでに

生じた遅延損害金を請求することができない

465条の10:保証人が個人である場合には,事業のために負担する債務を主債務とする保証契約や

これを主債務の範囲に含む根保証契約については,その委託をする主債務者は,事故の財産及び

収支の状況等に関する情報を保証人になろうとする者に対して提供しなければならない

としています。

個人保証人保護のための規律としては,

根保証契約に関して極度額を定めなければならないとする規律と元本確定事由に関する規律について,

適用対象となる保証契約の範囲の拡大を行っています(465条の2,4,5)。

また,個人が保証のリスクを十分に自覚せずに保証人に安易になること防ぐため,

事業のために負担した貸金等債務を主債務とする保証契約やこれを主債務の範囲に含む根保証契約については,

一定の例外を除き,公的機関である公証人が保証人になろうとする者の保証意思を事前に確認しなければならない

ものとし,この意思確認手続を経ていない保証契約を無効としています(465条の6~9)。

なお,この公証人による保証意思確認手続の創設関係については,施行日が平成32年3月1日とされています。s

むちうちの自賠責14級非該当事案での訴訟

先日,むちうちでの自賠責14級非該当事案で訴訟をしていた案件で,

和解が成立しました。

過去3年内に同じくむちうちで14級の認定があったため,

自賠責で14級非該当と判断された事案でした。

自賠責では,過去に後遺障害等級認定がされていると,

同一部位については,さらにそれよりも重い等級の後遺障害認定がされない限り,

非該当となってしまいます。

それに加え,前事故からの期間も短く,後遺障害の認定は難しい事案でした。

相手方は,自賠責非該当で,過去3年内に同一部位での後遺障害認定歴もあるため,

今回の交通事故での後遺障害については,一切否定という立場でした。

しかしながら,今回の事故態様,それによる症状及びその後の経過,症状と検査結果等の所見との整合性

などを主張し,後遺障害慰謝料の認定を得ることができました。

このように,過去に同一部位に後遺障害等級の認定を受けていたとしても,

自賠責での加重の要件を満たすことはないですが,裁判所での後遺障害の認定を受けることが

できる場合もあります。

過去に認定歴がある場合,特に,期間が空いていない場合には,

後遺障害の認定を受けることは非常に難しいですが,

だからこそ交通事故,後遺障害に詳しい弁護士に相談することで,

よりよい結果を得ることができます。

弁護士法人心のむちうちに関するサイトはこちら

NLP1日講座

今日は,NLP1日講座東京コースに参加してきました。

NLPに行くのは初めてでしたが,実際に体を使ってのワークが多く,

楽しくわかりやすく,NLPの全体像をつかむことができたと思います。

とても盛りだくさんで,これからの本コースが楽しみです。

何より,タカさんご自身の経験を踏まえた3つの失敗のお話が

非常に印象的でした。

こうして先人が自らの失敗と経験談をもとに,正しい方法を教えてくれる

という意味でも,セミナーや研修というものの意義を感じました。

今日学んだことは,当然のことながら日常の仕事の中で,

お客様との間でも,職場の人同士でも,使えるものがたくさんありました。

日常業務の中でもアウトプットしながら,使っていけるようになりたいと思います。

ただ,今日のワークの中で,ある気持ちを演じるのと,演じるのではなくその時の体の状況を感じて

ステートに入るのとを両方やってみる,というのがありました。

このワークの後で,演じる方が楽な場合は,働きすぎの傾向があると言われたのが若干心配ですが,

もともとミュージカルが好きだったりするので,演じる方が慣れているだけだと思いたいですね。。。(笑)

今ある自分というのが,過去の経験とその記憶,その意味付けにより成り立っている,

ということをとても実感することができました。

過去の記憶の考え方を変えることとともに,今現在の意味付けをしている自分を振り返る

いい日になりました。

まだ1日講座に出ただけですが,個人的に,子どもを育てる前の女性に特に受けてほしいと思う内容でした。

中井塾

昨日は,中井塾に行ってきました。

正式には中井隆栄経営塾で,この日の講師は,大悟さんでした。

午前中は,右脳を使った事業計画の作成,

午後は,左脳を使った事業計画の作成,という構成でした。

右脳を使った事業計画の作成では,

白紙に利き手ではない方の手で曲線を描いたり,

笑顔にしたい人の笑顔を思い浮かべて絵を描いたり,

曲線のポイントポイントに,当てはまる声を書きだしたりと,

直感を使った作業が続きます。

そこから,キーワードを拾いだしたり,イメージを言語化したりして,

最終的に,そのタームで必要なやるべきことを行動レベルに落とし込んでいきます。

理想の状態のイメージはできるけど,そこに至るまでの経過で何をしたらいいか,

そのために取るべき行動は何か,をダイレクトに言語化するのは難しい

右脳派の私には,とても計画を立てやすい方法でした。

午後は,実際にエクセルと数字を使っての事業計画の作成でした。

自分がいつも行っているチームの目標を年間で立て,

そこから月ごとに落とし込んでいくことで,具体的な数値目標を立てることができました。

これまで中井塾で学んできた言語化,数値化の両方を,

事業計画という枠にあてはめて行ったことで,改めて言語化,数値化の重要性を感じました。