特別寄与料第2回

特別寄与料 第2回です。

第1回で,どのような方を対象としているのかというのはお伝えしました。

そして,第1回の条文のとおり,本制度は,無償の寄与について,「被相続人の財産の維持増加」に寄与した場合に認められるのですから,たとえば,たくさん見舞いに行った とか,面倒を見た としても,成年後見制度を利用していたり,施設や老人ホーム,ヘルパーの利用により,相応の支出を被相続人がしているケースなど,「被相続人の財産の維持増加」をしていないケースでは認められないことに注意が必要です。

特別寄与料に関する裁判例についても,特別の寄与という要件は,実質的公平の理念及び被相続人の推定的意思という制度趣旨に照らし,その者の貢献に報いるのが相当と認められる程度の顕著な貢献を意味し,少なくとも,①被相続人が療養看護を必要とする状況にあったこと(療養看護の必要性),②特別寄与料の請求者が,ある程度専従的に療養看護を行ったこと(専従性),③療養看護が継続的に行われたこと(継続性),④被相続人の財産が維持,増加したと認められることが必要である とされており,ハードルはかなり高いと言っていいでしょう。

また,本制度は6か月という非常に短い期間制限があるため,主張をする予定の人の準備期間が短いという問題点があります。

上記の認定要件,出訴期間等からすれば,特別寄与料を請求可能なだけの関係を持っている方であれば,事前に遺言書等で遺産の一部を取得できるように配慮をしていただくことを検討するのが望ましいといえます。