数次相続の諸問題1

今回からしばらくは,一次相続が解決しない間に二次相続が起きる場合の諸問題についてお話をします。

具体的には,お父さんが亡くなり,遺産分割について話し合いがつかない間に,お母さんが亡くなってしまい,相続人は長男と長女の2名のケースを考えてみます。

遺産分割+遺産分割 のケース

お父さんもお母さんも遺言書を残さなかった場合には,先に亡くなったお父さんの遺産について,相続人兼被相続人としてお母さんが遺産を受領するか否かということを考えなくてはなりません。

この話はお父さんの相続人とお母さんの相続人が異なる場合には,相続人兼被相続人としてお母さんが遺産を取得することが必要となりますが,今回のように完全に相続人が同様となる場合には,お父さんの財産についてお母さんの取得を観念する必要があるのかどうかです。

たとえば,お母さん単独の財産では相続税が発生しないが,お父さんが有している不動産の2分の1を含めると発生するといった場合には,お父さんの財産はお母さんの相続税申告期限までに,お母さんを介さずに遺産分割を済ますことが考えられます。

この場合にお母さんの相続税申告期限までにお父さんの財産が未分割であれば,2分の1をお母さんが取得した前提で未分割申告,納税をしなければなりません。