管財か同時廃止か2

前回の続きで,管財事件と同時廃止手続の振り分けについて書きたいと思います。

管財事件が原則で,同時廃止手続は例外という立て付けであることを前回は書かせていただきました。

では,具体的にどういう場合に管財事件になるのかということですが,まずは管財費用を捻出できるだけの資産(20万円)があるのかどうかで区分けされます。

破産申立時点で預金通帳に20万円以上残っていたり,生命保険を解約した場合の返戻金が20万円以上あったりすると,管財事件となるわけです。

もっとも,今は多少資産があるけれども,これから依頼する弁護士に費用を払うことを考えると,そんなに資産は残っていないというようなこともあるかと思います。

ですので,このあたりの正確な計算は弁護士に相談して確認することが必須です。

次に,資産の問題をクリアしたとして,出てくる問題は免責不許可となる可能性の有無です。

破産して免責許可を受けるためには(借金が0となるためには),免責不許可事由に該当しないことが求められます。

免責不許可事由はいくつかありますが,代表的なものは,借金の理由がギャンブルや投資,浪費というケースです。

これに該当するおそれがあると,免責許可をしていいかどうかの検討が必要となるため,管財事件となる可能性が高いです。

さらに,自己申告ではこれらの基準をクリアしていたとしても,

本当に他に資産がないのか調査が必要とされたり,借金の額が多額なため,借入経緯に問題がなかったか調査をする必要が出たりなどの理由で

同時廃止手続ではなく管財事件となることもあります。

このあたりについては,申立代理人である弁護士が事前に依頼者の財産状況等を綿密に調査することで,

追加調査の必要はないという方向に(同時廃止手続で大丈夫だという方向に)働きかけることもできる部分です。

もっとも,最終的には裁判官がどう判断するか,ということなので,同時廃止手続が見込まれるケースでも,

“絶対に同時廃止になる”というような認識ではいない方がいいでしょう。

管財か同時廃止か1

自己破産の申立を行うと,管財事件になるか同時廃止手続になるかの振り分けがなされることになります。

簡単に言ってしまえば,管財事件は少し複雑な手続であり,同時廃止手続は比較的簡単な手続ということになります。

管財事件になると,裁判所から破産管財人の弁護士が選任されるのですが,破産管財人も無償でそのお仕事をするわけではありません。

では,だれがその報酬を支払うのかというと,破産管財人の報酬は破産を申し立てた人が負担しなければなりません。

ですので,同時廃止手続と比べて,管財事件となると少なくとも20万円以上多く費用がかかってくることになるのです。

「できるだけ手続にかかる費用を下げたい」というのは誰もが考えることですから,管財事件になるか同時廃止になるかという点は弁護士がよく質問を受ける部分です。

ただ,まず気を付けねばならない点は,破産制度の原則は管財事件であり,例外的に同時廃止という手続があるのだということです。

つまり,本来はすべてのケースで破産管財人をつけて手続を進めなければならないのだけれども,

破産管財人の報酬を払うことも難しく,免責していいかどうか(借金を0にして良いかどうか)という点で特に追加の調査をする必要もない等

例外的な場合に限って,簡潔な手続である同時廃止手続が選択される可能性があるということになります。

「管財事件なんてとんでもない大ごと」と考えている方もしばしばいらっしゃいますが,そうではないということを覚えておいていただければと思います。

相続放棄か債務整理か

ご両親や配偶者の方が亡くなり,実はその亡くなった方に借金があった,という話はよくあります。

借金については相続しなければいい(相続放棄すればいい)ということを,テレビなどの情報で知っている方も多いかと思います。

 

ただ,借金があった=相続放棄すればいいと短絡的に考えすぎると,思わぬことになりかねません。

典型的なのは,その亡くなった方がマイホームを持っていた場合ですが,借金があるといっても,資産全体で見ればプラスという場合には,

基本的に相続放棄せずに相続したほうが経済的に有利なわけです。

特に東京圏などの不動産価値が高い場所の場合,消費者金融で数百万円の借金があったとしても,住宅価値がそれを大きく上回ることがほとんどでしょう。

 

