相続した不動産の所有権放棄 第2回

今回は相続した不動産の所有権放棄の第2回です。

第1回で挙げた問題点の解消の観点から,相続土地国庫帰属法が来年施行予定です。

具体的には,相続や遺贈で取得した土地について(共有者がいる場合には共有者全員で),手数料及び国が当面の間管理するために負担金を納付することで,相続した土地を国庫に帰属させることができるというものです。

上記の制度を「利用できない」土地として

①建物がある場合②担保権や使用収益を目的とする権利が設定されている土地(地上権等)③通路その他,他人による使用がよていされる土地④土壌汚染のある土地⑤境界の明らかでない土地,その他の所有権の存否,帰属又は範囲について争いがある土地⑥崖がある土地のうち,通常の管理にあたり過分の費用又は労力を要するもの⑦土地の通常の管理又は処分を阻害する工作物,車両又は樹木その他の有体物が地上に存在する土地⑧除去しなければ土地の通常の管理又は処分をすることができない有体物が地下に存在する土地⑨隣接する土地の所有者その他の者との争訟によらなければ通常の管理又は処分をすることができない土地⑩通常の管理又は処分をするにあたり,過分の費用又は労力を要する土地

が挙げられています。

とても例外が多いなぁ と思いますが,要するに国が管理に手間取るものは管理しませんよ ということでしょう。

しかし,国が管理に手間取る土地こそ,一般人は管理に手間取るわけですから,その点に目をつぶった制度を作ってどこまで意味があるのでしょうか。