特別受益,寄与分の主張規制第1回

特別受益,寄与分の主張規制に関する投稿です。

将来的に,特別受益や寄与分の主張が「相続開始後10年以内」に限られるという法改正がなされる予定です。

相続開始から時間が経過することで証拠の散逸や記憶の減退等により判断が困難となることから,当該改正が行われることになります。通常は経過しないケースが多いとは思いますが,どんなに遅くとも相続開始から10年経過する前に,遺産分割調停等,分割のための手続申立をする必要があります。

注意すべきケースとして,明らかに特別受益や寄与分が存在するからこそ,放置している場合(例えば,明らかに同居のAさんが専従介護をしており,Bさんは文句を言わないであろうと思って自宅の相続登記を入れていなかったり,逆に明らかにBさんが多額の特別受益を受けており,Bさんは文句を言わないであろうと思って自宅に相続登記を入れていない場合)等に,10年以上経過するのを待ってからBさんが遺産分割調停を申し立てた場合に,今後はAさんが無条件で負けてしまい反論ができなくなるということです。

相続登記義務化等の法制度と併せて,相続手続を適切な時期に行う必要性が高まっていることに注意を払う必要があります。