すると,相続放棄せずに相続を行うという選択になるわけですが,住宅の所有権を得るのと同時にやはり借金も相続することになります。

家を売るという選択ができる状況の方であれば,家を売却し,その売却価格から借金を一括で払ってしまえばいいかと思いますが,

その家を売ってしまうと自分の住む場所がないという状況の場合は,そう簡単に家を売却するという選択は採りにくいと思います。

 

このような場合に,借金を返済していくことが難しそうであれば,任意整理するという手があります。

自身で借金をしたことがない方にとってはまったく聞いたことがないということも多いと思いますが,

任意整理とは,要するに借金を今後どう支払っていくかについて,債権者と交渉する手続です。

これを行うことで,住宅を売ることなく借金の返済を行えることもありますので,

相続放棄すべきなのか,という問題に直面した方は,いずれにしても弁護士に一度お問い合わせいただくのがよいかと思います。

任意整理は家族に秘密のまま行えるか

弁護士に債務整理のご相談にいらっしゃる方で,比較的多くのご要望があるのが,

“家族に知られないようにしたい”というものです。

一般的に,自己破産や個人再生を家族に知られずに行うのは難しいですが,任意整理は秘密のまま行えることが多いです。

これは,自己破産や個人再生の場合,家全体の家計の状況を精査しなければならない関係で,

ご家族の協力が不可欠なのに対して,任意整理だとそこまで詳細な資料を求められない等の違いがあるためです。

 

ただ,事実上家族に言わざるを得ない場合も少なくないです。

よくあるケースが,“財布のひもを配偶者が握っている”というものです。

今後の返済について,毎月の自分のお小遣いの範囲でどうにかしたいとおっしゃる方がいらっしゃいますが,

その範囲で払っていければ特に問題ないものの,それでは到底足りないという場合,

奥様(旦那様)に事情を伝えざるを得ないかと思います。

 

債権者に対して“月収は○○万円だけど,自分のお小遣いは×万円なので,月額×万円の範囲でしか払えません”

と伝えることはできませんか?という質問を受けることもございますが,

そうした家庭内の事情は原則として認められませんのでご注意ください。

 

特に,広く一般に知られている会社にお勤めで,収入の高い方などは,

債権者側も十分な収入があることをよくわかっているので,家族に秘密のまま任意整理を進められるのかどうか,

弁護士によく確認すべきかと思います。

免責審尋について

東京地裁で自己破産の申立てを行い,同時廃止の手続となった場合でも,

基本的に一度だけ自己破産を申し立てた本人が裁判所へ行く必要があります。

いつ行く必要があるのかというと,申立てを行った数か月後にある「免責審尋」の期日に行く必要が出てきます。

 

裁判所へ行く,というのは普通の人にとってかなり緊張感のあるものだと思いますが,

代理人である弁護士も一緒に行くことになるのでご安心ください。

 

また,この手続は,(建前はともかく)ほとんどの場合裁判所に出頭しているのが本人であるということ,

住所や本籍地に変わりがないこと,申立てから免責審尋までの間に特段状況に変化がないこと

を確認するという手続のみで終わります。

自分の番になったら前へ行き,自分の名前を名乗り,住所や本籍に変わりはありませんかという裁判官からの質問に(「変わりありません」と)答える,

そして裁判官から代理人に対して,状況の変化がないかという質問があり,代理人が(「特にございません」と)答える,

これだけです。

そのため,本当に数十秒で終わることになります。

 

自己破産だと裁判所に行かないといけないから嫌だな…ともし思われている方がいるとしたら,

裁判所に行くといっても上述のとおりなのでご安心ください(管財事件となると異なってきますが)。

 

また,前にも少し書いたことがありますが,破産の手続は各裁判所によってかなり異なりますので,

申立人本人の出頭が必要なタイミングは,申し立てる裁判所によって変わりますのでご注意ください。

無保険車との事故

自動ブレーキシステムの普及などもあり,年々交通事故は減少していますが,

まだなくなったというわけではありません。

交通事故に遭ってしまった・起こしてしまったという場合に保険が役立つ場面は,少なくとも当面の間は続くはずです。

 

