相続登記の義務化 第1回

相続登記の義務化,第1回です。

相続登記が義務化される理由は,ご存じのとおり,相続登記をされない方が非常に多いからです。特に負の不動産(山林や田畑,価値の乏しい宅地)については,司法書士の費用や登録免許税等の費用を出す必要性を感じられず,登記をしないという判断は十分に合理性がある(し,相続人側のリスクも大きくない)ため,現状は当然の事態といえます。

しかしながら,その結果として,祖父や曾祖父の代から登記が動いておらず,相続の相続のそのまた相続が発生した結果,相続人が数十人,数百人になってしまい,もはや遺産分割協議書を作成する気力も起きないような事態になっている土地も珍しくありません。

この現状を打破すべく,住所を移したら住民票を移せ と同じレベルくらいの圧力(過料)で,相続が発生したら登記をせよ という制度を新設することになったわけです。

具体的には,相続で不動産取得をしてから3年以内に登記・名義変更しないと10万円以下の過料,遺言の場合も同様に3年以内に登記しないと過料,紛争等で登記できない場合には,相続人であることを申告して登記官が登記簿に申告した者の氏名住所を記録する相続人申告登記を新設する 等です。