令和元年相続法改正制度の実務的運用と今後の相続に関する法改正

今回からしばらくは,相続法改正にまつわる実務的な話や,今後の相続に関する法改正の概要,注目すべき点等についてお伝えしていきます。

予定としては今回含めて13回で,令和元年相続法改正に関して,特別寄与料の制度と実務について2回,遺留分侵害額請求に関して2回

今後の相続法改正について,不動産放棄に関して2回,相続登記の義務化について2回,特別受益,寄与分の主張規制について2回,暦年贈与制度の廃止について2回

それぞれの制度概要及び実務の実態,注目すべき点などについて記載していく予定です。

新しい制度について考える際は,現行法の規定と問題点(法改正がされるに至った理由)を検討するのが大切です。

相続法改正が行われるのは,実務上経験する法律の問題点のうち,とても重要なごくごく一部の事項だけであり,改正がされるということは,多くの実務家が問題だと考えている点についてであるからです(やむを得ないことですが,立法を担う人員のリソースの問題がありますので,優先度,重要性が低い事項は法改正まで至りませんし,そのあたりは判例法理による個別の解決に委ねられているところです)。

相続は今後40年間ほどは増加が見込まれており,国家として対応が必要な事項も多く,多くの法改正が見込まれています。実務家として,案件解決に大きな影響を与えるであろう改正も多く控えているので,情報収集に努めていきたいと思います。