自動車保険は,まず強制加入である自賠責保険があり,その上に任意の民間保険があります。

多くの方が任意保険にも加入されていますが,他方で任意保険に未加入(無保険)という方も少なくないです。

事故の程度によっても異なりますが,自賠責保険だけでは賠償に不十分なことが多いため,

その不足分を任意保険で賄うことになりますが,無保険の場合は加害者自身が支払いを行う必要が出てきます。

 

任意保険に加入されている場合は,事故後の示談も賠償手続も保険会社が行ってくれますが,

無保険の場合は示談自体も賠償も自分で行わなければならないことになります。

被害者にとっても加害者にとってもこの2点はかなり負担となってきます。

 

賠償面では,特に被害者の重症度が増すと,賠償額が非常に高額になり,支払いを行うことが困難となってきます。

それでも長期分割払いで払えるならまだ良いのですが,高齢で収入がなく,他に財産もなかったりすると,

現実的に賠償を受けることが困難となってきます(裁判で勝つことはできても差し押さえるものがない状態。)。

 

弁護士をしているとどうしてもそのようなケースに遭遇することがありますが,

人身傷害保険や無保険車特約といった,いわば自分の身体にかける保険に被害者が加入していると,

その保険から相応の支払いを受けることができるので,状況はまるで変ってきます。

 

世の中には様々な保険がありますが,人身傷害保険は,自動車をお持ちの方にはぜひ加入してほしい保険だと思います。

クールビズ

今年もじりじりと暑い季節となってきましたが,特に男性の場合はスーツを着ること自体がつらいと感じることも多いのではないでしょうか。

私も毎日帰宅したら一刻も早く着替えます。

 

ところで,クールビズという言葉が普及してかなり経ちますが,クールビズが適用されるのは裁判所も例外ではありません。

東京地裁では,5月から10月までクールビズが適用されています。

他の公官庁は5月から9月までということが多いように思うので,裁判所は他の公官庁よりも暑いということなのか何なのか実際のところはわかりませんが,

たしかに裁判所は暑い(そして冬は非常に寒い)印象が私の中でも強いです。

 

しかし,5月から10月というと,もはや文字通り1年の半分ということになるので,

いまや「クールビズ」は例外的な時期ではなく,単なる冬服に対する夏服という感じですね。

やはり温暖化の影響なのでしょうか,休日の街中でも,この数年以前より半ズボンの男性が増えたような気がします。

これまでは成人男性的に半ズボンはちょっと恥ずかしいという気持ちがあったのかもしれませんが,

もはや珍しいものでもなくなったということで,その恥ずかしさが薄れたのかもしれませんね(私がそうなので。笑)。

 

そんなことを毎年夏になると思っていたのですが,初めてブログに書いてみた次第です。

 

また,今月弊所が千葉市内に新しい事務所を開設しましたのでご紹介いたします。

千葉法律事務所

宜しくお願い致します。

裁判にかかる時間

裁判が終わるまでにかかる時間がどれくらいか,ということについて,ご存知の方は多くないと思います。

弁護士の仕事をしていて,様々な質問をいただくことになりますが,その中でもこの質問はかなり多いです。

ただ,正直なところケースバイケースという面が強く,ふんわりした回答になってしまうことも少なくないです。

 

例えばテレビで報道されるような大きな事件だと,まず始まるまでにものすごく時間がかかり,

判決が出るまでにも当然時間がかかり,そのような事件の場合控訴審,上告審と話が進むことも珍しくないので,

結局すべてが終わるまで長い年月を要します。

ただ,もちろんこれがスタンダードというわけではありません。

 

誤解を恐れずに言えば,裁判官としても早期解決できるのであればそれに越したことはないのですから,

訴訟当事者が早期解決の希望をもっていれば,その裁判は相対的に早く終わるでしょう。

また,裁判は双方の主張に争いのない部分と争いのある部分(争点)とを分け,争点に関して主張を応酬させていくイメージですので,

争点が少なければやはり比較的早く終わることが多いです。

そして,争点に関する証拠がすぐに出揃ってしまえば,主張も早期に出尽くすわけですから,裁判官が早い段階で和解案を出してくれることもあります。

 

裁判に至るまでの間に,すでに弁護士をつけて相手と交渉を行っているようなケースだと,

裁判になった時点で争点も明確になっていて,証拠関係も揃っていることが少なくないので,

2,3回目の期日で早くも和解の話に進むということがあります。

そこで和解が成立するならば,裁判を起こしてから半年以内での解決ということも十分にあり得るので,

一般的な裁判に要する時間のイメージとはだいぶ変わるのではないでしょうか。

 

 

当法人が四日市市に新たに事務所を開設いたしましたので,ご紹介させていただきます。

弁護士法人心四日市法律事務所

大人になってからの方が勉強したくなる,という話

学生時代は“やれといわれたから”,“受験に必要だから”という消極的な理由で嫌々勉強していたけれども,

大人になって社会人になると急に勉強がしたくなる,なんて話はよく聞きますが,

私もまさしくそんな感じになってきている気がします。

 

“特定の分野を研究したい!”といった域にはまだ達していないのですが,

いろんなことを学んでみたいという知識欲が湧いてくる感覚があります。

以前ブログで書いた資格試験を受けたくなるという心境も同じところに端を発しているんだと思います。

 

私は大学が政治経済学部で,経済学を勉強していた(はず)のですが,

正直ほぼほぼ内容を覚えておらず,今となっては惜しいことをしたなという気持ちが強くあります。

そこで,少しずつではありますが,大学時代に学んだことについても復習していたりします。

どうしても経済数学がしっくりこないのは昔と変わっていませんが。笑

 

弁護士業務と関係ないことをあれこれ学んだところで仕事には役立たないのでは,という感も一見するとありますが,

不思議なもので,まったく別の分野に頭を使うと,普段の弁護士業務を俯瞰して見る感覚が生まれ,

精神的に余裕が出るように思います。

ずっと同じことをやっていると頭が凝り固まってしまうけれども,別のことを行うことで凝りがほぐれる感覚,といったところです。

ですので,今後も当面は色々な分野の知識をつまみ食いしたいなぁと考えています。

そして,あわよくば“もっとこれを知りたい!”と思えるものに巡り合えるといいなと感じています。

破産や再生の手続が都道府県によって違う?

裁判所によって,事実上運用が異なるケースがあるということは以前にも書かせていただいたことがあるかもしれません。

例えば,東京では事件数が多いためか,それを処理していくために,地方よりもスピーディーに展開を進めようとするイメージがあります。

そして,裁判手続の中でも自己破産や個人再生の手続は,特に各都道府県の特徴が色濃く出ているように思います。

 

余談ですが,裁判官は数年おきに全国転勤することになりますので,東京の裁判官がずっと東京にいるわけではないですし,

地方の県の裁判官がずっとその県で勤務しているわけでもありません。

ですので,感覚的にはどちらかというと各地方ごとの特徴は芽生えづらく,全国一律の運用になっていきそうだと思うのですが,

どういうわけか各都道府県ごとにかなり運用が異なっています。

 

まず,自己破産であっても個人再生であっても,裁判所に申立書を提出するわけですが,

その申立書自体が各地の裁判所が用意した書式を使うことになるので,内容が少しずつ異なっています。

そして,東京の運用で特徴的なのは,自己破産の場合に即日面談という代理人が裁判官と個別に話をする機会があり,

また,個人再生の場合には全件で再生委員が選任されるという点です。

いずれにしても,他の道府県よりも弁護士が行う手続が増える場合が多いといえます。

 

地域によっては,ケース次第ですが,申立書類を裁判所に提出し,特に内容に問題がなければ

裁判所に行くこともなく手続が終了することもあるということを思えば,これはかなりの違いがあると思います。

キャッシュレス決済

昨年の消費税増税と同時期に,国がキャッシュレス決済の普及を進めたこともあり,

以前と比べてかなりバーコード決済などの決済方法が一般的となってきました。

私個人は以前からカード派で,ポイントをこつこつためるのが好きだったりするのですが,

昨年の消費税増税と当時に,これまで以上にキャッシュレス決済を利用することによる還元率が高まり,

私の周りの現金派の人たちも,これを機にキャッシュレス決済に手を出していました。

 

弁護士として債務整理の業務に携わっていても,しばしばキャッシュレス決済の問題に直面します。

債務整理のご相談にいらっしゃる方は,基本的にカードをよく利用されている方であり,

ほとんどの場合が“キャッシュレス派”の方ということになります。

キャッシュレス派からすれば,「債務整理手続をとることでクレジットカードが使えなくなるだけでも不便なのに,

国の政策であるキャッシュレス決済によるポイント還元の恩恵にもあずかれないのではないか…」という不安が出るのは当然です。

 

しかし,キャッシュレスというのはクレジットカードのようないわゆる後払いシステムだけでなく,

事前にチャージしたうえで支払を行うプリペイドシステムもありますし,利用と同時に引き落としがされるデビットカードもあります。

後払いシステムの利用は債務整理を行うと難しくなりますが,先払い,同時払いは信用情報と関係がないので,継続して利用できます。

 

債務整理をすることでできなくなることについては,ぜひ弁護士に確認していただければと思います。

尋問手続

裁判という言葉からイメージするものが,弁護士から尋問されている映像だという人は多いかと思います。

たしかに裁判の中で一番裁判らしい手続なのが尋問手続かなぁという気がします。

 

もっとも,裁判を行った人すべてが尋問を経験するのかというとそうではないですし,

なんなら尋問手続を行うのはごく一部の裁判だといっても過言ではありません。

 

裁判の種類にもよってきますが,基本的に裁判は書面による主張の応酬であり,

双方の主張が出尽くした段階で,和解が試みられることが多いです。

ここで和解が成立すれば裁判はそこで終わるわけですが,

和解が成立しないと,裁判官の判決に向けて話が進んでいきます。

そして,判決に進んでいく場合は,判決の前に尋問手続が行われることがあるのです。

 

幸か不幸か尋問されることになったという方は,大変緊張するかと思います。

しかし,ひとつ安心してほしいのは,尋問手続によって裁判の結果が決まるのではないということです。

もちろん,尋問でどんな話をしたかということも大事ですが,

そもそも双方の主張はその時点で書面により提出されているわけです。

ですから,訴訟当事者の方が尋問を受ける場合,その方が何を訴えたいのかは基本的にみんなわかっていますので,

尋問で一からすべてを話さなきゃいけない,と考える必要はありません。

 

逆に何が聞かれる(見られている)のかというと,これまでの主張と,尋問される方の話す内容が整合的かどうかといった点です。

これまでAという事実を主張していた方が,急にBという事実を主張をしたり,あるいはAという事実を前提としたら起きえない事実を述べたりすると,

Aという事実があったかどうかは非常に疑わしくなります。

きちんと記憶のとおりそれまでの裁判で主張してきたのであれば,尋問でもその記憶どおりに話しさえすれば,特に問題はないはずです。

 

ここまでの内容でも少しわかるかと思いますが,尋問は加点というより減点の視点で見られることがあるかもしれません。

つまり,尋問でいいことを言ったから有利になるというよりは,これまでの主張と矛盾しなければマイナスなしで,

矛盾することを言っていると信用が下がる(マイナスになる)という感じです。

 

尋問されることになった方は緊張すると思いますが,自分の記憶どおりに話していれば特に問題はないんだと思っていれば,

少しは気が楽になるのではないかと思います。

2020年の始まり

2010年代が終わり,2020年代が始まりました。

年をとるごとに時間の経ち方が早くなっていくとはよく言われますが,

本当にいつの間に2010年代の10年間が過ぎ去ったのだろうという感覚です。

2020年代は充実していたと胸を張って言えるような10年間にしていきたいと思います。

 

今年は何といっても東京オリンピックですね。

試合を見るという方はもちろんですが,残念ながらチケットに落選してしまったという方であっても,

街中でオリンピックを感じることは多々あるのではないかと思っています。

弊所は東京駅のすぐ近くですし,私もオリンピック競技が行われる会場から割と近いところに住んでいるので,

結構な頻度でオリンピックに関する非日常の雰囲気を味わえるのだろうと今から考えています。

 

なお,弁護士業界は,弁護士になるための最終試験であるいわゆる2回試験が11月に行われ,

その合格発表(不合格者発表)が12月になされる関係で,基本的に年末年始が新人弁護士のスタートになります。

ですので,新年の開始とほぼ時を同じくして,新人弁護士さんも裁判所などでちらほら見ることが増えてきます。

新人の目から見て,尊敬できる存在になれるよう,改めて気を付けようと思います。

裁判官は判決よりも和解で終わらせたい?

以前このブログでも書いたかもしれませんが,裁判=判決ではありません。

おそらく,「裁判」という言葉から多くの方が「勝訴」とか『敗訴』という言葉を連想されるのではないかと思いますが,

裁判の終結の仕方は判決だけではなく,和解という終わり方があります。

 

「裁判官は判決を書きたがらない」という話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

弁護士がそのように言っているのを聞いたことがあるという方もいらっしゃると思います。

実際に,裁判官が判決を書きたがらないかどうかはわかりませんが,

判決ではなく和解になるということが,悪いことだというわけでは決してありません。

 

和解は,双方がある程度譲歩することによって成立するもので,判決よりもある程度柔軟な内容にすることが可能です。

判決だと白か黒かはっきりせざるを得ない部分についても,和解だと,場合によっては中間的な内容になることもあり得ます。

すると,判決だと“もしかすると全面的に負けてしまうかもしれない”ものについても,和解だと“多少は認めてもらえた”ということが起こり得ます。

判決は,裁判官が一方的にくだすものであるのに対して,和解は当事者双方が自発的に受け入れる性質のものですので,

紛争の終わり方としても一応双方が「了承している」という点で,和解の方が判決よりも綺麗な終了だという見方もできるかと思います。

 

判決よりも和解の方が,という考えには,このような理由もあるのではないかと思います。

今弁護士を目指す人とは

以前にもブログで書いたかもしれませんが,司法試験の合格発表待ちの方々や,

晴れて司法試験に合格して,司法修習を間近に控えている方々の面接を担当させていただくことがあります。

司法試験受験者を網羅的に見ているわけではもちろんないので,

あくまで当法人の面接を受けていただいている方を見て,ということにはなりますが,

以前と比べて個性的なバックグラウンドをもっている方が多いような印象があります。

 

近年言われている,弁護士を取り巻く環境の厳しさもあり,それ相応の覚悟をしている人しか目指さなくなったからなのかなぁなどと思ったりもしますが,

実際のところはよくわかりません。笑

ただ,現在の司法試験受験生と少しでもかかわることで,そちらの業界が今どのような状況なのかということにわずかでも触れられる気がして,

個人的には少しうれしいです。

 

ちなみに,弁護士業界をはじめとした法曹界が,世間で言われているように厳しいのかどうかについて少し触れておくと,

私が弁護士になるよりずっと前の弁護士業界と比べて厳しいのは間違いないだろうと思いますが,

受験生時代に聞いたことのある,必要以上のネガティブキャンペーンほどには悪くないと思っています。

 

ですので,ぜひ,これまで以上にたくさんの人が司法試験を目指す状況が続いてほしいなと思います。

 

不動産の価値についての問題

東京オリンピックが来年に迫っていますが,

東京都内にお住まいの方は,「オリンピックが終わるまで不動産を買うのは待った方がいい」

なんて言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。

 

オリンピック後に本当に不動産価格が下がるのかどうかはわかりませんが,

東京の不動産価格は地方と比べ物にならない高さです(もちろん場所にもよりますが。)。

例えば,10年前に買った住宅が,むしろ現在の方が値上がりしている,なんていうことも少なくないですよね。

今高騰している住宅を昔買っていた人がうらやましいなあと思ってしまいますが,

実はこの話,弁護士にとっては債務整理手続,特に個人再生手続との関係で,大きなポイントになることがあります。

 

個人再生とは,簡単に言うと,現在の債務額を圧縮し(減額し),その圧縮された金額を分割払いで支払っていく…というのが基本的な流れです。

ただし,清算価値保障の原則があり,破産した場合よりも債権者に弁済する額(配当額)が少ないというのは認められません。

これは結局,住宅ローンが残っていても,実はその住宅の現在価値が住宅ローン残額を超えている場合,

超えた分については弁済を行わなければならないということになります(破産したらその住宅は売却され,残ローンを上回る部分については債権者に対して弁済されることになるため)。

 

先ほど述べたように,東京では買った時より今の方が価値が上がっているということが少なくないですし,

上がっていないにしても下がっていないということがしばしばあります。

たとえば,4000万円で買った家のローンが3000万円残っていたとしても,住宅の現在価値が5000万円になっていたら,

個人再生をしても,差額の2000万円は払わないといけないということになってしまいます。

多くの場合,これでは個人再生をする意味がないという結論になってしまうため,別の方策を探るということになるでしょう。

 

このように,東京都内でマイホームをもっている方の個人再生は,不動産価値の問題が重要になってきます。

資格試験

私は学生時代から資格試験を受けるのが好きだったのですが,

どうやら今年に入るまでそれを忘れていたようで,

とある試験を受けたことで,自分の“資格好き”の性格を思い出しました。

 

何の肩書きも持っていない小学生・中学生の頃に,

漢検や英検に合格すると,さほどそれが難しくない級だったとしても

妙にうれしかったのを今でも覚えています。

弁護士という“資格”が必要な仕事に就くこととなったのも,

もしかしたら元来のこのような性格が影響した面があるのかもしれません。

 

そんなこんなで,今年から気になった資格試験を時折受けてみたりしているのですが,

興味深いのは,受験者の年齢層についてです。

仕事にも役に立つのだろうと思われる,ビジネス系の資格については

やはり大学生~20代くらいの若いサラリーマンが多いですが,

趣味の要素が強い資格については本当にまちまちです。

 

特に驚いたのは,高校レベルで習う内容が出題される資格試験でした。

私としては,(自分もそうだったのですが)昔学んだ知識を再度取り戻そうという方や

今まさにそれを学習している高校生が受けに来るのかなぁと思っていたのですが,

明らかに小学生と思われる受験生が多数いました。

中学受験で出題される範囲でもなさそうだったので,彼らは本当に好きで勉強しているのかもしれません。

 

いずれにしても,こうした様々な頑張っている方を見ると,こっちも負けないぞという気持ちになってきます。

弁護士業務の研鑽と並行することで,気分転換にもなっていい循環だなと感じています。

携帯電話の分割払いと自己破産

自己破産をする場合,そのとき抱えている借金の相手(債権者)に対して,

自己破産手続をとることを通知することになります。

銀行や消費者金融からの借入れがある場合についてはイメージがつきやすいかと思いますが,

携帯電話については盲点となることが多いです。

 

今は携帯電話本体の代金が高額ですし,各社とも分割払いがお得だと宣伝していることもあり,

携帯電話本体の代金を分割払いで購入されている方が多いと思います。

しかし,携帯電話本体の分割払いも,借金の1つとカウントされることになります。

ですので,本体代金をまだ払い終わっていない方が自己破産をして免責許可の決定を受ける場合,

他の借金と合わせて,携帯電話本体の代金も払わなくてよいこととなります。

そうすると,携帯電話は強制解約となり,利用することはできなくなってしまうのです。

 

現代社会で携帯電話なしの生活というのは,現実的に難しいという方も多いと思います。

そのため,破産手続を開始する前に,プリペイド携帯に変更するなど

手続開始後も通信手段が残る状態にするという方法もあります。

 

携帯電話については,先ほども述べたように,

生活必需品となっている側面が強いことから,他の借金とは区別して考えるべきではないかという考え方もあるようです。

最も身近な借金ともいえる携帯電話の分割払いですが,

債務整理手続の場面では,かなり複雑な問題があります。

専門家でも判断が分かれることがある話なので,迷われたらぜひ弁護士にご相談いただくのがよいと思います。

 

 

なお,弊所のホームページ写真が更新されました。

http://www.kokoro-tokyo.com/

過払い金請求事件はもう終わり?

もうずいぶん前から,弁護士事務所のCMや電車内の広告,あるいはホームページなどで「過払い金」というワードが多々登場しているので,

多くの方がなんとなく“過払い金請求によりお金が返ってくることがあるらしい”ということはご存知かと思います。

また,何年か前からは「時効」という言葉が出てきたことをご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

 

時効という言葉を聞くと,「あぁ,もう過払い金請求はできないんだ」という気持ちになるかもしれませんが,

実際のところ,まだ少なからず過払い金請求事件は存在します。

多くのホームページで紹介されているので詳述は避けますが,過払い金はおおむね平成19年以前からお借入れがある場合に発生します。

そして,過払い金返還請求の時効は10年なのですが,この10年というのがどの時点を始点に考えるのかがポイントになります。

 

この問題について,細かいことを言えばさまざまな論点があるのですが(途中で完済したことがある場合など),

基本的に,お借入れを“完済したとき”が始点になります。

ですので,平成23年に完済したのであれば令和3年に時効ということになりますし,平成25年に完済したのであれば令和5年に時効ということになるのです。

 

平成19年以前から借り入れを開始して,完済したのが平成21年以降というケースは少なくないと思いますので,

過払い金請求が現在でも行えるという方は決して少なくないですし,現に現在も過払い金のご相談を受けることはしばしばあります。

「もしかしたら」と思った方は,一度弁護士に相談してみるといいでしょう。

東京で過払い金のご相談をお考えの方はこちら

どんな相手に対しても任意整理できる?

近頃どんどん暑さが増してきて,じめじめも加わり,いよいよ夏本番という感じですね。

夏風邪などひかぬよう,私も日々気をつけつつお仕事に邁進したいと思います。

 

今日は任意整理でよく聞かれる疑問について書きたいと思います。

弁護士に任意整理を依頼すると,月々の支払いが減ったり,将来利息がなくなったりといったメリットがある,ということはよく聞かれるところです。

ところで,これが認められる理由はどういったところにあるのでしょうか。

 

結論から言うと,法的な理由はないです。

あくまで,“債務者のお願いを債権者が受け入れてくれた”といった程度の話です。

つまり,債権者からすれば,債務者のお願いを聞いてあげる義務はないけれども,

破産や再生の手続をとられるよりは貸金の回収ができるので応じている,ということになります。

 

すると,任意整理によって,月々の支払いが減る,将来利息を支払わなくてよくなる,といった結果が出るかどうかは,

基本的に相手方の出方次第ということになります。

大手消費者金融などは,任意整理のお願いをされた際の方針を決めていますので,お願いする側としてもある程度目途が立ちます。

他方で,ごく一部の地域でのみ営業しているような小規模消費者金融などは,任意整理の対応を受け付けていないということも多いです。

つまり,法的に任意整理の相談に応じる義務はない以上,あくまで決められたとおりの金額の支払いを求めてくるということになります。

 

「ほかの会社は応じてくれているのにこの会社だけなんで!」という気持ちにもなってきますが,

法的に応じる義務はない以上,このような対応をしてくる会社があるのもある意味当然ではあります。

 

ですので,任意整理を検討する際には,借入額や月々の返済可能額だけでなく,借入先の会社がどこかということも大事になってきますので,

その点についてもご注意いただければと思います。